憧れだった収益物件を購入することができたが、前の保有者が付けた名前が古めかしいので、マンションやアパートの名前を変えたい。
しかし、具体的にどうやって変えれば良いのか分からない。また、入居者の不満がたまってしまうかどうか不安だ。
マンション・アパート名の変更を考えている方の中には、このように考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、マンションやアパートを購入した後に名前を変える方法と変えた後にやるべきことについてお伝えさせていただきます。
- 目次
- 1. マンション・アパート名を変えた方が良い場合
- 1-1. 古いイメージを与える場合
- 1-2. 読み方が難しい漢字が付いている場合
- 1-3. 長い場合
- 1-4. 入居者に嫌われるマンション・アパート名の特徴
- 2. マンション・アパート名を変える手順
- 2-1. 物件に名前が誕生するまで
- 2-2. マンション・アパート名の変更が必要な場合
- 2-3. マンション・アパート名変更が必要かどうか確認するべき相手
- 2-3-1. 電力会社
- 2-3-2. ガス会社
- 2-3-3. 水道局
- 2-3-4. ゼンリン
- 2-3-5. NTT
- 3. マンション・アパート名変更後にやっておくべきこと
- 3-1. マンション・アパート名が記載されたプレートなどを変更する
- 3-2. 入居者への協力のお礼
- 3-3. 管理会社へのお礼
- 4. 最後に
1. マンション・アパート名を変えた方が良い場合
まずは、どういった場合に物件の名前を変えた方が良いのかという点について簡単に整理していきましょう。
それぞれの場合において簡単に説明させていただきます。
1-1. 古いイメージを与える場合
まずはマンション・アパート名が古い印象を与える場合です。物件名が古めかしい場合、そもそもの問題として入居希望者からの内見の数が極めて少なくなってしまうという問題があげられるので、名前を変更した方が良いでしょう。
古い印象を与える物件名の代表格としてあげられるのが、物件名の最後に「荘」が付く物件です。
みどり荘、鈴木荘、八代荘など、荘がついている物件の場合、どれだけ入居づけに力を入れたとしても、内見希望者を集めることが難しいでしょう。
1-2. 読み方が難しい漢字が付いている場合
小学生が読めないような漢字の物件名も変更した方が良いでしょう。初見であなたが読めなかった名前の場合、他の人も読めません。
そして、読めないややこしい物件名=面倒くさそうというイメージが連想されてしまうので、この場合でも内見希望者が減ってしまう恐れがあります。
沖縄には、羣倉ハウス(ふりぐらハウス)という名前の物件があるようですが、初見で読める人はまずいないでしょう。
出典:DEEokinawa
1-3. 長い名前
長い名前も入居者に好まれません。住所などを書く時に面倒だからです。
これは分譲マンションの例なのですが、「シャルマンフジビルト・モアー住之江公園駅前アーバンヴィレッジ」という名前の物件が実際にあるようです。
出典:はるぶーのマンションヲタクな日々
1-4. 入居者に嫌われる物件名の特徴
ここで簡単に入居者に嫌われる物件名を整理してみようと思います。上記を整理すると、古いという印象を与える場合と、入居後に手間が発生してしまう可能性がある場合、物件名を変えるべきと言えそうです。
2. マンション・アパート名を変える手順
ここから早速マンション・アパート名を変える具体的な手順についてご紹介させていただきます。
まずはマンション・アパート名がどのタイミングで公に公開されるのかという点について考えていきましょう。
2-1. マンション・アパートに名前が誕生するまで
マンション・アパートに名前が誕生するのは物件が建築された時ですが、具体的にどういったプロセスで物件名が決まってくるのかという点についてまずお伝えさせていただきます。
マンション・アパート名が具体的に決まるのは、不動産の建築確認を行ったタイミングです。建築確認申請書のサンプルを以下に紹介させていただきますので、ご参照いただければと思います。
建築確認とは、これから建てようとする建物が建築基準法に沿って建てられているかという点を確認するために行われるもので、基本的には市役所に建築確認を行う担当者がおり、一つ一つの書類を審査します。
そして、建築確認の申請書の中に物件名も記載する欄があるのです。ただし、このタイミングでは(仮)東京マンションといった名前で構いません。
また、基本的には物件名を付けた上で役所に書類を提出することが一般的ですが、物件名を記載しなくても登録できる場合もありますので、その点は確認しておきましょう。
そもそもの問題として、建築確認の際に物件名を記載する必要がない場合、物件名を変更したとしても役所に届け出る必要はありません。
2-2. マンション・アパート名の変更が必要な場合
上記において、役所への登録の際に物件名を記載しなくても良い市町村もあるとお伝えしました。この場合、物件名を変更したとしても、その旨を役所に届ける必要はありません。
つまり、物件名変更の手続きが必要かどうかは、「あなたの物件を登録する必要がある役所、または企業がどういった形であなたの物件を登録しているか」
によります。
マンション・アパート名を記載せずに登録している場合は、もちろん変更の手続きは必要ありません。
2-3. マンション・アパート名変更が必要かどうか確認するべき相手
では、実際にあなたの物件を登録している企業・公共団体はどこなのでしょうか?可能性があるものを記載させて頂きます。
2-3-1. 電力会社
電気代の請求書には物件の住所が記載されていますから、確認することが必要です。例えば、東京電力ではカスタマーセンターで問い合わせを受けていますので、そちらに連絡してみると良いでしょう。
2-3-2. ガス会社
これも電気代と同じですね。
2-3-3. 水道局
水道局は企業ではなく、都道府県が管轄していますが、どういった形であなたの物件が登録されているか、確認することが必要でしょう。
2-3-4. ゼンリン
ゼンリンとは、住宅地図を作成している会社です。物件名変更の事実を早いタイミングで地図に反映してもらうためにも、確認しておいた方が良いでしょう。
2-3-5. NTT
タウンページを作っていますので、念のため確認した方が良いでしょう。
2-4. 入居者への通知
企業や公共団体への確認を行うと同時に、入居者への通知も事前に行うようにしましょう。
十分な余裕期間を置かない中で入居者の方への通知を行うと、不満の増加につながってしまいます。最低でも1か月のゆとりを持った上で対応することをお勧め致します。
また、運転免許証に記載する住所は住民票に記載されている住所と同じにする必要はありません。つまり、入居者が物件名まで入れて免許証を作っている場合、その入居者は免許証上の住所を変更する必要があるのです。
入居者に手間をかけてしまうわけですから、なおさら早いタイミングで通知することを心がけるようにしましょう。
3. マンション・アパート名変更後にやっておくべきこと
ここからは、物件名変更後にやっておくべきことについて簡単に紹介させていただきます。
3-1. マンション・アパート名が記載されたプレートなどを変更する
マンション・アパート名を変更した際には、速やかに古い名前が記載されたプレート、塗装などを撤去するようにしましょう。
プレートなどは、デザインから業者に依頼する場合と、デザインだけは自分で仕上げ、プレートの作成だけ業者に依頼する場合がありますが、「物件名 プレート」で画像検索することによってプレートのイメージをつかむことができること、また、デザインから依頼すると費用が高額になってしまう可能性が高くなる点をふまえ、デザインはなるべく自分で作成された方が良いでしょう。
デザイナーから聞いたアドバイスなのですが、プレートを作成する際には、プレートの大きさに対して文字を小さくすることによって格好良い印象を与えることができるようになります。
3-2. 入居者への協力のお礼
物件名の変更は物件の持ち主が自由に行って良いですが、それによって入居者の方に迷惑が掛かってしまっていることも事実です。
物件名の変更に協力してくれたお礼という意味も込め、直接訪問の上感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
3-3. 管理会社へのお礼
また、物件名変更の通知を実際に行うのがあなたではなく、物件の管理会社であった場合、その管理会社へのお礼も忘れないようにしましょう。
4. 最後に
マンション・アパート名の変更手続き自体は簡単ですが、物件には入居者の方がいる以上、しっかりと時間の余裕をもった上で対応するようにしましょう。
そして、無事にマンション・アパート名の変更手続きが終わった際には、入居者の方に感謝の気持ちを伝えることを忘れないようにしましょう。