オリンピックを3年後に控え、日々盛り上がりを見せる毎日。オリンピックと景気は密接な関連があると言われています。
その中でも、マンション価格もオリンピックまでは上昇が続くと言われていますが、実際にどうなのか気になる方も多いのではないでしょうか?
マンションは非常に大きな買い物ですから、できればお得な金額で買いたいもの。そして、お得なタイミングでマンションを購入するためには、マーケットの動きを見極めることが欠かせません。
そこで今回は、2017年のマンション価格の推移についてお伝えします。
- 目次
- 1. 2016年のマンション価格の推移を振り返る
- 2. 2017年のマンションの価格を予想
- 3. マンションを買うタイミングはオリンピック後?
- 4. 保有と賃貸、どちらが得なのか?
- 5. 最後に
1. 2016年のマンション価格の推移を振り返る。
まず、2016年のマンション価格の推移について振り返ってみましょう。
2016年のマンションの価格については、不動産価格は上がる?下がる?2016年の不動産市況を予想という記事において、マンションの価格は横ばいになると予想しました。
では、実際のマンションの価格はどうなったでしょうか?以下のグラフをご覧ください。
出展:東京カンテイ
結論としては、2016年のマンションの価格は上昇し、予想が外れてしまいました。しかし、外れてしまったことに対しては明確な理由がありますので、その理由と共に2017年のマンションの価格を予想していきましょう。
2. 2017年のマンションの価格を予想
ここから、2017年のマンションの価格を予想していきます。
マンションの価格を予想するに先立ち、マンションの価格を決定付ける最大の要因について紹介します。
不動産価格は上がる?下がる?2016年の不動産市況を予想というコラムで紹介しておりますが、マンションの価格を決定付ける最大の要因は銀行の融資情勢です。
ここから、なぜ銀行の融資姿勢がマンション価格に大きな影響を与えるのか、その理由について説明します。
以下の図をご覧ください。この図が、融資とマンション価格の関係を示しています。
まず、銀行の融資条件が緩くなると、毎月の返済額が減ります。そうすると、毎月の収支のプラス幅が大きくなります。
すると、その分マンションを買いたい需要家の数が増えます。
その結果、マンションの価格が上がるのです。
そういった意味で、マンションの価格の推移を知るためには、融資の条件を調べることが必要なのです。
マンションの価格に影響を与えるのが融資情勢であることを知っていただいた上で、次に実際の融資情勢について見ていきましょう。
住宅ローンを組む際、ほとんどの方はフラット35を活用しますので、フラット35の金利の動きを見ていきます。
ポイントは以下の図の右下の部分です。2016年に入り、一段と金利が低くなっていることがおわかりいただけると思います。
この背景は政府によるマイナス金利政策です。この政策によって金利が下がり、結果として2016年はマンションの価格が上昇したのです。
では、2017年のマンションの価格はどうなっていくのでしょうか?この答えを予想するためには、融資の動きを予想する必要があります。
そして、融資の条件は概ね期間と金利によって決まってきます。そこで、その二つの数字の動きについて考えていきましょう。
①期間
まずは期間です。フラット35における融資期間は35年です。海外でも不動産に対して35年の融資を組むのは一般的ではありません。むしろ、住宅ローンと投資用不動産ローンを分けて考えているのは日本ぐらいです。そして、築古の収益物件に35年の融資が組めることは極めてまれです。
つまり、35年の融資を組むということは、非常に長い期間の融資を組んでいるということになるのです。
②金利
次に金利です。金利については、マイナス金利政策によって一段と下がった状況下、更に金利が下がっていくことは考えづらいでしょう。
むしろ、米国が利上げをしたように、日本も金利は上昇圧力の方が強いと言えます。
③まとめ
上述の通り、住宅ローンに対する融資条件は期間、金利共に非常に緩く、これ以上緩くなることは考えづらいというのが現状です。そうすると、今後さらに融資条件が緩くなるということは考えづらいでしょう。
つまり、2017年のマンションの価格は、基本的には上がらないが、金利が上昇した場合などはずるずると価格が下がっていく可能性もあると言えるでしょう。
3. マンションを買うタイミングはオリンピック後?
そうすると、マンションを買うタイミングはいつなのか?と言う話になります。
また、マンション価格を予想する上でオリンピックが話題になりがちですので、オリンピックとマンション価格の関係について考えていきましょう。
オリンピックによって需要が生まれ、景気が良くなるということは過去のデータによって明らかになっています。需要が生まれれば、賃金が上がり、雇用が増え、物価も上がっていくというのが一般的な考え方ですが、私はオリンピックとマンションの価格は密接には関連しないと考えています。
なぜなら、オリンピックとマンション価格を関連させる要因が見当たらないからです。
マンションの価格を決める最大の要因は銀行の融資姿勢です。そういった意味では、リーマンショックのようなイベントが発生してしまうと、一気に銀行の融資の扉が閉まり、マンションの価格が下がっていくことが予想されます。
そして、銀行の融資にインパクトを与える要因がいつ発生するかは誰にもわかりません。オリンピックが終わっても好景気が続くかもしれないですし、その一方でオリンピック前に大きな経済イベントが発生するかもしれません。だからこそ、オリンピックとマンションを結び付けて考えてはいけないでしょう。
ただ、一つ言えることは、マンションの価格は常に上下しており、今は高値である可能性が高いということです。そういった意味では、すぐにマイホームが欲しいという方以外は、様子を見た方が良いでしょう。
4. 保有と賃貸、どちらが得なのか?
マンションは高値が続いているから様子を見る場合、賃貸物件に住むことになると思いますが、賃貸物件に住むともったいない、と思う方も少なからずいらっしゃると思います。
保有と賃貸をした場合、どちらが特になるのかということについて、別途記事でまとめています。結論としては、同じマーケットが続くという前提においては、13年間保有してはじめて保有派が賃貸派よりも得になるという試算結果になりました。
マンションを購入するタイミングで大きな費用が発生しますので、その費用を回収するまでにかかる期間が13年というイメージです。
検討の詳細について知りたい方は、賃貸か持家か、どちらが得かを徹底的に検証という記事を参考にして下さい。
5. 最後に
2017年のマンション価格の推移について、私の考えをお伝えしました。銀行の融資情勢に影響を及ぼすような大きなイベントが発生しない限り、今年はマンションの価格はあまり変わらないでしょう。
そうすると、値下げを待たなければいけないという考え方もでてきますが、長期保有という観点で言えば、マンションの購入は思い切りも必要だと思います。
ずっと保有し続けるのであれば、マンションを購入した方が賃貸よりも得するからです。
あなたのライフスタイルや投資方針を踏まえた上で、マンションを購入するかどうか決めるのが良いと思います。
あなたのマンション購入・売却に際し、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。
マンションの売却の検討をしている方は、【保存版!】マンションを高く売却するために知っておくべき16のテクニックいう記事も合わせてご覧ください。