「金持ち父さん貧乏父さん」がベストセラーになってから、資産形成の重要性が広まっています。将来豊かな生活をするためにも、しっかりと資産形成の知識をつけておきたいところ。
しかし、資産形成とはどういったことなのか、どうやって進めれば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、資産形成の本当の意味と、資産形成で失敗しないために知っておくべきポイントについて分かりやすく解説します。
- 目次
- 1. 資産形成とは?
- 1-1. 資産とは?
- 2. 資産形成の具体例
- 2-1. 家(収益物件)
- 2-2. 車
- 2-3. その他資産
- 3. 資産形成の本当の意味
- 4. 資産形成で失敗しないために知っておくべき7つのポイント
- 4-1. 資産の儲けの源泉が何なのかということをしっかりと理解する
- 4-2. あなたの強みが何かという点をしっかりと理解する
- 4-3. 明確なルールを決めておく
- 4-4. リスクとリターンのバランスを意識する
- 4-5. 市場心理に流されない
- 4-6. 信頼できる専門家を見つける
- 4-7. ゴールを決めておく
- 5. 最後に
1. 資産形成とは?
まず、資産形成とは何なのかという点について考えていきましょう。
資産形成とは、「資産」という言葉と「形成」という二つの言葉が組み合わされています。
「形成」という言葉は形作る、作るということですから、資産形成とは、「資産を作る」という意味になります。
ここでポイントとなるのが「資産」という言葉の意味です。資産とは何なのかという疑問が出てくるのと思いますので、ここから資産が何なのかという点について考えていきましょう。
1-1. 資産とは?
資産という言葉には色々な意味・解釈がありますが、資産形成という意味においては、会計上の定義をもとに考えていると分かりやすいですので、会計上の資産の定義について見ていきましょう。
会計上の資産の定義は以下の通りです。
過去の事象の結果として企業が支配し、かつ、将来の経済的便益が当該企業に流入すると期待される資源
この言葉を少しかみくだくと、以下のような意味になります。
資産とは、①あなたが持っているものであり、さらに②それがお金を生み出すもの、です。
ここでのポイントは、「お金を生み出すもの」ということです。
そのモノがお金を生み出してくれれば資産であり、お金を生み出してくれなければ資産ではない。このイメージを頭に入れましょう。
2. 資産の具体例
ここから、イメージを沸かせるために、資産の具体例について見ていきましょう。
2-1. 不動産(収益物件)
まずは不動産です。自分で住んでいる場合はお金を生み出してはくれませんので、資産にはなりません。
しかし、誰かに住んでもらい、家賃を貰うという意味では、不動産(収益物件)は資産となります。
2-2. 車
車も資産になります。これも家と同様、自家用車として車を使う分には資産とは言えません。
しかし、カーシェアリングのサイトを使って車を貸し出し、その対価としてお金を貰うのであれば、車も資産となるのです。
2-3. その他資産
お金を生み出してくれるものであればどのようなものも資産になります。その他資産についてまとめましたので、参考にして下さい。
- 株(配当益や、売却益を得る)
- お金(貸し出しをして、利息を得る)
- 特許権(特許を使ってもらう際に利益を得る)
お金を生み出してくれれば、有形・無形を問わずにそれは資産となるということを頭に入れておきましょう。
3. 資産形成の本当の意味
ここから、資産形成の本当の意味について説明します。
世間で資産形成という言葉は一般的になっていますが、今まで紹介した資産の定義をもとに、資産形成の本当の意味についてお伝えします。
資産形成とは、「お金を生み出す”モノ”を”増やす”」ことです。
例えば、一般的には家は資産と言われていますが、その家が収益を生まない限り、それは資産ではありません。
お金を生み出すということが重要なのです。
そして、どういった”モノ”を持つべきかという点について戦略を立て、実行することが資産形成のポイントです。
例えば、現金も株も資産です。こういった数多くの資産について考えを広げつつ、これから保有しようとするリスクとリターンを見極め、お金を生み出してくれるモノを積み上げていくこと。これこそが資産形成の本当の意味なのです。
高級な外車、高い家具などをいくらそろえた所で、それは「資産」とは言いませんので注意しましょう。
4. 資産形成で失敗しないために知っておくべき7つのポイント
ここから、資産形成で失敗しないために知っておくべきポイントについて一つずつお伝えします。
これらのポイントは、資産形成の本質論といえるかもしれません。どれも重要なことですので、しっかりと頭に入れるようにしましょう。
3-1. 資産の儲けの源泉が何なのかということをしっかりと理解する
これが一番重要なポイントです。
投資をするときは、ただ利回りを追求するのではなく、高い利回りである場合は「なぜ高い利回りを出すことが可能なのか」、という点をしっかりと意識するようにしましょう。
あなたの投資先は、少なくともあなたへのリターン以上の収入を得なければ儲けることができません。
だからこそ、しっかりと投資先が収益を上げることができるのかという点を意識して行動することが重要です。
例えば、以下のようなファンドがあったとします。
- 牧場のオーナーになるファンド
- 配当は3%。100万円出せば毎年3万円が貰える
- 元本はいつでも返還可能
- 過去20年間ずっと配当を出してきている
こういったファンドがあった場合、投資するでしょうか?過去20年間ずっと配当を出しているのであれば安全、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は、これは実際に存在していた「安愚楽牧場」というファンドの募集条件です。
安愚楽牧場が破綻した際、4,200億円もの資金が出資されていました。
ここで重要なことは、少なくも牧場経営に参加するのであれば、牧場経営の儲けの源泉をしっかりと考える必要があるのです。
しかし、現実としては、この投資の意思決定をした人で実際に酪農家として経営することについて調べた人はほとんどいなかったと予想されます。
常に疑った目で資産を吟味することが重要なのです。
4-2. あなたの強みが何かという点をしっかりと理解する
次に、あなたがこれから進めようとしている資産形成の方法が、あなたの強みと合致しているかどうかという点も意識するようにしましょう。
例えば、英語ができる人は日本株だけではなく、アメリカの株の研究をすることも良いかもしれません。「日本とアメリカ」という対比をすることによって、個別の銘柄の強みがよりはっきりと分かるかもしれないからです。
また、会計に詳しい人は、会社の決算書を徹底的に分析して株を買うという方針もあるでしょう。
さらに、人と関係を作ることが上手な人は、収益物件の購入が向いているかもしれません。良い物件を購入するためには、仲介会社と関係を作ることが必要不可欠だからです。
儲かりそう。という理由ではなく、自分の得意な分野を生かして投資をすることが重要と言えるでしょう。
4-3. 明確なルールを決めておく
資産形成をする際には、自分の中で明確なルールを決めておくことも極めて重要です。なぜなら、ルールを決めておかなければ、「感情」で判断をしてしまうからです。
とりわけ、株式投資においては、マクロ経済の動向で一時的に株価が大きく動くことが多々あります。その際に一喜一憂して取引をしてはいけないのです。
一般的な投資家の方の傾向として、株の値段が上がるとすぐに売却して利益確定を行い、値段が下がるとそのまま待ち続けるという傾向になりがちです。
また、不動産投資においては、時間をかけて物件を探しても中々買えない日々が続くと、何としても不動産を買いたいという気持ちがどんどん強くなってきます。
それが結果として、妥協した判断に繋がっていってしまうのです。
4-4. リスクとリターンのバランスを意識する
資産形成を進める際には、リスクとリターンのバランスを考えるという点を意識することも重要です。
極端な例としては、国債を購入すれば、最低の利率である0.05%が保証されます。国債はリスクゼロの資産とされていますから、何も考えなくても0.05%の利息を得ることができるのです。
他方、収益物件の購入であれば、努力を重ねれば利回り20%の物件を購入することも可能です。20%というのは0.05%の400倍です。
リスクをできるだけ減らしつつ、リターンを極大化する。常にこの点を意識して投資商品を吟味すると良いのではないかと思います。
運用資産 | リスク | 収益性 | 手間 |
国債 | ゼロ | 低い | かからない |
収益物件 | ミドルリスク | 高い | かかる |
4-5. 市場心理に流されない
資産形成においては、マーケットの雰囲気に流されないということも非常に重要です。
人は、盛り上がっているものに惹かれる傾向があります。
2011年頃、不動産投資の市場はあまり盛り上がっていませんでしたが、その後価格は上がり続けました。今では数多くの投資家の方が収益物件を購入しようとしていますが、2011年時点と比べると、その収益性は高いとは言えません。
また、リーマンショック後は資源国の通貨が大きく売られましたが、結局は数年後には為替レートは戻り、価値が下がったタイミングで仕込んだ投資家は大きな利益を得ました。
市場が注目している投資商品は需要家が多数いるため、既に高値である可能性が高いです。
常にリスクとリターンのバランスを取りながら投資するべき商品を見つけるようにしましょう。
4-6. 信頼できる専門家を見つける
これは非常に難しいことなのですが、本当に信頼することができる専門家を見つけることができると、資産運用の効率性が一気に高まります。
なぜなら、資産運用のプロは、それを本業としており、資産を作ることに対しての知識が豊富にあるからです。
だからこそ、資産運用のプロと繋がることができると、失敗の確率を大きく減らすことができるのです。
しかし、信頼できる専門家を見つけることは簡単ではありません。なぜなら、資産形成の知識やノウハウがない中では、信頼できるかどうかの判断を行うことができないからです。
そういった意味では、まずは自分で無理がない範囲で勉強を進めた上で、専門家を見極める目を養った上で進める必要があります。
4-7. ゴールを決めておく
最後に、資産運用の手を広げ過ぎず、しっかりとゴールを決めておくことが非常に重要です。
なぜなら、資産形成のゴールを決めておかないと、自分自身に歯止めがきかなくなってしまうのです。
投資を始めた際、いきなり自分の全財産を投じる人はほとんどいません。しかし、少額で投資を始めていき、その投資が成功して資産が増えると、更に大きな利益を求めてどんどん投資する金額が増えていってしまうのです。
どんどん元手を増やして投資をしていくということは、50%の確率で勝てるルーレットで、勝利した金額を全て次のルーレットに賭けるようなものと似ています。
投資で勝つためには、引き際をしっかりと把握しておくことが重要なのです。
5. 最後に
資産形成の本当の意味と、失敗を防ぐために知っておくべきポイントについてお伝えしました。
不動産投資を行うということは、資産形成を行うということに他なりません。
資産形成の意味について理解した後は、不動産投資を成功させるための考え方や、不動産投資を進める上で最低限必要な知識について勉強していくと良いでしょう。
不動産投資を成功させるための考え方を理解したい方は不動産投資を成功させるカギは考え方!成功者のマインドを身に付ける2つの鍵という記事を参考にして下さい。
また、不動産投資を進める上で最低限必要な知識を身に付けたい方は、不動産投資で最低限必要な知識は、レンタカーが全て教えてくれるという記事を参考にして下さい。
今回紹介したポイントをしっかりとおさえ、安全に、そして確実に資産を増やしていくようにしましょう。