相続対策として事前に色々と調べないといけないけど、中々仕事が忙しくて調べている時間がない。どの制度が得か分かりやすく教えて欲しい。
そういった方々のために、相続税対策の体系的な整理及び具体的に実施するべき対策についてまとめさせて頂きました。
目次
- 1. 相続税の概要
- 1-1. 相続税とは
- 1-2. 相続の発生時期及び納付期限
- 1-3. 誰がどれぐらい相続するのか
- 1-4. 相続税の税率
- 1-5. 相続税と贈与税の関係は?
- 2. 財産額の計算方法
- 2-1. 現金・預金
- 2-2. 株式
- 2-3. 土地・建物
- 2-4. 金銭債権
- 3. 相続税対策一覧
- 4. それぞれの相続税対策に関して
- 4-1. 必ず特になる相続税対策(対策A)
- 4-1-1. 小規模宅地の評価減の特例
- 4-1-2. 親族への現金贈与
- 4-1-3. 教育資金贈与の非課税制度
- 4-1-4. 住宅取得資金贈与の非課税制度
- 4-2. 損益計算を行う必要がある対策(対策B)
- 4-2-1. 贈与税の配偶者控除(別名:おしどり贈与)
- 4-2-2. 生命保険の名義変更
- 4-3. 物理的な制約がある対策、もしくは運が良ければ得をするかもしれない対策(対策C)
- 4-3-1. 特定事業用地の評価減の特例
- 4-3-2. 相続時精算課税制度の適用
- 4. 相続税対策、行うべき施策
- 4-1. 必ずやるべき対策
- 5. まとめ
1. 相続税の概要
1-1. 相続税とは
相続とは、被相続人(亡くなった方)の財産を民法に基づいて引き継ぐことです。
そして、被相続人から引き継いだ財産に対して課される税金のことを相続税と言います。
なぜ相続に対して税金が課せられるのかという点に関しては、生前に生み出した財産は広く社会に還元するべきという欧米の思想が取り上げられることが多いです。
一方、日本においては日露戦争時に戦費を調達するために制定され、それが今日まで残っているというのが背景のようです。つまり、日本において相続に税金が課せられる明確な背景がありません。
上記背景もあり、欧米では基本的に相続税が課されますが、アジア諸国では相続税が課されない国が少なくありません(香港・シンガポール・オーストラリア・インドネシア・タイ・マレーシア・中国等は相続税が課されません。)
1-2. 相続の発生時期及び納付時期
相続の開始時点は「人の死亡時点」と民法に規定されています。つまり、相続自体は被相続人が亡くなった瞬間に成立します。
そして、相続が開始されると相続財産を具体的にどうやって分け合いのかという遺産分割協議が行われます。
最終的には相続税は相続開始のタイミングから10か月以内に納付しなければいけません。被相続人が亡くなってから10か月以内に相続財産を分割協議を終え、税金を納める必要があるのです。
遺産相続でもめて裁判などにもつれると、10か月以内に協議を終えることは非常に困難となります。10か月という期間は長いようで非常に短いと認識するようにしましょう。
1-3. 誰がどれぐらい相続するのか
相続は相続人が行うのですが、相続人は民法上既に決められている法定相続人と、被相続人の遺書によって相続人となる一般相続人に分けられます。
一般相続人が相続する範囲は遺書に記載されている通りになりますが、一般相続人がいない場合の相続割合は以下の通りです。
上段の○は相続時に生存している親族を示し、下段の数字は相続割合(0.5は50%)を意味しています。
配偶者 |
子供 |
親 |
兄弟 |
|
1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
0.5 | 0.5 | 0.0 | 0.0 | |
2 | ○ | × | ○ | × |
0.67 | 0.0 | 0.33 | 0.0 | |
3 | ○ | × | × | ○ |
0.75 | 0.0 | 0.0 | 0.25 | |
4 | × | ○ | ○ | ○ |
0.0 | 1.0 | 0.0 | 0.0 | |
5 | × | × | ○ | ○ |
0.0 | 0.0 | 1.0 | 0.0 | |
6 | × | × | × | ○ |
0.0 | 0.0 | 0.0 | 1.0 |
被相続人が全くの他人に財産を全て相続させる、といった遺書を書いた場合、残された法定相続人があまりにもかわいそう、ということで、そういった場合には法定相続人にある程度資産を相続させる制度が設けられています。(遺留と言います。)
1-4. 相続税の税率
相続税の税率は以下の通りです。
税額は(相続税評価額 – 基礎控除)に税率をかけ、その金額から控除額を引いた金額です。
基礎控除
配偶者3,000万円、子供1人につき600万円
例えば、配偶者1人、子供2人で相続財産が5,000万円の場合、
5,000 – (3,000 + 600 x 2 ) = 800万円が相続税の課税対象額となります。
相続税率一覧表
相続財産額 | 税率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 10% | なし |
1,000万円超 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
3,000万円超 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
5,000万円超 1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
2億円超 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
3億円超 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
簡易計算
配偶者1人、子供2人と仮定すると、相続税評価額が
5000万円の場合は80万円、
7,500万円の場合は790万円、
1億円の場合は1,040万円
が相続税の金額(納めなければいけない税額)となります。
1-5. 相続税と贈与税の関係は?
相続税に関して検討を行う際には贈与税も考慮する必要があります。
なぜなら、相続の直前に全財産を第三者に譲渡してしまえば意図的な相続逃れを行うことができてしまい、相続税の制度を制定した意味がなくなってしまうからです。
そういった意味で、贈与税は相続税の補完的な役割を担っていると言われています。
相続税と贈与税において知っておくべきポイントは、相続の前3年以内に行われた贈与に関しては、相続税が加算されるという制度があることです。
つまり、意図的な相続税逃れはできませんが、生前にしっかりと対策をしておけば贈与は有効な相続税対策となり得ます。
2. 財産額の計算方法
ここから相続財産評価額の具体的な計算方法について見ていきましょう。
まず、基本的には被相続人が所有していた財産は全て相続税の対象になると考えて頂いて構いません。これから説明させて頂く財産の他に骨董・家財・特許権なども相続税の対象となりますが、少額の場合が多いので今回は詳細な説明は割愛させて頂きます。
2-1. 現金・預金
現金の場合はそのままの額が(100万円持っていれば評価額は100万円が)相続税の評価額となります。
一方、預金(定期預金)の場合は銀行に預けている預金に加え、相続時までに発生した金利額も相続税の評価対象となります。
上述の通り、現金を誰かに贈与したとしても、相続から3年内の贈与は相続財産として相続税の対象となってしまいますので注意が必要です。
2-2. 株式
株式は大きく分けて上場株式と非上場株式がありますが、非上場株式を保有している方はほとんどいない(会社経営者など)と思いますので、今回の説明では割愛させて頂きます。
上場株式の場合、評価額は相続日(被相続人が亡くなった日)の時価に基づきます。例えば、3月3日が相続日だった場合、3月3日時点の時価に株数をかけて評価額を算出します。
2-3. 土地・建物
土地・建物の評価額が一番分かりづらいのですが、相続税を減らす上で欠かせないのがこの土地・建物です。
なぜなら、①土地・建物の評価額は実勢価格の7割程度であること、そして②小規模宅地等の評価減の特例という非常に利便性が高い制度があるからです。
評価方法に関する端的な説明としては、土地の場合は相続税路線価に基づいて評価額を決定し、建物の場合は固定資産税評価額に基づいて評価額を計算します。
固定資産税評価額の算出方法の詳しい説明に関しては、別途コラムで紹介させて頂きます。
2-4. 金銭債権
金銭債権の典型例は貸付金です。例えば、お金を一時的に親族に預けたとしても、その貸付金は金銭債権となりますので相続税が発生します。
3. 相続税対策一覧
上述の相続財産の範囲内で取り得る相続税対策の一覧及び効果を分類した表を下記します。その他にも細かい対策はありますが、適用可能性やその効果を踏まえれば、以下の対策だけ押さえて頂ければ問題ありません。
|
必ず特になる対策 (対策A) |
損益計算を行う必要がある対策 (対策B) |
物理的な制約がある対策、 運が良ければ得するかもしれない対策 (対策C) |
土地 | 小規模宅地の評価減の特例 | 贈与税の配偶者控除 (おしどり贈与) |
|
建物 | 贈与税の配偶者控除 (おしどり贈与) |
特定事業用宅地の評価減の特例 | |
株式 | 相続時精算課税制度の適用 | ||
現金 | 親族への現金贈与 教育資金の一括贈与 住宅取得資金の非課税制度 |
生命保険の名義変更 |
4. 各相続税対策詳細
4-1. 必ず特になる対策(対策A)
対策Aは必ず特になる相続税対策です。もちろん物理的な制約などもありますが、基本的には得をしますので、まず検討を行うべき対策となります。
4-1-1. 小規模宅地等の評価減の特例
概要 | 相続人の土地の課税額を軽減する制度 |
適用要件 | 相続時に相続人が被相続人と同居していること等 |
軽減額 | 330m2まで、土地の評価額を80%減 |
簡易計算
1 土地の面積が400m2
2 土地の評価額が5万円/m2の場合
330 x 5 x 80% = 1,320万円を評価額から減額することが可能です。
詳細条件
1 相続開始の直前において相続人が被相続人と同居していること。ただし
1-1 当該宅地の上に2世帯住宅が建っている場合、
1-2 被相続人が老人ホームなどに入居している場合は、同居していなくとも適用が可能です。
適用要件が緩く、且つ減額幅も非常に大きいですので、この制度は必ず適用しておきたい制度です。
4-1-2. 親族への贈与
概要 |
贈与税の基礎控除110万円/年内で資産を移す |
適用条件 | 親族への贈与であること |
軽減額 | 110万円/年 |
簡易計算
1 親族は3人(配偶者及び子供2人)
2 5年間にわたって年間110万円を贈与した場合
3 x 110 x 5 = 1,650万円を評価額から減額することが可能です。
この制度も上述の小規模宅地等の評価減の特例と同じく非常に使い勝手が良い対策です。一方で、ただ現金を手渡しで贈与するだけでは税務署から否認される可能性もあるため、しっかりと贈与契約を締結の上、現金の移動がなされたという証拠を残すようにしましょう。
4-1-3. 教育資金贈与
概要 | 教育資金の贈与の非課税枠を活用 |
適用条件 | 30歳以下 |
軽減額 | 最大1,500万円 *学校への支払は1,500万円まで、習い事は500万円まで |
簡易計算
1 子供は2人
2 学費としてそれぞれ1,000万円を贈与した場合
1,000 x 2 = 2,000万円を評価額から減額することが可能です。
この制度の適用にあたっては、金融機関に当該制度用の口座を開設する必要があります。また、使いきれなかった金額については贈与税が発生するので注意が必要です。
4-1-4. 住宅取得資金贈与
概要 | 直系尊属からの住宅取得資金の贈与非課税枠を活用 |
適用条件 | 20歳以上、且つ所得2,000万円以下 |
軽減額 | 住宅の種類、贈与の年、取得時点の消費税率によってことなる。(最大3,000万円、最低300万円)
*この制度は消費税増税後の住宅需要の低減を避けるための措置であるため、税率は10%時、かつ贈与対象が高性能な(高い)住宅であり、増税時に近いタイミング程控除額が大きくなります。 |
詳細条件
1 贈与を受けた時、贈与者の直系卑属(子供、孫)であること。
2 贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であること。
3 贈与を受けた年の所得が2,000万円以下であること。
この制度は控除額は大きいのですが、住宅用の資金を贈与する機会はあまり多くはないと思いますので、使い勝手の面では今一つかもしれません。
4-2. 対策B
4-2-1. 贈与税の配偶者控除
概要 | 配偶者への贈与税の非課税枠を活用して資産を配偶者に分配し、相続財産の額を減らすもの。 (贈与後、それぞれの持分売却時に3000万円の所得控除(相続税・贈与税とは別個の制度)を適用(3000万円控除を2人が申請できるため、実質3,000万円得)することができるという副次的なメリットもあり。) |
適用要件 | 贈与を受ける配偶者が結婚20年超 |
軽減額 | 2,000万円 |
簡易計算
1 評価額6,000万円の土地の持分50%を配偶者に贈与
2 土地取得にかかる税金等は200万円と仮定
3 基礎控除は4,200万円(配偶者、子供2人)と仮定
A 贈与しない場合
(6,000 – 4,200) * 15% – 50 = 220万円
B 贈与した場合
1 相続税は0(基礎控除内のため)
2 土地取得にあたって200万円の費用が発生
3 土地の贈与によって配偶者に(3,000 – 2000) * 40% – 125 = 275万円が損失となる。
よって、制度適用によって220 – 475 = 255万円損してしまいますが、その後被相続人と配偶者が持分を売却した場合、それぞれに対して3,000万円の所得控除が適用できますので、最終的にはこの点も加味した上で適用するか検討する必要があります。
土地の評価額が大きい場合(おおむね5,000万円以上)は贈与による課税額が大きいため、適用しないほうが良いと思います。
詳細条件
1 結婚して20年超の配偶者が贈与を受けること
2 贈与された土地又は現金は居住を目的として活用されること
3 贈与された次の年の3月15日までに居住を開始し、その後も住み続ける見込みであること
4-2-2. 生命保険の名義変更
概要 | 被相続人の生命保険の支払(契約者)及び受取人を被相続人にすることによって、保険所得を相続税・贈与税の対象から外し、さらに所得税の減税措置の適用を行うことによって納税額を減らすもの。 | ||||
背景・ねらい |
契約者 | 被保険者 (亡くなった人) |
受取人 | 税金の種類 | |
父 | 父 | 子 | 相続税 | ||
父 | 母 | 子 | 贈与税 | ||
子 | 父 | 子 | 所得税 | ||
上記より、契約者:子、受取人:子とすることによって、税金の種類を相続税から所得税に変え、かつ所得税の減額制度を活用して納税額の圧縮を図るもの。 | |||||
適用条件 | 特になし | ||||
軽減額 | 相続税の金額と、所得税の金額(受取保険金-支払保険料-50万円)/2の所得に応じた所得税の兼ね合いで決まる。 |
簡易計算
A 相続税として計算
1 保険金1億円
2 相続財産1.5億円(保険金含む)
3 基礎控除4,200万円の場合
(15,000 – 4,200) *0.4 -1,700 = 2,620万円
B 所得税として計算
1 保険金1億円
2 支払保険料500万円の場合
(10,000 – 500 – 50) / 2 = 4,725万円が所得となり、
4,725 * 0.45 – 4,796,000 = 1,647万円
2,620 – 1647 = 973万円分の節税効果があります。
詳細条件
適用にあたっての制約は特段ありません。
この制度は少し難しいのですが、保険金が所得として認識されると所得控除の制度があることを利用し、保険契約の名義人を子供にすることによって納税額の削減を図ることが狙いです。
被相続人の財産が少ない場合、相続税の基礎控除によって納税を避けることができることもあるので、適用にあたっては被相続人の財産をしっかりと把握した上で適用することが大切です。
受取保険料を所得とする場合は半分を所得額から控除することができますので、基本的には受取保険金が大きいほどこの制度を活用した方がお得になります。
4-3. 物理的な制約がある対策、運が良ければ得するかもしれない対策(対策C)
4-3-1. 特定事業用宅地の評価減の特例
概要 | 被相続人が保有している土地で、被相続人(又は被相続人と生計を一にする親族)が事業を行っている場合、当該宅地の評価額が減額されるもの |
背景 | 小規模宅地特例と特定事業用宅地の特例は併用できるというメリットを活用したもの |
適用要件 | 相続開始直前に被相続人(又は被相続人と生計を一にする親族)が事業の用に供している土地を有しており、相続人が引き続きその事業を行うこと |
軽減額 | 400m2まで、土地の評価額を50%減 |
簡易計算
1 土地の面積が400m2
2 土地の評価額が5万円/m2の場合
400 x 5 x 50% = 1,000万円を評価額から控除することが可能です
詳細要件
1 相続開始の直前に被相続人の事業の用に供されていた宅地、又は被相続人と生計を一にしていた親族による事業の用に供されていた宅地であること
2 当該事業が貸付事業ではないこと
3 相続税の申告期限までにその宅地上で行われていた事業を相続人が引き継ぐこと
4 相続税の申告期限まで相続人がその事業を行っていること
この制度の最大の特徴は、小規模宅地の評価減の特例との併用ができるということです。
宅地に関する特例は、今回紹介させて頂いた2つの制度に加え、貸付事業用宅地の税額控除という制度があるのですが、この制度は小規模宅地の評価減の特例との併用ができないこと、そして減額幅は小規模宅地の評価減の特例が最も大きいことから今回貸付事業用宅地の税額控除制度は紹介していません。
4-3-2. 相続時精算課税制度の適用
概要 | 株価が低いタイミングで生前贈与し、贈与時の時価での相続額を確定させる (相続時に時価が上がったとしても、相続税の計算は贈与時の時価に基づくため) |
背景 | 相続時精算課税制度は、生前に贈与(相続)したタイミングの価値が税金の算出根拠になるため、価値が今後上がる(可能性が高い)財産を早い段階で贈与(相続)しておくもの。 |
適用要件 | 贈与者が60歳以上、且つ受贈者が20歳以上の子・孫 |
軽減額 | 贈与時2,500万円(相続時はこの2500万円控除がないものとして相続税発生) |
簡易計算
1 上場会社の株式を贈与すると仮定
2 贈与時の株の評価額2,000万円
3 相続時の株の評価額1,500万円の場合
2,000 – 1,500 = 500万円の節税効果があります。
詳細条件
1 贈与を行う前に相続時精算課税制度の申請を行うこと
この制度はあくまでも納税の繰り延べであって、節税効果がある対策ではないことに注意が必要です。
さらに、一度相続時精算課税制度を適用すると、撤回を行うことができないので注意しましょう。
基本的には当該制度を適用するメリットはほとんどないと理解して頂ければ良いと思います。
4. 各制度踏まえ、実施するべき対策
実現性を踏まえた上でまず実施の検討をするべき対策は
1 小規模宅地等の評価減及び
2 親族への現金の贈与
です。
小規模宅地等の評価減の特例は被相続人と同居する必要がありますが、同居の期間に関する制約はありませんので、相続のタイミングが近づいたタイミングで同居するようにしましょう。
同居を証明するためには複数の方法がありますが、住民票を被相続人が保有する家に移すことが最も確実だと思います。
また、贈与税の110万円控除を利用した親族への現金の贈与も有効な相続税対策となります。
生前に現金を贈与することが難しい場合は、例えば贈与した現金を被相続人に貸し付けるという形にすれば、現金の所在を被相続人の手元に残したまま贈与という形をとることができます。
(ただし、当該贈与が有効になるかどうかという点に関してはしっかりと税務署・税理士に確認頂くことをお勧めします。)
残りの制度は必要に応じて活用するというイメージで良いと思います。
5. まとめ
相続税対策は早目に動くことが最も重要ですが、既に相続のタイミングが近くても取り得る手段はありますので、大切な財産を守るためにもしっかりと対策を練るようにしましょう。
なお、当社では以下のような相続税対策計算シートを作成しております。無料面談にお越しいただきました方には無料で当該計算シートに基づく相続税対策についてアドバイスを行わせて頂きますのでお気軽にご相談頂ければと思います。
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