割引率を身近な具体例と共に理解する

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割引率は不動産投資の収益還元評価で用いられる重要な 指標ですが、中々イメージが沸かないという方も多いのではないでしょうか?

割引率という言葉は普段の生活ではほとんど聞かない言葉ですので、身近な例を通して理解を深めることが効率的です。

そこで今回は、割引率のイメージを掴んでいただくべく、具体例と共に割引率の意味を分かりやすく説明させていただきます。

目次

  • 1. 割引率とは?
  • 2. 割引率を具体例と共に理解する
  •  2-1. 早期入金を依頼した場合
  •  2-2. 返済方法を決定する場合
  •  2-3. 前倒しで給料を払う場合
  •  2-4. 割引率を言い換えると
  • 3. ファイナンスにおける割引率の考え方

1. 割引率とは?

割引率とは、将来の価値を現在時点の価値に 割り引く際に用いられる係数のことをいいます。今のお金(今手に入る100円)と将来のお金(将来手に入る100円)の価値の違いを定量的に示す際に用いられる率が割引率です。    

 

2. 割引率をイメージするための具体例

ここからは、割引率をイメージするための具体例を3つほど紹介させていただきます。

2-1. 早期入金を依頼した場合

あなたは不動産を1億円で売却し、その入金の期日を契約から1年後に設定しましたが、 あなたは急にまとまった資金が必要となり、契約から半年経った時点で 1億円を払って欲しいと依頼しました。

この時、支払う方としては、半年分も前倒しでお金を払わされる訳ですから、 1億円をそのまま払うわけにはいきません。

結果、1億円より低い金額で払うことになると思いますが、この時にどこまで減額するか、その程度を定量的に示したものが割引率です。    

2-2. 返済方法を決定する場合

あなたは友達にお金を貸したのですが、友達から以下の 2種類の返済方法の提案を受けました。

①1年後に100万円を返してもらう

②5年後に120万円を返してもらう

この場合、あなたはどちらを選択しますか?この時にどちらを選択するか判断する際に用いられるのが割引率です。    

2-3. 前倒しで給料を払う場合

あなたは従業員を雇っている企業の社長です。ある日、あなたは従業員から、 向こう半年分の給料150万円を前倒しでもらいたい、という依頼を受けました。  

この場合、あなたは従業員にいくら払えば良いでしょうか? (いくらであれば、従業員は納得するでしょうか?)    

この時にいくら払うべきかを決める指標として用いられるのが割引率です。

2-4. 割引率を言い換えると

ここまでで紹介させていただいた割引率の具体例に基づいて、割引率について簡単に整理していきましょう。

金利5%で100円を預金した場合、1年後には105円になります。他方、割引率5%で1年後に貰える105円を今貰った場合、貰える金額は100円になります。

つまり、金利を将来時点から今の時点に向けて考える際に用いられるのが割引率なのです。

3. ファイナンスにおける割引率の考え方

割引率についてイメージを持っていただいた上で、ここからは ファイナンスにおける割引率の考え方についてお伝えさせていただこうと思います。

割引率が存在する理由(運用益が必ず出る理由)、それは ①国債に利率が存在し、かつ ②国債はリスクがない(絶対に返済される)と ファイナンス上では整理されているからです。

国債は(語弊を恐れず言えば)あなたが国に対してお金を貸すことです。 そして、ファイナンスでは、国に貸したお金は100%返ってくる という前提に立っています。

つまり、あなたが利回り1%で国に100万円を貸した場合 (国から100万円の国債を購入した場合)、あなたは1年後には“絶対に”101万円が手に入ります。 (絶対に!という点がポイントです。)

ここから、将来の価値と現在の価値は異なるという結論が導き出されます。なぜなら、今100万円が手に入ったら、その100万円を元手として国債を購入すれば、 1年後には101万円が絶対に手に入るからです。  

逆の言い方をすれば、1年後に100万円貰える権利は、 今100万円を貰える権利よりも価値が低いのです。

そして、この割引率は、国債の利回りが計算のスタート地点となります。国債の利回りが1%とすると、今の100万円は1年後の101万円です。 これは、割引率が1%の場合において1年後の101万円が 今の100万円になることと同義です。

割引率が金利のようなものというのは、現在のお金の将来価値を計算するときは金利という言葉を、 将来のお金の現在価値を計算するときは割引率という言葉を用いるからに他なりません。    

割引率を決めるもの

割引率の絶対的な大きさは、金利とセットで考えると分かりやすいです。

例えば、あなたがお金を誰かに貸すとき、100億円持っている富豪に貸す場合と、10万円しか持っていない学生に貸す場合、異なる利率を設定すると思います。

なぜなら、富豪と学生では貸したお金が帰ってくる リスクの大きさが異なるからです。割引率も考え方は同じです。具体例で考えましょう。

あなたは以下の2つの選択肢のうち、 どちらかを選択しなければいけないとします。

1 富豪との間で、5年後に100万円を貰う契約を結ぶ

2 学生との間で、5年後に110万円を貰う契約を結ぶ

この2つ、おそらくあなたは1番を選択するのではないかと思います。なぜなら、1番の方が5年後にお金を貰える可能性が高いからです。

すなわち、将来もらえるお金の不確実性が高いのであれば、その分高い割引率で現在価値を計算しなければならず、将来の絶対額が大きくても、その分割引率が大きいため、 現在価値は小さくなってしまうのです。    

まとめ

  • 割引率と金利は表裏一体の関係
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