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    固定資産税評価額の計算方法をわかりやすく解説

    固定資産税評価額

    不動産を購入すると一度は目にするであろう固定資産税評価額という言葉。

    不動産にまつわる税金計算においては欠かすことができない項目です。

    一方で、この固定資産税評価額は一つ一つ人の手によって計算されていることをご存知でしょうか?つまり、計算間違いが発生しているのかもしれないです。

    必要以上に税金を取られないようにするためにも、固定資産税評価額がどのような根拠に基づいて設定されているか把握しておきたいもの。

    そこで今回は、固定資産税評価額の計算方法を土地と建物に分けて、わかりやすく説明させて頂きます。

    1. 固定資産税評価額とは

    固定資産税評価額とは、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて市町村が個別の土地・不動産に対して策定した評価額のことを言います。

    固定資産税評価額は、自治体の担当者が一つ一つ確認して決定しているのです。(実際は新築時においてのみ確認し、その後は経過年数に応じて逓減させていく形になります。)

    固定資産税評価額の枠組み

    2. 固定資産税評価額が用いられる場面

    次に、固定資産税評価額が実際に用いられる場面について簡単に紹介させて頂きます。固定資産税評価額は税金計算において用いられるものであるため、諸費用の計算において用いられると考えましょう。

    固定資産税評価額含め、不動産に関する税金・費用については不動産の取得・売却時に発生する税金・費用のまとめに詳しく記載しておりますので、合わせて参照頂ければと思います。

    2-1. 固定資産税・都市計画税

    固定資産税・都市計画税は資産の持主に対して請求される税金のことを言います。その税額は固定資産税が評価額の1.4%、都市計画税が評価額の0.3%です。

    2-2. 登録免許税

    登録免許税は不動産の登記を行う際に納める必要がある税金です。税額は最大で固定資産税評価額の2%です。

    2-3. 不動産取得税

    不動産取得税は不動産の所有者に対して1度課される税金です。税額は固定資産税評価額の3~4%です。

    3. 固定資産税評価額の計算方法

    上記にて固定資産評価額がどういった場面で使われるのかという点について確認頂いた上で、早速固定資産税評価額の計算方法について一つずつ見ていきましょう。

    3-1. 土地

    まずは土地における固定資産税評価額の計算方法についてです。少し細かい分類があるためにとっつきづらい部分もあるのですが、一つずつ理解を進めていきましょう。

    3-1-1. 地目の決定

    まずは対象となる土地の地目を決定します。地目の具体例は田、畑、宅地、山林、牧場などです。

    地目は土地の現況及び利用目的に重点を置いて決定されます。

    登記簿上の土地の地目と実際の土地の地目は異なることが多々あります。なぜなら、登記上の地目は登記のタイミングで決定されるものであり、登記後、時間の経過と共に土地の用途が異なることがあるからです。

    登記簿における地目が何と書かれていても、固定資産税評価額は現況に基づいて決定されるということを知っておきましょう。

    今回はみなさんに一番馴染みがある宅地(建物を建てるための土地)を対象とし、宅地における固定資産税評価額の計算方法について説明させて頂きます。

    3-1-2. 土地の面積(地積)の決定

    地目を決定した後は、土地の面積(地積)を決定します。土地の面積の決定方法は以下によります。

    1. 登記簿に登記されている土地については、登記簿に登記されている地積による
    2. 登記簿に登記されていない土地については、現況の地積による

    土地を購入した場合、ほぼ100%登記を行いますので、地積は登記簿に記載されている面積と認識しておきましょう。

    3-1-3. 対象となる宅地が存する地域を確認する

    地目を宅地と決定し、地積も決まりましたが、評価額を計算するにあたり、もう一つ確認しておくべき項目があります。

    それは、対象となる宅地が存するどういった地域に区分されているのかを確認するというものです。区域はおおむね以下の2種類の分けられます。

    1. 市街地的形態を形成する地域 → 「市街地宅地評価法」による評価
    2. 市街地的形態を形成するに至らない地域 → 「その他の宅地評価法」による評価

    そして、市街地的形態を形成する地域の整理は自治体によって異なりますが、概ね「市街化区域」のことを言います。

    市街化区域について簡単に整理した以下の図を参照頂ければと思います。

    assetvalue2

    出典:国土交通省北海道開発局HP

    街づくりを行う地域としてまず都市計画区域を決め、その中で市街化を進める地域である市街化区域と市街化を抑制する市街化調整区域を定めるというのが大きな枠組みです。

    そして、市街化調整区域では基本的に建物を建てることができませんので、市街化的形態を形成する地域は市街化区域と概ね合致することになるのです。

    3-1-4. 市街地宅地評価法における固定資産税評価額の算出方法

    ここから具体的な計算方法に入っていきます。まずは市街地宅地評価法がどういった評価方法なのかという点についてみていきましょう。

    市街化宅地評価法による土地の価格の計算式は以下の通りです。

    固定資産税路線価 x 土地面積 x 評点

    順番に見ていきましょう。

    3-1-4-1. 固定資産税路線価

    まずは固定資産税路線価を算出しましょう。固定資産税路線価とは、道路に付けられた価格のことであり、その道路に接している土地の1m2あたりの価格を示しています。

    固定資産税路線価

    上の図における2つの土地の面積は同じく100m2とします。この場合、路線価10万円/m2の道路に接している土地の固定資産税評価額は1,000万円、路線価7万円/m2の道路に接している土地の固定資産税評価額は700万円となります。

    固定資産税路線価の確認方法

    固定資産税路線価は市町村が定めており、役所にいけば確認することができますが、市町村によってはインターネットで固定資産税路線価を確認することが可能です。

    なお、路線価には固定資産税の計算に用いられる固定資産税路線価(市町村が作成)、と相続税の計算に用いられる相続税路線価(国税庁が作成)の2種類があります。路線価の数字自体はほとんど変わりませんが、2種類あるという点は頭の片隅に置いておくと良いと思います。

    東京都の場合、ホームページにて路線価が公開されています。実際に路線価を調べてみることにしましょう。

    今回調べる土地の住所は、東京都大田区中馬込にある馬込第三小学校に面している環七通りの路線価を調べてみることにします。

    ① 東京都 固定資産税路線価と検索

    検索すると、以下のような検索結果がでますので、クリックしてサイトに入りましょう。

    東京都固定資産税路線価

    ②最新の路線価をクリックする

    固定資産税路線価は3年に1度更新されます。今は平成27年度の路線価が最新ですので、「平成27基準年度路線価図を見る」をクリックします。

    東京都路線価2

    ③検索方法を決める

    対象となる土地の固定資産税路線価を調べる方法は複数ありますが、今回は町名から探すことにします。

    東京都路線価

    ④該当する地区周辺の地図を出す

    今回は中馬込周辺なので、中馬込1丁目をクリックします。住所の横に複数の番号がありますが、これは一般的な地図と同様に、地図を表示しながら必要な図面に移動させることが可能ですので、あまり気にしなくても問題ありません。

    東京都路線価3

    ⑤google mapと見比べながら場所を特定する

    路線価図は建物名などがほとんど記載されていないため、場所を特定するのが難しいです。そこで、路線価図上に記載されている主要な建物とGoogle mapを比較させながら、目的とする道路探し出します。

    固定資産税路線価図の014には給水所が主要な建物として記載されていましたので、Google mapでも同じ場所を検索し、そこから対象となる土地を見つけ出します。

    東京都路線価4  Google map、馬込周辺

    ⑥固定資産税路線価を特定する

    Google mapと照らし合わせながら、対象となる土地を特定することができました。

    東京都路線価5

    上記の道路に記載されている338という数字が路線価です。つまり、この道路に面している土地は1m2あたり33.8万円と評価されることを意味します。

    3-1-4-2. 評点(補正率)を計算する

    固定資産税路線価を確認した後は、評点の計算方法について見ていきましょう。評点というと分かりづらいのですが、要は土地の形状などによって補正を行うことですので、ここからは補正率とさせて頂きます。補正率は以下の4つの要因によって決定されます。

    1. 土地の接道状況
      →一方のみならず、複数の道路に接している場合は評点が高くなります
    2. 奥行の長さ
      →奥行が長い土地の場合は、評点が下がる傾向があります。
    3. 間口の狭さ
      →間口(道路に接している長さ)が短いと、評点が下がる傾向があります。
    4. 不整形
      →土地の形状がいびつな場合、評点が下がる傾向があります。

    上記4つのなかで、1.2.3.による減価/増加の割合は概ね10%前後であり、あまり影響が大きくないことから、今回は評点への影響が大きい4.の土地の形状による評点の違いについて説明させて頂きます。

    3-1-4-3. 不整形の土地の補正率の計算方法

    早速不整形の土地の補正率の計算方法についてみていきましょう。

    ①不整形の土地の形状を暫定的に整理する。

    これは図で説明させて頂いた方が分かりやすいと思いますので、以下の図を参照して頂ければと思います。

    不整形地評価  不整形地評価2   

    上記において、左側の図の場合面積を計算することが難しいことから、右の赤で囲まれた面積のように、ある程度シンプルな形にするのです。

    ②整形の場合の面積と整形ではない面積の割合を計算する

    次に、対象となる土地が整形である場合を仮定し、その場合における整形地の面積と不整形部分の面積の比率を計算します。これも図で考えた方が分かりやすいですので、以下の図を参照下さい。

    不整形地補正

    上記の図において、赤部分と青部分を合計した整形地としての面積は300m2、一方赤部分の整形地から不整形地を除いた部分の面積が150m2とします。

    この場合は、150 / 300 = 0.5が係数となり、この係数に応じて補正率が決定されます。係数と補正率の関係を示した表を以下に記載します。

    なお、以下の補正率は対象となる宅地の細分類によって数字にわずかな違いがあること、お含み置きいただければと思います。

    係数 補正率
    0.1未満 1.00
    0.1~0.2 0.96
    0.2~0.3 0.92
    0.3~0.4 0.88
    0.4~0.5 0.82
    0.5~0.6 0.72
    0.6以上 0.60

    上記の土地の場合、係数は0.5ですので、補正率は0.72となり、整形な土地比べて72%の額が固定資産税評価額となります。

    3-1-5. その他の宅地評価法

    その他宅地の場合の評価法は以下の通りです。

    ”標準宅地の価格と比準させて求める”

    比準とは比較するという意味です。つまり、対象となる土地の近くにある標準宅地(この標準宅地は市町村が定めます)の単価をベースに、標準宅地との差異を比較して対象となる宅地の価格を決めるという方法です。

    そして、固定資産税評価基準では、標準宅地は状況類似地区ごとに、道路に沿接する宅地のうち、奥行、間口、形状等からみて、標準的なものと認められるものを選定するものとする。という記載があります。

    簡単な例と図で説明させて頂きます。

    標準地からの計算

    上図の右にある標準地の単価は10万円にて、この10万円を基準として、対象地がどれほどの価値があるかを計算していきます。

    今回の対象地は以下のようなデメリットがあることが図からお分かり頂けると思います。

    • 旗竿地(道路と接している部分が短い) → 掛目0.7
    • 奥の敷地が不整形(長方形ではない) → 掛目0.8
    • 幹線道路に接していない → 掛目0.9

    標準値の単価である10万円に掛目を乗じ、その価格に土地の面積を掛けることによって土地の固定資産税評価額を計算することが可能です。

    今回の場合は、対象地の面積が100m2と仮定すると、土地の固定資産税評価額は以下となります。

    10万円 x 0.7 x 0.8 x 0.9 x 100m2 = 504万円

    3-2. 建物

    次に建物の固定資産税評価額の決定方法について見ていきましょう。

    固定資産税評価基準には、「各個の家屋について評点数を付設し、当該評点数に評点一点あたりの価額を乗じて各家屋の価額を求める方法によるものとする。そして、評点数は当該家屋の再建築評点数を基礎とし、これに家屋の損耗の状況による減点を行って付設するものとする。」

    という記載がありますが、この記載では少し分かりづらいですので、もう少し簡潔な言葉で説明させて頂くと、「再建築に要する費用から経年による減価分を減らして評価する」というのが建物の固定資産税評価額の決定方法となります。

    3-2-1. 評点の計算方法

    それでは早速評点の計算方法について見ていきましょう。今回は木造家屋の評点算出方法について説明させて頂きます。

    3-2-2. 木造家屋の評点構成要素

    固定資産税評価基準では、まず木造家屋を大まかに分類します。分類は11種類あり、その内容は以下の通りです。

    1. 屋根
    2. 基礎
    3. 外壁
    4. 柱・壁体
    5. 内壁
    6. 天井
    7. 建具
    8. 建築設備
    9. 仮設工事
    10. その他工事

    それぞれの項目の詳細について見ていきましょう

    3-2-2-1. 屋根

    屋根は以下のような区分がなされています。(右の画像をクリックするとそれぞれの構成要素のイメージを拡大することができます。)

    大項目 中項目 小項目 評点 画像
    陸屋根 シート防水 7,850  
    FRP防水 12,610  
    勾配屋根 16,500  
    14,480  
    化粧スレート 12,140 assetvalue3 
    金属板 銅板波板 5,690 assetvalue4 
    鋼板 9,400 鋼板 
    銅板 25,970 銅板 
    ステンレス板 11,760 ステンレス板 
    アスファルトシングル 8,190 アスファルトシングル 
    合成樹脂波板 6,930 合成樹脂波板 
    建材型ソーラーパネル 31,380 建材型ソーラーパネル 

    出典:
    スレート/ルーフパートナー
    銅板波板/吉沢板金工業
    鋼板/住まいの建材.com
    銅板/ナチュラルパートナーズ
    ステンレス板/日新製鋼
    アスファルトシングル/woodworks
    合成樹脂波板/トラブラン
    建材型ソーラーパネル/くらべれば太陽光発電

    3-2-2-2. 基礎
    大項目 中項目 小項目 評点 画像
    鉄筋コンクリート基礎 地上高 60cm 14,910  基礎
    地上高 45cm 12,620  
    地上高 30cm 10,330  

    出典:ウィズハウスプランニング

    3-2-2-3. 外壁
    大項目 中項目 小項目 評点 画像
    サイディング  8,300  サイディング
    薄付外壁吹付仕上 5,790   吹付仕上
    板張 8,310   張板
    銅板 平板 8,300   銅板、平板
    波板  3,620  
    外壁タイル 12,180   外壁タイル
    繊維強化セメント板 6,550   繊維強化セメント板
    合成樹脂板 2,730   合成樹脂板
    薄型気泡コンクリートパネル 8,080   薄型気泡コンクリート
    漆喰大壁 7,300   漆喰真壁
    漆喰真壁 10,560   漆喰真壁
    木製パネル・枠組壁 サイディング 4,570   
    薄付外装吹付仕上  2,550  
    板張 4,580   
    外装タイル 8,940   
    繊維強化セメント板 2,820   
    薄型気泡コンクリートパネル 5,550   

    出典:
    サイディング/有限会社真栄
    薄付外壁吹付仕上/エスケー化研
    板張/リフォームのヨシ
    銅板 平板/食べログ
    外壁タイル/Tilelife
    繊維強化セメント板/RC外断熱住宅建築日記
    合成樹脂板/株式会社野村建設
    薄型気泡コンクリートパネル/ALC協会
    漆喰大壁/パン製造小屋のリホーム
    漆喰真壁/むとう設計

    3-2-2-4. 柱・壁体
    大項目 中項目 小項目 評点 画像
    真壁造柱 15.0cm 角 18,450  真壁
    13.5cm 角 8,610  
    12.0cm 角 7,040  
    10.5cm 角 5,770  
    大壁造柱 13.5cm 角 7,330 大壁 
    12.0cm 角 6,320  
    10.5cm 角 5,370  
    木製パネル 壁体 15,740  木製パネル

    出典:
    真壁/永井昭夫建築士事務所
    大壁/島根県住まい作り境界
    木製パネル/ママ楽ハウスブログ

    3-2-2-5. 内壁
    大項目 中項目 小項目 評点 画像
    クロス貼 8,680  クロス
    木質系壁仕上 16,480  木質系壁
    13,050  
    6,420  
    塗り壁 15,470  塗り壁
    内装タイル 20,150  内装タイル
    17,420  
    石材系仕上 91,590  石材系仕上げ
    63,930  
    46,380  
    35,100  
    合成樹脂板 11,720  
    鋼板 14,920  
    ステンレス板 18,250  
    木製パネル・枠組壁 クロス貼  3,270  
    木質系壁仕上 16,480   
     13,050  
    6,420   
    塗り壁  15,470  
    内装タイル 20,150   
     17,420  
    石材系仕上げ 91,590   
    63,930   
    46,380   
    35,100   
    合成樹脂板  11,720   
    鋼板  14,920   
    ステンレス板  18,250   

    出典:
    クロス貼/きくはら工務店
    木質系壁仕上/ABC商会
    塗り壁/カワサキ工業
    内装タイル/Tilelife
    石材系仕上/福岡de輸入住宅を建てる

    3-2-2-6. 天井
    大項目 中項目 小項目 評点 画像
    木質系天井仕上 8,730  
    4,650  
    3,260  
    1,510  
    クロス天井 2,170  
    塗り天井 6,450  
    浴室天井 6,130  
    3-2-2-7. 床
    大項目 中項目 小項目 評点 画像
    床組 一階床組 1,200  
    二階床組 5,450  
    転ばし床組 2,470  
    土間コンクリート打 3,950  
    床仕上 8,540  畳
    7,450  
    木材系床材 7,210  
    5,360  
    2,970  
    カーペット 8,780  
    4,030  
    石材系仕上 37,470  
    26,240  
    18,800  
    13,840  
    タイル 11,070  
    7,950  
    モザイクタイル 7,170  
    合成樹脂張床 4,220  
    3,180  
    合成樹脂塗床 2,520  
    着色コンクリート 3,570  着色コンクリート
    モルタル 1,220  モルタル

    出典:
    畳/株式会社勝手
    着色コンクリート/シビルマテックス
    モルタル/京大塗装工業

    3-2-2-8. 建具
    大項目 中項目 小項目 評点 画像
    24,390  
    18,140  
    14,630  
    3-2-2-9. 建築設備
    大項目 中項目 小項目 評点 画像
    項目別評点方式 電気設備 スイッチ・
    コンセント配線
     5,210  
    照明設備  7,350  
    ガス設備 1m配管 17,860   
    2m配管  28,190  
    給水・給湯設備 ライニング鋼管  5,430  
    塩化ビニル管  2,420  
    排水設備 排水管  6,410  
    加算評点項目 電気設備 ドアホン  45,560  
    給水・給湯設備 給水槽  93,230  
    使用口  960  
    給湯器  223,200  
    便器 和式  41,700  
    洋式  33,000  
    洗面器  19,740  
    洗面化粧台  58,100  
    洗濯流し  33,400  
    浴槽  458,730  
     49,130  
    ユニットバス  339,470  
    ハーフユニットバス  227,860  
    浴室換気乾燥機  54,000  
    ユニットシャワー  161,730  
    流し台  45,900  
    ミニシステムキッチン  101,200  
    システムキッチン  267,070  
    レンジフードファン  30,510  
    空調設備(ビルトイン方式)  9,880  
    冷暖房設備  12,590  
    換気扇・換気口  12,340  
    ホームエレベーター  1,788,000  
    3-2-2-10. 仮設工事

    仮設工事は原則として3階建て以上の建物または高さ7m以上の建物に対して適用され、その評点は1m2あたり1,290点です。

    3-2-2-11. その他工事
    大項目 中項目 小項目 評点 画像
    階段 166,510  
    バルコニー 40,340  
    床間 本床 420,170  
    179,980  
    83,000  
    34,060  
    床脇 327,720  
    135,380  
    64,500  
    31,710  
    付け書院 219,860  
    93,240  
    37,400  

    3-2-3.  評点を実際に計算する

    上述の通り、評点計算の根拠となる建築資材は多岐にわたるので、標準的な家を想定し、その家の評点を実際に計算してみましょう。

    部位 素材1 素材2 評点 単位 評価額
    屋根 14,480 80m2 1,158,400
    基礎 RC 45cm高 12,620 60m2 757,200
    外壁 薄付吹付仕上 5,790 300m2 1,737,000
    真壁 13.5cm角 8,610 120m2 1,033,200
    内壁 クロス貼 8,680 300m2 2,604,000
    天井 塗天井 6,450 120m2 774,000
    カーペット 8,780 120m2 1,053,600
    建具 18,140 100m2 1,814,000
    設備 照明 7,350 10個 73,500
    ガス 28,190 3個 84,570
    給水 5,430 3個 16,290
    排水 6,410 3個 19,230
    給湯機 223,200 1個 223,200
    シャワー 161,730 1個 161,730
    キッチン 267,070 1個 267,070
    バス 339,470 1個 339,470
    その他 階段 166,510 1個 166,510
    合計 12,282,970
    単価 102,358

    実際には程度の良さや施工の難しさによって上記評点は変動するのですが、まずは計算のイメージを掴んで頂くことが目的ですので、評点の変動部分に関しては割愛させて頂きます。

    上記から、減価前の評価額約1,200万円単価約10万円という計算結果を得ることができました。

    3-3. 減価率を算出する

    評点の計算が終わった後は、減価率を計算しましょう。減価率とは、建物の劣化の程度を数字で表したものです。

      1m2あたりの評点
    築年数 50,000未満 50,000~79,000 79,000~121,000 121,000~
    1 0.8 0.8 0.8 0.8
    2 0.75 0.75 0.75 0.75
    3 0.7 0.7 0.7 0.7
    4 0.66 0.67 0.68 0.68
    5 0.62 0.64 0.65 0.67
    6 0.58 0.61 0.63 0.65
    7 0.53 0.58 0.61 0.64
    8 0.49 0.55 0.59 0.62
    9 0.45 0.52 0.56 0.61
    10 0.41 0.49 0.54 0.59
    11 0.37 0.46 0.52 0.58
    12 0.33 0.44 0.5 0.56
    13 0.28 0.41 0.47 0.54
    14 0.24 0.38 0.45 0.53
    15 0.2 0.35 0.43 0.51
    16  0.2 0.32 0.4 0.5
    17 0.2  0.29 0.38 0.48
    18 0.2  0.26 0.36 0.47
    19 0.2  0.23 0.34 0.45
    20 0.2  0.2 0.31 0.43
    21 0.2   0.2 0.29 0.42
    22 0.2  0.2  0.27 0.4
    23 0.2  0.2  0.25 0.39
    24 0.2  0.2  0.22 0.37
    25 0.2  0.2  0.2 0.36
    26 0.2  0.2  0.2  0.34
    27 0.2  0.2  0.2  0.33
    28 0.2  0.2  0.2  0.31
    29 0.2  0.2  0.2  0.29
    30 0.2 0.2  0.2  0.28
    31 0.2  0.2  0.2  0.26
    32 0.2  0.2  0.2  0.25
    33 0.2  0.2  0.2  0.23
    34 0.2  0.2  0.2  0.22
    35 0.2  0.2  0.2  0.2

    数字だとイメージが湧きづらいですので、簡単なグラフにしてみました。以下グラフを参照して頂ければと思います。

    築年数と減価率

    評点が低い建物、つまり単価が安い建物ほど経過年数に対する減価の割合が大きいという点がポイントです。

    3-4. 建物の固定資産税評価額を算出する

    建物の評点及び減価率が分かれば、その2つを掛けることによって評点を算出することが可能です。

    例えば、上記の計算例において家が築10年だった場合を想定しましょう。

    上記の建物の単価は10万円にて、上のグラフのグレー部分の減価率を適用します。築10年目におけるグレー部分の減価率は0.54にて、以下にて計算します。

    1,200万円(評価額) x 0.54 = 648万円

    計算の結果、この建物の固定資産税評価額は648万円と導き出すことができました。

    4. 最後に

    固定資産税評価額はコストを積み上げて計算していますが、実際の時価とはかい離があり、概ね時価の70%ぐらいの金額であることは意識しておきましょう。

    また、固定資産税評価額は市役所の担当者が新築時に一度だけ確認するものであり、その時の評価が過っていれば、ずっと誤った金額を前提として計算されることもありますので、上記の情報をもとに一度計算を行ってみることをおすすめします。

    固定資産税評価額の計算根拠は市役所に行けば取得することが可能です。

    この記事を書いた人:大橋亮太

    三井物産株式会社で約7年働いた後、2015年に株式会社ムーブウィルを設立。両手仲介への違和感から買側の仲介に入ることを止め、売主側の味方だけをするサイト「売主の味方」を立ち上げる。

    ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士

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