• 不動産投資の初心者が、仲介会社に騙されないために知っておくべき7つのこと – 売主のミカタ

    不動産投資の初心者が、仲介会社に騙されないために知っておくべき7つのこと

    騙された人のイメージ

    今は先行きが不透明な世の中ですので、不動産投資を通じて資産形成をしたいと考える方が増えています。

    一方で、不動産投資はプロと戦っていかなければいけない世界ですので、事前に知っておくべき点は整理しておきたいもの。

    そこで今回は、これから不動産投資を始めようと考えている方が、仲介会社に騙されないために知っておくべき点について解説します。

    0. はじめに

    はじめに、不動産投資は投資事業であり、ビジネスであることをしっかりと認識していただきたい、と考えています。

    この記事を読んでいる方は、働いている方がほとんどだと思いますが、それぞれの分野で働かれている中で、お金を稼ぐということがいかに難しいのかという点については説明するまでもないと思います。人口が減っている状況下、どの企業もしのぎを削って営業をしているのではないかと思います。

    そして、不動産投資もあなたの仕事と同じビジネスです。

    不動産投資はビジネス

    収益物件を「買う」ことは誰でもできますが、収益物件を買って「儲かる」ということは簡単ではありません。

    私も数多くの個人投資家の方とお会いしてきましたが、劣悪な物件を買ってしまい、既に手遅れになっている方が少なからずいます。

    今回紹介する内容を意識すれば不動産投資で失敗する確率を大きく下げることができますが、「不動産投資はビジネス」ということを常に頭に入れていただければと思います。

    では早速、騙されないために知っておくべきポイントについて一つずつ紹介していきます。

    1. いきなりセミナーに参加したり、無料相談に行ったりしない

    不動産投資を始めた際にやってしまいがちなこととして、セミナーに参加したり、仲介会社に相談に行くという方がいますが、絶対にやめましょう。

    なぜなら、最低限の知識がない中では正しい判断をすることはできないからです。

    不動産投資のセミナーは、無料で開催されているものがほとんどです。

    これは裏を返すと、無料で集客をするのは「手段」であり、収益物件を販売することが「目的」だからこそ、無料でセミナーを行っているのです。

    中には無料でも有益な情報を提供しているセミナーがあると思いますが、それを事前に見分けることは残念ながら不可能です。

    有益なセミナーを選ぶ方法については、有益な不動産投資セミナーを選ぶ上での重要ポイント3ついう記事を参考にして下さい。

    また、無料相談に行くこともやめましょう。これもセミナーと同じく、無料で相談を受けるということは「手段」であり、「目的」は収益物件を販売することだからです。

    無料セミナーに行ってはいけない

    セミナーに参加する場合や、無料面談に行く場合は、必ず「明確な目的」を持った上で行くようにしましょう。

    例えば、「これから伸びが見込めるエリアを知るため」であったり、「融資情勢を知りたい」といったものです。

    目的が明確であればあるほど、仲介会社からの売り込みをかわすことができるようになるのです。

    2. 相手は営業のプロであると認識する

    まずはじめに認識しておいていただきたいことが、不動産の仲介会社は、不動産投資のプロではなくて不動産を「売る」プロだということです。

    私のオフィスに最近、証券会社の営業マンが来ました。

    この営業マンの方は非常に熱心であり、何回もオフィスに来てくれたので、まずは無料で口座を開設することにしました。

    そして何回かこの営業マンと株の内容について話をしました。

    その際に違和感を感じました。

    この営業マンは、インターネットに出るような一般的な情報は提供してきます。

    しかし、個別具体的な話になっていくと、こちらの質問に対して明確な解答をすることができないのです。

    これは、逆の立場で考えてみると良く分かります。

    証券会社の営業マンは、毎日30社、40社という会社を訪問して、株を販売することによって手数料収入を得ることを最大の目的としています。

    その中で、時間を割いて個別の株式の研究を進めるということは物理的に不可能であり、この営業マンにとって優先順位が高いことでもありません。

    営業マンは売る事が仕事です。つまり、仲介会社の社員は販売のプロであるということはしっかりと肝に銘じておきましょう。

    営業マンは売るプロ

    3. 相手は投資のプロではないと認識する

    上の内容と少し重なってきますが、不動産の仲介会社は不動産投資のプロではありません。実際、営業マンが収益物件を保有していることは極めてまれです。

    つまり、 不動産の仲介会社は経験したこともないことをあなたに提案している可能性が高いのです。

    もちろん会社によっては、自社で収益物件を保有し、実際に賃貸経営をしている会社もあるでしょう。しかし、そうであっても、収益物件の賃貸経営をする人と販売をする人は別であることが多いです。

    収益物件の購入においては、個別具体的な検討が必要になってきます。そのエリアの人口の推移、入居が見込める間取、周辺のインフラの整備状況などです。

    こういったことを「経験」として語れる営業マン以外の言葉はあまり信用しない方が良いでしょう。

    4. 営業マンはノルマがあることを認識する

    仲介会社は基本的に販売のノルマがあるということもしっかりと頭に入れておきましょう。

    特に大きな組織であればあるほど、担当者ベースで毎月のノルマが課されることが一般的です。

    不動産投資はマーケット商品であり、マーケットが良い時もあれば悪い時もあります。買うべき時がある一方で、買ってはいけないタイミングもあるのです。

    また、買ってはいけない物件ももちろんあります。

    しかし、営業マンは、ノルマがある以上、どんな状況であっても収益物件を売らなければいけないのです。

    そういった意味では、不動産の仲介会社はマーケットの状況に関係なく、あなたが買えそうな収益物件の販売をする可能性が極めて高いということはしっかりと認識しておきましょう。

    マーケットとノルマ

    5. 理屈ではなく、感情に訴えかけてくることを認識する

    このポイントは非常に重要です。

    収益物件というのはそれぞれ一つ一つがオーダーメイドの商品であり、2つとして同じものは存在しません。

    全く同じ作りの建物だとしても、全く同じ土地に建物を建てることはできませんので、代替性がない商品なのです。

    しかし、この「代替性がない」という事実が、仲介会社の営業手段として使われていることも事実です。

    なぜなら、収益物件というのは、一度見に行くと愛着がわいてしまいまうものだからです。これは実際に体験しなければ分からないのですが、ほとんど全ての投資家の方が、収益物件を見に行くと物件に愛着が湧いてしまう。と話します。

    2棟、3棟と買い増していくと段々慣れていくのですが、1棟目の購入時にこの「愛着」を捨てるのは非常に難しいです。車の試乗に行くと、その車が欲しくなってしまうのと同じようなものでしょう。

    実は私も、一棟目の物件は勢いで買ってしまいました。この点についてはとても反省しています。

    つまり、不動産投資は数字が全ての収益事業であるにも関わらず、最終的な判断を感情で決めてしまう可能性がとても高いのです。

    感情と理論

    収益物件を販売するプロは、この辺りの顧客心理をとてもよく心得ています。

    「本当に良い物件です。」、「あなたに買って貰うために出てきた物件です。」こういった形で、あなたの気持ちを高ぶらせていくことがあるのです。

    上記のような言葉を聞いたら「これは営業トークだな」と認識することができるようにしましょう。

    なお、一棟目の収益物件の購入においてほとんどの人が陥る罠については、初めての収益物件購入前に陥りがちな罠とその対策を紹介いう記事を参考にして下さい。

    6. あなたを焦らせてくる可能性があることを認識する

    あなたを焦らせるということも、仲介会社が良く使う手段です。

    何故なら、上述の通り、収益物件は二つとして同じものがないからです。

    「他に検討するお客様がいるのでお急ぎ下さい。」「今買い付けを入れないと、他の人に持っていかれます。」

    収益物件の内見に行くと、こういった営業トークを受けることが一度はあるでしょう。

    ただし、ここで一つ注意しなければいけないことがあります。それは、本当に良い物件の場合は実際にすぐ買付を入れないと、他の人に持っていかれてしまう可能性が極めて高いということです。

    これから不動産投資を始めようとしている方は、この点はあまり認識する必要はありませんが、悪い物件でも良い物件でも、営業マンは「焦らせてくる」ということはしっかりと認識しておきましょう。

    7. 「とりあえず」買付を入れさせようとする可能性があることを認識する

    「まずは買付を入れるだけ入れてみましょう。」と言ってくる担当者は注意が必要です。

    買付を入れるということは、「購入の意思表示をする」ということです。

    そういった意味では、どんな場合であっても、買付を入れるということは購入の意思決定をしたということを肝に銘じて下さい。

    そして、買付を撤回しようとしても、実際に撤回することは簡単ではありません。

    なぜなら、一度買付を入れると、心理学でいう「自己一貫性」が働き、買付を撤回することに心理的な障壁が生まれてしまうのです。

    逆に、不動産の仲介会社はこの心理を巧みに使ってきます。

    「もう契約の準備が進んでいます。」「売主さんも売る準備を進めています。」といったコメントを受けると、やはりプレッシャーを感じてしまうものです。

    「買付」を入れるのは、本当に買おうと思った物件だけ。これもしっかりと認識しておいて下さい。

    8. 最後に

    不動産投資を始めるにあたり、仲介会社に騙されないために知っておくべきポイントについてお伝えしました。

    このポイントは読んでいると当たり前のように感じるかもしれませんが、実際の営業マンから営業を受けると、冷静な判断をすることができなくなってしまうことが多々あります。

    今回のポイントをしっかりと頭に入れ、劣悪な収益物件を購入してしまうことがないようにしましょう。

    この記事を書いた人:大橋亮太

    三井物産株式会社で約7年働いた後、2015年に株式会社ムーブウィルを設立。両手仲介への違和感から買側の仲介に入ることを止め、売主側の味方だけをするサイト「売主の味方」を立ち上げる。

    ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士

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