不動産投資で物件を購入しようとされている場合どうしても利回りに目が行ってしまい、購入の前に物件の間取を気にする方はあまりいないのではないでしょうか?
しかし、物件を購入した後、入居するのはその場所に住む人であり、住む人が決まらない限り家賃収入を得ることができません。
つまり、物件の購入にあたっては入居者目線で考えることが必要なのです。
そこで今回は、物件を買ってから全く入居者が決まらなかったという失敗がないよう、入居者に敬遠されてしまいがちな代表的な間取を10個紹介させていただきす。
- 目次
- 1. ドアを開けたらすぐにキッチンがある間取り
- 2. 脱衣スペースがない間取り
- 3. 洗濯機を置くスペースがない間取り
- 4. 和室しかない間取り
- 5. かたちがいびつな間取
- 6. リビングが狭い間取り
- 7. 狭小な間取り
- 8. 広すぎる間取り
- 9. 細長い間取り
- 10. メゾネットの間取り
- 11. 人気がない間取りの特徴
- 12. 最後に
*本コラムで使用している画像は全てsuumoから引用させていただいております。
1. ドアを開けたらすぐにキッチンがある間取り
まずは「ドアを開けたらすぐにキッチンがある間取」です。これは古い賃貸物件の場合に良く見受けられる間取りです。
玄関を開けるとすぐにキッチンがある間取りはプライバシーを重要視する今の時代に合っておらず、人気がありません。
キッチンが広ければ目隠しとして玄関周辺に壁を設置することも可能ですが、このタイプの間取は後述の脱衣所がない間取りとセットになっていることも多いです。
古い物件を購入する際は、特に注意するようにしましょう。
2. 脱衣スペースがない間取り
これは上記1.で紹介させていただいた玄関を開けたらすぐにキッチンの間取とセットになっていることが多い間取りです。
脱衣所がないということは、脱いだ服をキッチンに置かなければいけません。また、キッチンで服を脱ぐことに対して抵抗がある方も多いのではないかと思います。
この場合でも浴室前に大きなスペースがあれば目隠しとしてのアコーディオンカーテン等を設置することができますが、その場合キッチンが狭くなってしまいます。
こういった間取の物件を購入する場合はリフォーム後のイメージを固めてから購入することをお勧めします。
3. 洗濯機を置くスペースがない間取り
これは都心の狭いワンルームマンションでたまに見受けられます。部屋に洗濯機を置けない場合、女性の賃貸需要が激減します。
リフォームを行って洗濯機を設置することは可能ですが、リフォームを行うこともできないような狭い間取りの場合は改善することができませんので注意が必要です。
コインランドリーが近くにあったとしても、洗濯代が発生してしまいますので、あまり効果はありません。
4. 和室しかない間取り
今の時代は残念ながら和室の需要はほとんどありません。おおむね90%以上の人は全て洋室の部屋を好むというイメージです。
また、和室があるとそれだけで部屋の印象が古臭くなってしまい、全体としてのイメージを損なってしまいますので、和室が多い部屋を購入する場合は注意するようにしましょう。
6帖の和室を洋室に変更する場合、概ね10万円でリフォームすることが可能です。洋室への変更を前提として売主と価格交渉を行うというのも一つの手段かもしれません。
5. かたちがいびつな間取り
形がいびつな間取りも人気がありません。いびつな間取の場合、基本的に収納を効率的に配置することが難しく、部屋の広さを効率的に活用することができないからです。
また、部屋の形がいびつになるということは基本的には狭い土地に建物を建てざるを得ない場合ということを意味します。
つまり、いびつな部屋=狭い部屋であり、ただでさえ狭い間取りであるにも関わらず、形がいびつになってしまうことによって更に部屋が狭く見えてしまうことがあるという点にも注意するようにしましょう。
6. リビングが狭い間取り
リビングが狭い間取りも人気がありません。
以下の図面はキッチンが3.75帖しかなく、テーブルを置くことすら困難です。
他方、キッチンと部屋を繋げて大きなリビングにするということは可能ですので、こういった部屋を購入しても改善をすることは可能です。
他方、RC物件などの場合は部屋と部屋の間に梁(はり)があることもあるため、完全に部屋がつながったような印象にならないこともあるという点に注意しましょう。
7. 狭小な間取り
狭小な間取りも入居希望者の需要はほとんどありません。私の経験上、少なくとも16m2はないと部屋で快適な生活を行うのは厳しいと思います。
お風呂やトイレという場所(5m2は必要です)を除いた生活環境の広さとして6帖(約11m2)は必要というのが上記の背景です。
6帖よりも小さい間取りの場合、ベッドを小さくしたり、机が置けなかったりと、何かを犠牲にする必要があり、それが快適性を損ねてしまうのです。
例えば、アパホテルの狭小部屋の場合、その大きさは9m2です。自分の家がビジネスホテルぐらいの大きさだと考えると、少し息づまるようなイメージも膨らむのではないかと思います。
8. 広すぎる間取り
狭い間取りも人気がありませんが、その反対として広すぎる間取も人気がありません。
広い間取がなぜ人気がないかというと①掃除が面倒であり、②冷暖房が効きづらく、③広すぎて落ち着かないからです。
人間はやはり後ろが壁になっていたり、何かに囲まれているという点に安心感を抱きますので、周囲に何もないと逆に落ち着かなくなってしまうのです。
9. 細長い間取り
細長い間取りも人気がありません。
わざわざ部屋を二つに区切っていたとしても、奥の部屋に行くまでに真ん中の部屋を通らなければならず、プライバシーを保つことができないからです。
部屋を二つに区切るのであれば、大きめのワンルームにした方が人気が高まります。構造計算上壁を抜くことが難しい場合もありますが、リフォーム可能な場合は壁を取り払うことをお勧めします。
10. メゾネットの間取り
これは人気が分かれるのですが、メゾネットの間取もあまり人気がないのが現状です。
おしゃれな印象もあるのですが、①1階⇔2階の移動が大変であり、更に②冷暖房が効きづらいという点が人気がない背景です。
また、階段部分も専有面積に含まれてしまいますので、実際に使える面積の割に家賃が高いという印象を持たれる方も多いです。
11. 人気がない間取りの特徴
ここで、人気がない間取りの特徴を簡単に整理してみようと思います。
今回は10個の間取を紹介させていただきましたが、それらをまとめると「快適性」が損なわれるような間取りの場合は人気がないと言うことができます。
人が部屋に対して求めることは、基本的には快適性です。過度な装飾などがあっても敬遠されますし、逆に設備がなさ過ぎても敬遠されてしまいます。
つまり、普通の生活を送れるような部屋であれば十分なのです。そして、最低限生活することができるのであれば、あとは家賃が折り合えば住む人は見つかるのです。
12. 最後に
不動産投資で物件を購入する場合、入居者の立場から物件の購入を検討する方は意外と少なく、どうしても利回りからの計算が先走ってしまいます。
利回りと入居率は相反する項目ですので見極めが難しいですが、これから物件を購入しようと考えている方は、入居者の立場になって考えた上で購入の検討を進めるよう心がけるようにしましょう。