不動産の売買契約書で確認しなければいけないポイント

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契約書と虫メガネ

契約書をしっかりと読み込む機会は中々ないとうい方も多いと思いますが、不動産は金額が大きいこともあり、契約書の内容によっては大きな損失を被ってしまう可能性もあります。

そこで、今回は不動産の売買契約書で注意するべきポイントについてお伝えさせて頂きます。

1. 目的物及び代金

1-1. 私道が入っているか?

これからあなたが購入しようとしている土地の他に私道が含まれているか、私道が入っている場合には私道の面積は土地に含まれるのかどうかという点に注意する必要があります。なぜなら、私道はあくまでも道であり、土地としてみなされないからです。

1-2. 建物・土地の内訳が記載されているか?

代金に関し、建物・土地の内訳が記載されているかという点を確認する必要があります。理由は2つです。1つは、減価償却費を計上することができるのは建物費用だけであること、そして2つ目は、消費税は建物のみに発生するからです。

1点目に関しては、とりわけ投資用の不動産を購入する場合においては減価償却費はキャッシュフロー経営を行う上で極めて重要だからです。減価償却について良く分からないかたはコチラのコラムをご参照頂ければと思います。

1-3. 消費税込みかどうか?

売主が個人の場合は消費税は発生しませんが、売主が業者の場合は消費税が発生します。不動産のポータルサイトに記載されている金額は基本的に消費税込みの価格であるため、建物価格は内税として消費税が入っているかどうかしっかりと確認するようにしましょう。

1-4. 付帯設備の範囲は?

プロパンガス、駐車場、塀など、土地と建物以外にも、常識の範囲で判断して付帯設備とみなされるものは売買価格に含まれています。付帯設備として含まれているか不安な方は、売買契約書の付帯設備の欄に追記しておいたほうが良いでしょう。例えば、家の畳、システムキッチンなども追記しておいて損はないと思います。

2. 手付金

2-1. 手付金の没収に関する条項は?

手付金とは、契約にある程度の縛りを設けることを目的として設定されている前払い金です。売主が宅建業者である場合は宅建業法に基づき、手付は絶対に解約手付である旨が記載されています。

すなわち、例え宅建業者に手付金以上の損失が発生していたとしても、手付金を放棄すれば契約を解除することが出来るのです。

売主が宅建業者の場合は解約手付以外とする条項の場合は無効になりますので、あまり気にする必要はありませんが、相手が宅建業者ではない場合、手付金以外の解約金に関する規定がある可能性もありますので、しっかりと確認するようにしましょう。

2-2. 代金の支払い時期は?

2-3. 手付金の保全措置は取られるのか

投資用の物件の売買を行う場合等、完成された建物の場合は問題にはなりませんが、未完成建物の場合、建物の完工リスクがありますから、建物が完工するまえに建設業者が倒産してしまったといった事態を避けるためにも、手付金の保全措置をしっかりとおこなっておく必要があります。

3. 境界の明示

3-1. 境界の明示はあるのか?

地図上で正確な図面が存在したとしても、実際の土地上でどこが境界になっているかを確認することは難しく、近所とのトラブルになることもあります。

境界が明示されていなくても境界杭を置くことによって境界を明示することはできますのであまり気にする必要はありませんが、費用が発生しますので注意するようにしましょう。

4. 売買対象面積

4-1. 対象面積はどうやって測ったのか?

土地の面積の測り方は、大きく分けて2種類あります。1つは公図に基づいた面積、そしてもう1つは実測に基づいた面積です。そして、これは実測の方が良いです。なぜなら、実測した場合においてはその面積は極めて正確ですが、公図は昔に測定された図面であるため、実際に面積を測ると異なるということが多々あるからです。

私が公図をもとに購入した物件は、実測すると30m2程面積が大きくなりました。運が良ければこういったこともありますが、逆に面積が狭くなることもありますので、できれば実測に基づいた売買を行うことをお勧めします。今は基本的に測量を行った上で売買を行うことが一般的です。

5. 引き渡し等

5-1. 引き渡しの方法は?

基本的に土地・建物の引き渡しと代金の支払いは同時です。コンビニで物を買うときと同じですね。手付金金を払おうとも、契約書を作成しようと、建物はお金を貰わない限り引き渡したくないというのが売主心理だからです。

6. 所有権移転時期

6-1. 移転時期はいつなのか?

所有権の移転時期は引き渡しと同時にしましょう。所有権の移転時期と引き渡しの時期が異なっている場合、賃料の支払いなどについて賃借人ともめる場合があります。

7. 公租公課の分担

7-1. どちらが負担するのか?

ここでの公租公課とは、固定資産税のことを言います。税法の規定上、固定資産税は1月1日時点の不動産の所有者に対して発生します。一方で、不動産の売買契約において1月1日以外に契約を行った場合、売主からすると、既に所有権が移転してしまっているにも関わらず固定資産税を払わなければいけなくなってしまいます。

つまり、公租公課に関しては引き渡しのタイミングで負担を決めることが一般的です。

8. 手付解除

8-1. 手付解除は可能か?

手付解除は可能とするかどうかは売主と買主の実情などによって決まりますが、大規模な1棟のマンションなどではない限り、手付解除は可能としても問題ないでしょう。

大規模な1棟マンションの場合、建築が90%ほど完成した段階で買主から手付を放棄して解約されてしまうと建築主は困ってしまいますね。だから、客観的に契約履行に際し重要な行為をした場合には手付解除することができないというのが民法の基本的な考え方です。

9. 契約違反による解除

9-1. 解除の場合の手付の扱いは?

民法の考え方としては、契約を解除した場合は、お互い契約がなかった状態に戻す必要があります。つまり、手付金は契約に伴って発生したものですので、契約の消滅と共に戻す必要があるのです。契約違反の場合は違約金として手付は没収されてしまいます。

10. 融資利用の場合

10-1. 融資がおりなかった場合は?

融資承認がおりなかった場合には契約を解除の上、手付金を返還するという条項は必ず入れましょう。この条項をいれなければ、融資の内諾という不確実な事象に契約締結の有無を委ねることになってしまい、トラブルにもつながりかねません。

10-2. 融資承認の期限は?

融資承認の期限は買主からすると長い方が良いのですが、売主から見ると短い方が良いです。一般的には1か月ほどの期間を設定することが多いです。

補足情報になるのですが、買主が複数行に対して同時審査の依頼を行っている場合、銀行からみるとその状況が分かってしまいますので注意が必要です。

なぜなら、銀行は融資の検討を行う際、銀行間で照会することができる信用情報を見るのですが、この閲覧は履歴が残ってしまいますので、注意するようにしましょう。

11. 収益の帰属・負担金の分担

11-1. 所有権移転時期、引き渡し時期との関係は?

収益の帰属とは、あなたが購入しようとしている物件が投資用の物件である場合において、家賃収入を貰う権利がいつから買主に帰属するのかを規定するものです。

12. 反社会勢力の排除

12-1. 反社会勢力排除の条項が入っているか?

民法では、公の良俗に反する事項はすべて無効とするという規定があります。つまり、反社会勢力排除の条項を排除せずとも追い出すことはできるのですが、契約書に明文化しておいたほうが後々のトラブルを避けることができますので、明確に記入するようにしましょう。具体的な記載内容は、売主・買主共に暴力団等ではないことを証明する、という形です。

13. 引き渡し前の滅失・毀損

13-1. 引き渡し前の滅失の危険負担は?

引き渡し前の滅失とは、例えば落雷や地震などで家が壊れてしまった場合です。買主もしくは売主の都合よって滅失してしまった場合においてはそれぞれ滅失させた人が悪いという形で結論付けられるのですが、どちらのせいでもない場合においては、どちらの危険負担になるのかという点を決めなければいけません。

その際、引き渡し前の危険負担に関しては、売主がその責任を負うようにしましょう。

もし買主が責任を負うという形になっていると、買主は家の引き渡しを受けていないにも関わらず家の購入代金を払わなければいけないというかなり厳しい状況になってしまうからです。建物が滅失してしまっている以上、銀行も抵当権のもとになる担保がないことから、恐らく融資をしてくれなくなってしまうでしょう。

14. 印紙代の負担

14-1. 印紙代はどちらが負担するのか?

印紙代は、買主と売主が折半して負担することが一般的です。また、以下の記載とも重複するのですが、印紙は契約書の原本にのみ課せられますので、コピーの契約書であれば印紙を貼る必要はありません。

14-2. 契約書の作成は何部なのか?

契約書は基本的には買主・売主2部作成することが一般手ですが、署名された契約書のコピーであっても有効ですので、1部作成の上、コピーしても問題ありません。

15. 瑕疵担保責任

15-1. 瑕疵担保責任の期間は?

瑕疵とは「きず」という意味があり、不動産における瑕疵とは、外見からでは判断できないようなものであり、かつその瑕疵が不動産において重要な役割をになっているものを言います。具体的には、外壁の隙間からの雨漏り、シロアリによる基礎の損傷などです。買主からすると長い方が良いですが、売主から見ると短い方が良いです。一般的に築古の一戸建て物件の場合は、瑕疵担保は免責とする特約条項を入れることも多いですので、購入前は最低限基礎などは確認するようにしましょう。

16. 管轄裁判所

16-1. 管轄裁判所の場所はどこか?

管轄裁判所とは、この契約書に記載されている内容に関して裁判になってしまった場合において、どの裁判所で裁判を行うのかを定めるものです。

どの裁判所であっても基本的には問題ないのですが、当該物件の最寄りの裁判所を指定することが一般的です。

遠方にすることは避けるようにしましょう。

17. 協議事項

契約書に記載されていない項目で疑義が生じた場合には、お互い誠実に話し合いましょう、という趣旨の文言が入ります。この文言が入っても実質的にはほとんど効果はありません。協議事項に関する文言が入っていない場合でも、お互い誠実に話合うことは当たり前ですからね。

18. 特約条項

どういった特約条項が記載されているか?

特約条項の中身は注意しなければいけません。民法で反する内容は無効ですが、それ以外はどのような項目であっても基本的に有効となりますから、著しく不利になるような情報が入っていないかしっかりとチェックしましょう。

一方、巧みな不動産会社の場合は、特約条項という目立つ部分ではなく、一般的な条項の中に買主・もしくは売主のどちらかが有利になるような条項が入っていることがあります。

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