• 元利均等と元金均等、どちらの返済方法が良いのか? – 売主のミカタ

    元利均等と元金均等、どちらの返済方法が良いのか?

    不動産の購入において融資を組成する際、返済方法として元利均等と元本均等の2種類の返済方法があります。

    両者の違いを何となくご存じの方は多いと思いますが、その詳細な計算方法などの詳細についてはあまり解説されていません。

    そこで今回は、元利均等と元金均等の返済方法の違いを細かくお伝えさせて頂くと共に、どちらの返済方式が得なのかという点についても合わせてお伝えさせて頂きます。

    1. 元利均等返済とは?

    元利均等返済とは、月々の返済額が一定になるような返済方法のことをいいます。以下のような図を見たことがある方も多いのではないかと思います。

    元利均等返済のイメージ

    元利均等返済、イメージ

    一方、元利均等返済の場合の具体的な計算方法についてはあまり掲載されておりませんので、今回は元利均等の場合の具体的な計算方法も簡単にご紹介させて頂きます。

    1-1. 元利均等返済における返済額の計算方法

    以下の条件で借入をした場合の月々の元利均等返済額を計算してみようと思います。

    項目 借入条件
    借入額 100万円
    金利 3%
    借入期間 3年

    すると、以下のような計算が成立します。

      利息 元本 合計
    1年目 3万円(100万 x 3%) a X円
    2年目 (100-a) x 3% b円 X円
    3年目 (100-a-b) x 3% c円 X円

    上記では少し分かりづらいので、図で示してみます。

    元利均等返済のイメージ

    元利均等返済のイメージ

    上記の図においては、未知数4つに対して方程式を4つ作ることができますので、毎月の返済額を計算することができます。具体的な計算は割愛させて頂きますが、方程式はご参考まで以下に記載させて頂きます。

    • 30,000 + a = X
    • (1,000,000 – a) x 3% + b = X
    • (1,000,000 – a – b) x 3% + c = X
    • a + b + c = 1,000,000

    この方程式を解くことによって、月々の返済額等を計算することができます。返済期間が長くなるほど複雑になりますが、基本的な計算方法は同じです。

    上記の図で元利均等返済のイメージを固めて頂ければと思います。

    2. 元金均等返済とは?

    次に元金均等返済について見ていきましょう。元金均等返済とは、月々の元本返済額が一定である借入条件のことをいいます。

    元本が一定なので、月々の返済額も簡単に計算することができます。各期末の元本に金利を掛ければ利息額を計算することができるからです。

    元本均等の場合の返済イメージも以下にて紹介させて頂きます。

    元金均等返済のイメージ

    元金均等

    3. 両者を比較する

    次に、さまざまな観点から両者を比較してみましょう。そうすることによって、両者の違いが明確に分かるようになります。

    3-1. 総支払額の違い

    まずは総支払額の違いについて見ていきましょう。期間を変えた場合と金利を変えた場合、2つのパターンにおいて、返済のスピードや支払金利息の総額がどう変わっていくのかという点に注目して頂ければと思います。

      パターン1 パターン2 パターン3 パターン4
    借入額 5,000万円
    金利 2% 5% 2% 5%
    借入期間 15年 15年 30年 30年
    利息総額 元利均等 837万円 2,226万円  1,697万円  4,758万円 
    元金均等 800万円  2,000万円  1,550万円 3,875万円
    パターン1(金利2%、借入期間15年)

    支払条件比較、パターン1

    パターン2(金利5%、借入期間15年)

    支払条件比較、パターン2

    パターン3(金利2%、借入期間30年)

    返済方法比較、パターン3

    パターン4(金利5%、借入期間30年)

    返済方法比較、パターン4

    上記の通り、いずれのパターンにおいても金利の総支払額という観点では、元利均等の方が元金均等よりも多くの金利を支払う必要があることが分かりました。

    また、借入期間金利の双方が、利息の総支払額に大きな影響を与えていることが分かります。

    3-2. 差額を全て繰り上げ返済に充てるとどうなるのか?

    つぎに、元利均等の返済額と元金均等の場合の返済額の差額を期前返済にあてるとどうなるのかという点について考えてみましょう。

    例えば、元利均等の場合の返済額が月々15万円、元金均等の場合の返済額が月々20万円だとします。

    この場合に20万円と15万円の差額である5万円を期前返済に充てたらどちらが得になるのかを考えるものです。

    元利均等において余剰資金を期前返済に充てた場合

    元利均等で期前返済をしたら

    上記の図で何となくイメージをお持ち頂けるのではないかと思いますが、結果としては元利均等も元金均等も全く同じ返済内容になります。

    なぜなら、1年目に払う利息額は元本均等でも元利均等でも同じであるため、元本の差額を期前返済に充当するということは、元金均等で返済することに他ならないからです。

    一方、期前返済を行わない場合、余剰資金の5万円は2年目以降の返済に回され、その5万円に対しても利息が発生してしまいます。銀行にとっての複利のようなイメージです。

    例えば上記の例において金利が3%だとすると、手元に元金返済方式をすることによって手元に残った5万円に関し、3%以上の利率で運用ができなければ、理論上損をしてしまうことになるのです。

    元利均等返済の本質

    なぜなら、期前返済すれば防げた3%分の利息負担が発生しているからです。

    4. 最後に

    元本均等と元利均等の返済方式の違いについてご紹介させて頂きましたが、元利均等の場合、元本の支払いをどんどん後回しにしているという点はしっかりと認識するようにしましょう。

    確かに短期的には元金均等返済の方が手元に多額の資金が残りますが、結局そのお金をうまく運用することができなければ意味がなくなってしまいます。

    投資の収益性をしっかりと認識した上で事業を進めていくようにしましょう。

    この記事を書いた人:大橋亮太

    三井物産株式会社で約7年働いた後、2015年に株式会社ムーブウィルを設立。両手仲介への違和感から買側の仲介に入ることを止め、売主側の味方だけをするサイト「売主の味方」を立ち上げる。

    ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士

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