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    【保存版!】マンションを高く売却するために知っておくべき16のテクニック

    マンション

    今このページを訪れていただいた方はマンションの売却の検討をされていると思います。

    マンションは人生の中で何回もする買い物ではありません。つまり、経験回数が少ないからこそ、マンション売却のノウハウを学ぶ絶対的な機会が非常に少ないというのが現実です。

    そこで今回は、マンションの売却を成功させるために必要なことについて網羅的にまとめました。

    この記事を読めば、高値でマンションを売却するコツを知ることができます。この記事をあなたのマンション売却に活用していただければ幸いです。

    1. マンション売却前に知っておくべきこと

    この記事で、マンションを高値で売却するためのポイントを全てお伝えしますが、その前に知っておいて欲しいことがあります。

    このポイントは非常に重要ですので、しっかりと頭に入れて下さい。

    そのポイントとは、マンションの売却前に可能な限りたくさんの情報を集めてほしい、ということです。

    ある家庭内での話を例にお伝えします。

    ここで、父、母、息子の3人家族がいると仮定しましょう。ある日、息子が小学生に入ったら野球をやりたいと父に言いました。

    少年野球

    せっかくなので、しっかりとした指導者に野球のやり方を学んでほしい。

    そう思い、父は近くの野球教室のコーチと話をしてみることにしました。

    早速コーチに会いに行き、コーチから野球に対する思いや、自らの野球に対する考え方を熱く語ってくれました。

    「ピッチャーで成功するために必要なことは下半身をしっかりと鍛えることです。下半身を鍛えることにより、体幹を鍛えることができます。体幹がしっかりとしない限り、速い球を投げることはできません。」

    父はこのコーチの熱い言葉に感動し、子供をこのコーチの下で育てることを決めます。

    さて、この父が取った行動は正しいのでしょうか?間違っているのでしょうか?

    その答えは子供がしっかりと成長したかどうかによって明らかになると思いますが、少なくともこの場合において、「父は少し安直な判断をしてしまっている」、と考える方も多いのではないでしょうか?

    いきなりマンションとは違う例を紹介しましたが、違う例の方が分かりやすいということから紹介しました。ここで言いたいことは、何か判断をする際には情報が必要であり、その情報は多ければ多いほど良いということです。

    マンションの営業マンはみなセールスのプロです。セールスのプロということは、何とかあなたから契約を取るために、様々な手を使ってきます。セールスマンの仕事は「売る」ことだからです。

    セールスマン

    その際に信じるべきことは、「営業マンが言っていること」ではなく、「あなたが集めた情報」です。

    情報を集めることによって、正しい判断をすることができる可能性が高まっていくのです。

    例えば、ある不動産会社が営業にきて、あなたに対し、「マンションを高く売却するためには、まずは高い金額設定をすることが重要」と言いました。

    この言葉が正しいかどうかは別として、この言葉だけをベースにして物事の判断をしてはいけません。しっかりと情報を集めた上で判断する必要があるのです。

    とりわけ不動産の売却は非常に大きな金額が動きます。だからこそ、しっかりとたくさんの情報を集め、正しい判断をするようにしてください。

    そして、間違っても性急に売却を進めることがないようにしてください。

    それでは、早速本題にうつっていきましょう。

    2. マンション売却の流れ

    まずは、マンション売却の流れについて説明します。全体の流れをしっかりと理解していきましょう。

    2-1. マンション売却価格の推移を知る

    まずは不動産の売却をするかどうか決める前にマンションの売却価格の相場の推移について知る必要があります。

    ここで過去のマンションの価格の推移を示したグラフを紹介しますので、参考にしてください。

    売却価格の推移

    出典:東京カンテイ

    上記の表を見ると、マンションの価格は過去6年の中で最も高いと言うことができます。

    ちなみに、マンションの売却価格の相場を見る目的は、今が本当に売るタイミングなのかどうかを見極めるということです。

    不動産のマーケットは経済状況に応じてサイクルしていきます。その中でマーケットが高いタイミングで売るというのが賢い選択です。

    今マンションを売るべきなのかどうか、しっかりとマーケットの状況を見ながら判断していくようにしましょう。

    なお、2017年のマンション価格がどうなっていくのかという点については、マンションの価格は上がる?下がる?2017年のマンションの価格を予想という記事で紹介していますので、参考にしてください。

    2-2. 仲介会社を選ぶ、もしくは自分でネットに物件情報を掲載する

    マンションの売却価格のイメージを掴み、マンションの売却を前に進めようと考えた場合は、次に不動産の仲介会社を選びましょう。

    自分で買手を見つけることもできますが、自分で買手を見つけるというのは極めて非現実的ですので、現実的にはどこかの不動産会社に仲介をお願いすることになるでしょう。

    つまり、不動産の売却にあたってはどの仲介会社に媒介を依頼するのか選定する必要があります。

    仲介会社の選定に方法に関しては、この記事を読んでいただければ理解できますが、更に深く理解したい方は、不動産の売却前に知っておくべき仲介業者の裏側いう記事を参考にして下さい。

    また、一方で最近ではインターネットの発達によって自分で物件をインターネットに掲載することができますので、自分で物件を掲載し、様子を見るというのも有効な手段です。

    自分でインターネットに掲載する方法で一番有名なのはソニー不動産でしょう。ソニー不動産はおうちダイレクトというサービスを提供しており、売主が自らインターネット上でマンションを売却することができる仕組みを作っています。

    ただし、自分で物件を掲載したとしても、売買契約書の作成や重要事項説明書の作成においてソニー不動産に対し、相応の費用を支払わなければいけませんので、その点はしっかりと意識しておくようにしましょう。

    2-3. 仲介会社と媒介契約を結び、売り出し価格を決める

    不動産の仲介会社を決めたら、次に媒介契約を結びましょう。

    媒介契約の結び方は大きく分けて3つあります。一般契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約です。

    この3種類の媒介契約の違いを図にまとめましたので、以下の図を参考にして下さい。

    2-4. 媒介契約を結んだ後

    不動産の仲介会社と媒介契約を結んだ場合、その後あなたがやることは基本的にありません。

    媒介契約を結んだ仲介会社が自分で募集図面を作り、その図面をインターネットに掲載し、マンションの買手を探してくれます。

    媒介契約の種類によっては売却の状況を売主に報告する義務がありますので、しっかりと状況を確認する癖をつけるようにしましょう。

    2-4. 買付を受け、売却するかどうか検討をする

    不動産を購入する意思がある人が出てきた場合その人は買い付け証明書という書類を作りその書類をあなたに送ります。

    買付証明書の細かい内容や、その法的効力について知りたい方は、不動産買付証明書の書き方を詳しく解説【ひな形付き】いうコラムを参考にしてください。

    買付証明書のイメージを以下に紹介しますので、参考にして下さい。

    買付証明書

    結論として、買付証明書には何ら法的拘束力はありませんので案件自体が流れてしまう可能性は十分にありますが、買主から見ると、真剣にマンションを買う意向があるからこそ、買付証明書を入れているということは頭に入れておいて下さい。

    また買付証明書を受ける場合その家の中に様々な条件が入ってることがあります。

    一番わかりやすいのが価格です。買主から見ても、少しは値引きして欲しいな気持ちが働く場合も多く、基本的には値引きされた金額が提示されるでしょう。

    ここであなたは買主候補から提示された金額でマンションを売却するかどうか検討をします。

    しかし、買手からの買い付け証明書の条件を全て飲む必要は全くありません。このあたりの背景含めた詳細は、後ほど紹介する16のテクニックの部分で説明していますので、そちらを参考にして下さい。

    2-5. 売買契約の締結

    最終的に買い手と売り手の条件が合致した場合、その条件に基づいて売買契約を結ぶことになります。

    売買契約を結べば法的な拘束力が発生しますので、売買契約締結後のキャンセルはペナルティが発生します。

    また、売買契約書の作成不動産の仲介会社が行ってくれます。

    売買契約書の内容についてしっかりと確認・理解したい方は、不動産の売買契約書で確認しなければいけない18のポイントというコラムを参考にしてください。

    2-6. 引渡しを行う

    売買契約が終われば、買主がローンの審査を行います。そしてローンの審査が無事に通れば引き渡しとなります。

    引渡し日は、あなたが現在借入をしている銀行の融資返済と一緒に行われますので、日程の調整をしっかりと行った上で引渡し日を確定するようにしましょう。

    3. マンション売却にあたり必要な費用

    売却までの流れを把握した後は、マンションを売却する際に必要とされる費用について見ていきましょう。

    3-1. 費用総額のイメージ

    はじめに費用総額のイメージについてお伝えします。マンションの売却において発生する費用は、おおむね不動産価格の3.5%前後と考えていただければ良いです。

    売却価格と費用の関係

    この中で、大きな金額を占めるのが仲介会社に払う仲介手数料です。ここからそれぞれの費用について紹介していきます。

    3-2. 仲介手数料

    まずは仲介手数料です。仲介手数料の金額は、売却する不動産の価格によって異なってきます。以下売却価格に伴う仲介手数料の金額を表にまとめましたので、参考にして下さい。

    売却価格 仲介手数料
    ~200万円 5.40%
    ~400万円 4.32%+2.16万円
    400万円超 3.24%+6.48万円

    なお、この金額は法律上定められた上限であり、値下げ交渉をすることも可能です。

    3-3. 抵当権の抹消登記費用(登録免許税)

    売却するマンションに抵当権が設定されている場合、抵当権の抹消登記をする必要があります。

    抵当権の抹消登記にかかる費用(登録免許税)は1物件につき1,000円です。実際の実務では、買主側の司法書士がまとめて(買主の所有権移転登記と抵当権抹消+設定登記)行うことが一般的です。

    その際の司法書士への報酬は、高くても数万円程度と考えておけば良いでしょう。

    3-4. 印紙税

    売買契約書には印紙税を納める必要があります。契約書は2部作成し、一部を買主、一部を売主が保管することが一般的ですので、印紙税は売主として保管する契約書に対して発生すると考えておきましょう。

    その費用は、売買契約書の金額によって変わってきます。以下の表を参考にして下さい。(平成30年3月31日までに作成される契約書では、軽減税率が適用されます。)

    売却金額 税額 (軽減税率)
    50万円以下 400円 200円
    100万円以下 1,000円 500円
    500万円以下 2,000円 1,000円
    1,000万円以下 10,000円 5,000円
    5,000万円以下 20,000円 10,000円
    1億円以下 60,000円 30,000円
    5億円以下 100,000円 60,000円
    10億円以下 200,000円 160,000円
    50億円以下 400,000円 320,000円
    50億円超 600,000円 48,000円

    3-4. 繰り上げ返済手数料

    この費用は発生する場合と発生しない場合があり、銀行との融資契約の内容によって異なってきます。ただし、マンションの売却に伴う一括返済の場合、手数料はそこまで高くないことが一般的です。

    数千円から数万円の費用が発生すると考えておくのが良いでしょう。

    4. マンションの価格の決まり方

    次に、マンションの売却価格がどういった形で決まるのかという点について簡単にお話しします。

    なぜここで売却価格の決まり方を紹介するのかというと、この知識があった方がマンション売却で交渉を有利に進めることができる場合があるからです。

    高値で売却するためにも、この考え方を頭の片隅に入れておいて下さい。

    4-1. 価格の3要素

    不動産鑑定評価基準によると、不動産の価格には3面性があると言われています。その3面性とは、原価性、比較性、そして収益性です。

    この3つがお互いに関連しあって不動産の価格が決まると言われています。

    価格の3面性

    それぞれの性質に基づく不動産価格の決まり方についてご紹介します。

    ①原価法(原価性に基づく)

    原価法とは、不動産を構成する土地と建物並びに付随費用(労働費等)を積み上げて不動産の価格を算出する方法です。以下のイメージを参考にして下さい。

    積算価格のイメージ

    ②取引事例比較法(比較性に基づく)

    取引事例比較法とは、類似する不動産の価格との比較の中で対象となる不動産の価格を算出する方法です。以下のイメージを参考にして下さい。

    比準価格イメージ

    ③収益還元法(収益性に基づく)

    収益還元法とは、不動産から得られる収益(家賃)から、不動産の価格を逆算して求める方法です。以下のイメージを参考にして下さい。

    収益価格のイメージ

    この不動産の価格の3面性を知っておくと、不動産の価格がどうやってきまっているのかイメージを沸かせることができますので、頭の片隅に置いておくと良いでしょう。

    4-2. マンションの場合の価格の決まり方

    ここから、マンションの場合の価格の決まり方について説明します。

    上記にて、不動産の価格には3種類があるということをお伝えしました。

    その中でマンションは、収益還元法を活用した比準価格をベースにして販売価格が決まることが一般的です。

    マンションの場合の価格の決まり方

    これは購入者の立場に立ってみると良く分かります。マンションを購入する人は、大体の場合において予算が決まっています。

    そして、その予算の中で数多くの物件を見て、自分にとって最も良いマンションを購入します。

    その際、マンションの積算価格や、マンションを誰かに貸した場合に得られる収益性について気にする方はほとんどいません。

    他のマンションの価格と比較して、どのマンションを購入するのか決めます。だから、マンションの価格は比準価格をベースとして決まるのです。

    マンションの価格の決まり方は「比準価格」がベースになるということは意識しておきましょう。

    4-3. マンションの査定価格に影響を与えるポイント

    次にマンションの査定価格に影響を与えるポイントについて説明をしていきます。

    実際のマンションの価格というのは複合的な要素が絡み合って決まっていますので一つ一つの項目の積み重ねでマンションの価格が決まるわけではありませんが、ここに紹介する要素というのは確実にマンションの価格に影響を与えています。

    そういった意味ではマンションの価格に影響を与えているこの要素をしっかりと頭の中に入れておくようにしましょう。

    そうすることによってあなたの物件のアピールポイントを簡単に作るようにできるようになります。なお、ここで紹介するポイントにおいては、間取り、築年数、駅からの距離といった基本的な情報は省いています。

    売却価格に影響を与えるポイント
    騒音の可否
    セキュリティの充実具合
    周辺の治安
    建物のグレード(施行会社)
    眺望・日照
    所在階

    5. マンション売却にあたり良く挙げられる質問

    ここからは、マンションの売却にあたり良く挙げられる質問にお答えします。

    5-1. 仲介手数料半額・無料は大丈夫なのか?

    まず仲介手数料が無料もしくは仲介手数料が無料の場合や半額の場合、大丈夫なのかという点についてお伝えします。

    結論からお伝えすると、これは不動産会社のモラルによって変わってきます。

    モラルがない仲介会社の場合、表向きは半額と言いつつ、売却価格を意図的に下げて両手仲介をしようとします。

    例えば、仲介手数料が無料になったとしても、不動産の売却価格が本来売れるマーケット価格よりも5%下がってしまえば、実質的には損をしてしまうことになります。

    そういった意味では、手数料が低い会社を選ぶのも選択肢の一つですが、本当にしっかりと売主のことを考えている仲介会社なのかということを見極める方が重要でしょう。

    また、これから紹介する高値売却のポイントをお読みいただければ、信頼できる仲介会社なのかどうかという判断もできますのでご安心下さい。

    5-2. ローンが残っている場合は?

    次にローンが残っている場合についてお伝えします。ローンが残ってるとしても不動産の売却は全く問題がありません。ただしこれは、マンションの売却価格が銀行からの残債を上回っている場合に限ります。

    売却価格と残債の関係

    銀行からの残債が売却価格よりも高い場合、その差額分を銀行に払わない限り、銀行はその売却に対して ok を出してくれないでしょう。

    マンションの売却価格が銀行からの残債よりも高い場合は、何ら問題はありません。銀行に対し、不動産を売却する旨を伝え、必要書類をもらいましょう。

    その際、抵当権の抹消の登記が必要になってきますがこの登記に関しては銀行が指定する司法書士もしくはあなた自身で司法書士を選ぶ必要があることは、頭の片隅に置いておくと良いでしょう。

    5-3. 居住中の物件の場合は?

    売却予定のマンションに住んでいる場合、当たり前ですが、売却が決まるとその家を出なければいけません。つまり、次に住む場所を探さなければいけないことになるのですが、次の家を買う場合、今住んでいる家のローンとの兼ね合いをどうするかという問題が発生します。

    その際、選択肢としては、新たにマンションの購入をするという場合と、一旦は賃貸物件に住むという2つの選択肢があります。賃貸物件に住む場合は、売却がきまってから物件を探し始めれば、引渡し後に引っ越しができますので問題ないでしょう。

    一方、マンションの売却に伴い、新しいマンションを購入する場合は少し考えなければいけません。この場合、何が問題になるのかというと、売却前のマンションに対する残債がある状況で、新しい借入の審査ができるのか、という問題です。

    結論としては、現時点ではあまり心配する必要はありません。なぜなら、銀行は、あなたがマンションを売却することを前提として、新規の融資の申し込みを受け付けることが可能だからです。

    しかし、新しいマンションの購入に際してはある程度時間が必要とされますので、新しいマンションの購入を考えている方は、ある程度購入する物件の目星を付けておいた上で、マンションの売却活動をした方が良いでしょう。

    なお、一時的に賃貸物件に住まないといけない場合は、URの賃貸住宅に住むことをお勧めします。

    なぜなら、URの賃貸住宅の場合、礼金、保証料がかからない上、退去時に敷金が戻ってくる可能性が極めて高いからです。住むのが短期間の場合、初期費用をいかに抑えるかがポイントとなります。

    URのホームページにも、過去の敷金精算で発生した費用の平均は30,000円という記載があります。以下のリンク先を参考にしてください。

    UR賃貸住宅のメリット(敷金の原状回復区分が明確)

    ただし、引っ越しの手間と引っ越し代が発生すること、ならびに役所関連の手続きが煩雑になることはしっかりと認識しておいた方が良いでしょう。

    6. マンションを高値売却するための16のテクニック

    ここから、マンションを高値で売却するためのテクニックについてお伝えします。

    一つ一つのポイントは大きなものから小さなものまで色々ありますが、全てしっかりと実践することによって確実に売却額は上がっていきます。

    数十万円変わるだけでも、最終的な手残りの金額に大きな影響があります。だからこそ、しっかりと全てのテクニックを実践するようにしてください。

    6-1. まずは一般媒介契約にして様子を見る

    仲介会社が買主を見つける前に、媒介契約を結ばなければいけません。媒介契約の種類は、上記においてお伝えした通り3種類あります。再度表を載せますので、参考にして下さい。

    ここで注意するべきポイントは、専任並びに専属専任の場合、他の仲介会社と契約ができなくなってしまうという点です。

    媒介契約は一般媒介契約が好ましい

    確かに複数の仲介会社と面談をして、仕事の状況を見極めながら一社に絞り込んでいくというのは手間も時間もかかります。しかし、冒頭でお伝えした通り、1社とだけ話をしていると、情報が偏ってしまい、正しい判断を行うことができなくなってしまいます。

    そして、その結果として売却価格に数十万円から数百万円の違いが出てくるかもしれません。

    いきなり自分の選択肢を狭めてしまう契約形態は取らないようにしましょう。

    6-2. 媒介契約の期間を短くする

    上記1.とも関係してきますが、まずは媒介契約の期間を短くして様子を見るのが良いでしょう。

    不動産会社はコンビニよりもたくさんあります。あなたが交渉をして仲介会社と折り合いがつかなかったとしても、他の仲介会社は山のようにあります。

    そういった意味では、まずは自分の選択肢を狭めないように行動することが重要なのです。そういった意味でも、媒介契約の期間を可能な限り短くし、仲介会社の仕事の姿勢を確認していきましょう。

    媒介契約の期間を短くする

    ちなみに、媒介契約を結んだ後、仲介会社はその不動産の情報を役所などで調べたり、販売用の図面を作ったりと、ある程度大きな業務が発生しますので、そういった点を踏まえると、円滑な販売活動を行う上で最低1か月ほどの期間は必要になってくるでしょう。

    6-3. こまめに報告する仲介会社を選ぶ

    お客様を大切にする会社の経営方針として、「先義後利」という言葉があります。

    まずは義理を果たし、その上で利益を得るという考え方です。

    媒介契約を結んだ途端に連絡をしなくなる不動産会社は、「先利」となってしまっている可能性があります。特に、媒介契約を取るまで熱心だった一方で、媒介契約を結んだ途端に連絡の頻度が大きく落ちる会社があることも事実です。

    報告の頻度

    報告のこまめさは、仕事の丁寧さと直結します。そういった意味でも、あなたにきちんと報告をする仲介会社を選ぶようにしましょう。

    6-4. 物件の資料を丁寧に作る

    物件の売却資料を丁寧に作るということも非常に重要です。お客様(買手)が物件を知る最初のきっかけになるのがこの物件資料です。それほど重要な資料であるにも関わらず、資料の作成に力を入れない会社も少なからず見受けられます。

    ちなみに、物件資料を作るということは、ただ見た目に綺麗な図面を作るだけではありません。売却するマンションの潜在的な顧客をイメージし、その顧客に響くアピールポイントを全て過不足なく盛り込むことが非常に大切なのです。

    物件資料の丁寧さ

    例えば、所得が高くて子供を有名私立に通わせたいという夫婦が潜在的な顧客である場合、マンションの図面に近隣の名門小学校の情報を入れるといった方策を取ると良いでしょう。

    6-5. 全ての媒体に物件の情報を載せる

    売却を進めていく上で、買手との最初の接点はほとんどの場合、インターネットです。買手が不動産会社に訪問の上、直接紹介を受けるという場合もありますが、インターネットでほとんどの情報が取れる状況において、買手が不動産会社から紹介を受けた物件を購入するということはまれです。

    買手の方との接点を増やすという意味でも、全ての媒体に対して物件の情報を載せるようにしましょう。

    掲載する媒体を増やす

    ここでのすべての媒体とは、Suumo、at home、Homesのことを言います。この3つの媒体に掲載することを最低条件にし、必用に応じて他のポータルサイトにも情報を掲載していきましょう。

    6-8. 物件にまつわる物語(ストーリー)を作る

    あまり知られていませんが、物件に関する物語を作るということは高値で売却するという意味において非常に大切です。

    私は最近、 リサイクルショップにいき、ふと万年筆を手に取りました。

    するとその万年筆にはメモが書かれており、そのメモにはこんなことが書かれていました。

    この万年筆は私の父が長い間愛用していたものです。私の父は保険の営業をしており営業するときは常にこの万年筆を持ってお客様の会話のメモをとっていました。

    万年筆

    いわば、この万年筆は父の営業の最高のパートナーだったのです。 父はもう引退してしまいましたが、万年筆はまだまだ元気です。一緒に働けるパートナーを探しているのではないかと思い、リサイクルショップに置かせてもらうことにしました。

    営業をしている方に引き取ってもらえればとても嬉しいです。

    私はこのメモ書きを見て、なぜかこの万年筆がとても欲しくなってしまいました。むしろこのメモを読み終えた頃にはこの万年筆が僕のパートナーのようにも思えてきました。

    全ての家には歴史がしっかりと詰まっています。その歴史をしっかりと繋いでいければ、変な価格交渉になることなく、お互い満足した形でマンションの売買ができるのです。

    売主であるあなただけではなく、仲介会社の担当者にも物語をしっかりと共有し、内見する人に伝えるようにしましょう。

    6-7. すぐに値下げをしない

    これは不動産の仲介会社との関係性で判断する必要があり、仲介会社の選定の段階で日々細かい報告もしてくれ、仕事もしっかりしていると思える方と出会えた場合は当てはまりません。

    本業の仕事が忙しくて複数の仲介会社と話をする余裕がない方に認識していただきたいことです。

    なぜすぐに値下げをしていはいけないのかというと、仲介会社が物件価格を市場価格よりも低くし、自社で買手を見つけることによって手数料を売手と買手から取り、収益を最大化しようとする場合があるからです。

    直ぐに値下げしない

    まずはしっかりと様子を見ることが重要なのです。そして、様子を見るといっても仲介会社から報告がなければ何も判断をすることができません。だからこそ、上記の通り、まめに報告をする仲介会社を選ぶことが非常に重要なのです。

    すぐに値下げをすることは避けるようにしましょう。

    6-8. 事前に簡易リフォームを行う

    部屋の掃除をすると同時に、部屋の中のリフォームをすることも極めて重要です。

    リフォームといっても、数百万円もかかるような大規模なリフォームをする必要は全くありません。

    数万円~最大でも20万円ほどのリフォームで十分です。

    ここでリフォームをするポイントは、壁紙、床、水回りです。色落ちしている場所や、見た目ではっきりと劣化が確認できる場所があった場合、少しぐらいコストがかかってもしっかりとリフォームをするようにしましょう。

    劣化した場所があると、内見者は急に現実に引き戻されてしまいます。そして、現実に引き戻されるからこそ、劣化があることによって合理的な値引き交渉が行われてしまうのです。

    6-9. 希望売却価格よりも若干高めに売却価格を設定する

    これは、買手の満足度を高める上で非常に有効な戦略です。

    値下げの幅よりも、「値下げできた」という事実が大切なのです。

    例えば、5,000万円の物件で30万円の値下げをすることができたとします。5,000万円という数字から見た30万円は少額ですが、絶対的な金額として30万円は大金です。

    このあたりの交渉の進め方は仲介会社の腕の見せ所でもあるのですが、買主にとって30万円という大金を値下げすることができたこと、そして、何よりも交渉に買ったという事実が買主に満足感を与えるのです。

    そういった意味でも、売却価格を決定する際には希望価格よりも若干高めの金額を設定するようにしましょう。

    少し高い価格に設定する

    また、値下げが出来たということは、買主のキャンセルの確率を下げることにもつながります。

    これは、心理学の「一貫性の法則」が裏付けになっているのですが、人は自分の行動に一貫性を持たせようとします。つまり、買付を入れて指値が通った中で「購入をキャンセルする」という行動はとりづらいのです。

    だからこそ、あなたが希望する売却価格よりも少し高めに設定をするようにしましょう。

    6-10. 物件をきれいにする

    内見の前には必ず部屋の掃除をしましょう。

    「夢のマイホーム」という言葉があるように、日本人にとって家を買うということは、「夢」を買うことです。

    日本人は借金をあまりしない傾向がありますが、住宅ローンに関して言えば、あまり抵抗がない人が多いというのが現状です。

    これは、マイホームに経済的な価値を求めているのと同時に、マイホームに「夢」を求めているからです。

    つまり、物件の内見に来てくれた方に対し、「夢」を見ていただくことが極めて重要になるのです。逆の考え方をすると、どれだけ設備が充実していても、部屋が汚ければその物件は高値では売れません。

    また、人は第一印象で良し悪しの判断を下す傾向があるということも部屋をきれいにしておかなければいけない理由です。

    人は第一印象で物事の判断をします。なぜ第一印象で判断するのかというと、その方が楽だからです。人は一日に数えきれないほどの判断をしています。その中で、効率的に、そして楽に判断をするために、過去の経験推測して判断をする傾向にあるのです。

    不潔な人を見た場合、その人と付き合おうとは思わないでしょう。家の場合も同じです。汚い家を見ると、その家に住もうとは思わなくなってしまうのです。

    部屋をきれいにする

    一度付いてしまったイメージを覆すことはできません。内見の前には必ず部屋をきれいにするようにしましょう。

    6-11. 換気を行う

    物件をきれいにすることと同様、部屋の臭いも気をつけておきたいポイントです。

    受動的に入ってくる情報ととして、聴覚、嗅覚、聴覚の3種類があげられます。

    その際、物件の内見をする際に必ず直面するのが、聴覚と嗅覚の2つでしょう。部屋に入って変なにおいがあれば、それだけで内見者は現実に引き戻されてしまうでしょう。

    部屋の換気

    ただし、部屋に香りを付けるということはあまり好ましくありません。なぜなら、臭いというのはある種のマーキングであり、マーキングされているものに対して人は嫌悪感を示す場合があるからです。

    衣料品のお店などではあえて香りをつけている場合もありますが、それはブランドイメージの中で意図的に行っている行動です。飲食店、カフェなどで強い香りを感じることはほとんどないのではないでしょうか。

    つまり、内見においては「無臭」がポイントです。換気をするだけではなく、消臭スプレーなども活用して部屋の空気を良くしておくようにしましょう。

    6-12. 内見時、音楽をかける

    視覚、嗅覚の次は聴覚です。

    音楽は雰囲気を和らげる効果があります。固いビジネスの場面は別として、内見をするということは、お客様に対し「自分がその家に住んでいる」ことを想像させることが極めて重要です。

    音楽がかかっている場所はカフェなど、のんびりする空間であることが多いです。

    音楽のある家

    つまり、音楽をかけることによって、買主の方に「くつろいでいる雰囲気」を感じてもらうことができるようになるのです。

    6-13. 内見時は、仲介会社に案内してもらう

    このポイントは当たり前と言えば当たり前なのですが、仲介会社の担当者が都度案内をするということは絶対条件です。

    内見の際、必ずといって良いほど購入希望者からは複数の質問が来ます。この質問に応えるのは、売主ではなく、公平な立場である仲介会社でなければ、購入希望者も違和感を感じてしまうのです。

    可能であれば、同じ担当者を決め、その担当者に常に案内してもらうことが極めて重要です。

    6-14. 雰囲気の良い担当者を付ける

    上記と関連して、雰囲気の良い担当者を付けるということも極めて重要なポイントです。

    高価な商品を販売する際、その商品の価値だけではなく、誰が売っているのか、ということを知っておくことも極めて重要なのです。

    これも逆の立場で考えると分かりやすいかもしれません。

    新しく車を買いに行く場合、接客をしてくれる営業マンがくたびれたスーツを着て、だらしない恰好をしていたらどうでしょうか?

    買うべき車を決めていたとしても、その営業マンから車を買おうとは思わないですよね。

    雰囲気の良い営業マン

    不動産の場合は、同じものが二つないという意味で、この車の例と全く同じとはいきません。

    ただ、営業マンの雰囲気でせっかくのお客様が購入をためらってしまう可能性があるということはしっかりと認識しておいた方が良いでしょう。

    6-15. 売主が内見してくれた方に付き添う

    内見を仲介会社任せにするのではなく、売主であるあなた自身がしっかりと買主に付き添うことも重要です。

    毎回付きそうのは大変と思うこともあるかもしれませんが、10回も内見が入ればほぼ間違いなく売却が決まります。

    一回の内見に30分かかったとしても300分、即ち5時間です。

    5時間の努力でマンションを高値で売却することができるのですから、しっかりと買主に付き添うようにしましょう。

    あなたが買手である場合、売主に付き添ってもらった場合と、売主がいない場合、どちらが物件に対して愛着が湧くでしょうか?

    恐らく後者ではないかと思います。マンションの売却は理屈だけではなく、気持ちも非常に重要な要素になってきます。不要な価格交渉を避けるためにも、売主がしっかりと内見者に付き添うようにしましょう。

    6-16. 内見してくれた方にお礼をする

    また内見に来てくれた方にお礼をするというのも非常に重要なポイントです。

    マンションを購入する形は日中非常に忙しく、週末の貴重な時間を割いてマンションを見に来てくれる方がほとんどです。

    基本的に、マンションの営業マンはとにかくマンションを買ってもらわなければいけないので、内見者にどんどん営業を仕掛けます。

    しかし、そういった営業ではなく、しっかりとお客様に感謝をしてもらう。そういった行動ができる不動産会社が最終的にはお互い満足する形でマンションの売買ができます。

    感謝の気持ち

    また、内覧してくれた方にお礼をすると、その方が物件をいざ買おうとした場合、値下げ交渉が心理的にやりづらくなるという効果もあります。

    これは「返報性の原理」という心理によります。「返報性の原理」とは、何かしてもらうとそのお返しをしたくなってしまう。という心理のことです。

    つまり、お礼をすると、それだけで買主はあなたに対して何かお返ししなければいけないという心理になってしまうのです。

    もちろんお礼をするのは、純粋に買主に対する感謝の気持ちを示すということが目的ですが、それが結果としてマンションの高値売却にも繋がるということを認識しておくと良いでしょう。

    7. 最後に

    マンションを高値で売却する上でのポイントについてお伝えしました。今回ご紹介したテクニックを活用し、ぜひとも高値でマンションを売却して下さい。

    なお、マンションの売却はマーケット価格を知ることから始まりますが、マンションの売却においては、マーケット価格を知った次のステップ、すなわち信頼できる仲介会社を見つけることが非常に重要です。

    そして、信頼できる仲介会社を見つけるためには、情報を沢山集めることが極めて重要です。

    これからマンションの売却をする際には、まず無料査定をすると良いでしょう。そこで複数の仲介会社と相談しながら、価格の妥当性と仲介会社の担当者の見極めを行うことをお勧めします。

    この記事を書いた人:大橋亮太

    三井物産株式会社で約7年働いた後、2015年に株式会社ムーブウィルを設立。両手仲介への違和感から買側の仲介に入ることを止め、売主側の味方だけをするサイト「売主の味方」を立ち上げる。

    ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士

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