楽待、健美家といった不動産投資のポータルサイトを見ていたら、なんとなく検討に値しそうな収益物件が見つかったが、具体的にどうやって検討を進めていけば良いか分からない。
しかし、不動産会社にいきなり聞いてしまうのも気が引けてしまう。
不動産業者と交渉をした数が少ない場合、物件の具体的な検討方法が難しいですよね。
そこで今回は、不動産投資のポータルサイトにおいて良さそうな収益物件が見つかった場合を想定し、そこから具体的にどうやって検討を進め、現地確認につなげていくのかという点について紹介させて頂きます。
現地確認の前段階の整理方法として活用いただければ幸いです。
- 目次
- 1. 候補物件の抽出
- 2. 積算価格を算出する
- 3. 積算価格から融資額を想定する
- 4. 賃料補正を行う
- 4-1. 延べ床面積から、1部屋あたりの面積を想定する
- 4-2. 賃貸ポータルサイトから、周辺物件の賃料を確認
- 4-3. 補正した賃料に基づいて利回りの補正を行う
- 5. ざっくりした収支計算を行う
- 5-1. ローン返済額の計算
- 5-2. 想定家賃収入計算
- 5-3. 収支を見極める
- 6. 場所を見極める
- 6-1. 駅からの距離
- 6-2. 今後の発展性や、施設の充実度
- 7. 付帯条件を見極める
- 7-1. 駐車場の有無
- 7-2. 浄化槽の有無
- 8. 想定外の負担の有無を見極める
- 8-1. 和室から洋室への変更
- 8-2. 雨漏り
- 9. その他知っておくと良い項目
- 9-1. 建ぺい率、容積率
- 9-2. 防火地域
- 10. 最後に
1. 候補物件の抽出
まずは候補となる物件を抽出しましょう。今回は健美家を見ていく中で何となく良さそうな物件が見つかった場合を想定していますが、自分の属性から購入できる物件の絞り込みを行いたい方は、融資条件を反映させつつ、物件を具体的に絞り込む3つの方法というコラムをご参照いただければと思います。
健美家のサイトを見ていく中で、以下の物件が見つかったと仮定しましょう。
平成18年と築浅のRCマンションです。駅から近く、外観もとてもきれいということから今回選ばせていただきました。
物件の抽出が完了したら、さっそく具体的な検討を進めていきましょう。
2. 積算価格を計算する
まずは、物件の積算価格を計算しましょう。なぜ積算価格を計算するのかというと、積算価格は融資額と密接に関連しているからです。
積算価格の意味と詳細な計算方法については、積算価格とは?積算価格の意味と計算方法を分かりやすく解説というコラムに記載させていただいておりますので、そちらを参考にしていただければと思います。
また、積算価格と融資額の関係について詳しく知りたい方は、不動産投資における積算価格の本質というコラムをご参照いただければと思います。
ご参考まで、この物件の積算価格を計算する為に必要な情報と簡単な計算結果を載せさせていただきますので、参考にしていただければと思います(以下青塗りの部分が積算価格の計算において必要な情報です)。
①土地の積算価格
土地の積算価格 = 496.6m2 x 37,000円(路線価) = 1,837万円
②建物の積算価格
建物の積算価格 = 38 / 47 x 330.24m2 x 24万円 = 6,400万円
上記にて、この不動産の積算価格は8,237万円となります。
3. 積算価格から融資額を想定する
次に、積算価格から融資額を想定しましょう。
今回検討している物件の積算価格は、土地1,837万円、建物6,400万円にて、合計8,237万円が積算価格となります。
ここから融資額を想定しましょう。
融資にあたりどれぐらいの掛目を入れるかは金融機関によって異なるので一概には言えないのですが、基本的には積算価格の6割~7割というのが金融機関の一般的な見解にて、今回は少し緩めに積算価格の70%が融資額と仮定しましょう。
この物件の融資額は以下の通りです。
8,237万円 x 70% = 5,766万円
物件価格が6,200万円ですので、約1割の頭金の拠出で物件を買うことができそうという結果を得ることができました。
他方、融資方針は金融機関によって大きく異なりますので、上記はあくまで一般論としての考え方であることに留意いただければと思います。
4. 賃料補正を行う
概算の融資可能額を計算したら、次に賃料補正を行っていきましょう。
賃料補正とは、ポータルサイトに掲載されている物件情報に基づく想定賃料を実際の市場賃料に引き直す作業のことを言います。
なぜこの作業を行う必要があるのかというと、不動産会社が設定する想定賃料は実態とかい離していることが多々あるからです。
そして、なぜかい離するのかというと、不動産会社は想定賃料を高めに設定することによって少しでも物件の利回りを上げようと考えている場合があるからです。
また、長期間居住している方がいる場合、その部屋の賃料は相場賃料よりも高いことが一般的ですので、そういった場合も賃料を補正する必要があります。
4-1. 延床面積から、1部屋あたりの面積を想定する
まずは、検討している物件の間取りを確認しましょう。ポータルサイトに掲載されている物件の中には、間取りが掲載されている物件もありますが、掲載されていなくても簡単に想定することができます。
その方法とは、建物の戸数と延床面積から大体の間取を計算するというものです。以下の画像をご覧ください。
この物件の場合、6戸で330m2ということから、1戸あたりの面積は330m2 / 6戸 = 55m2と、一戸あたり55m2と計算することができます。
また、戸数が掲載されていない場合であっても、写真からある程度部屋の数を数えることもできますので、概算で1部屋あたりの面積を計算するようにしましょう。
4-2. 賃貸ポータルサイトから、周辺物件の賃料を確認
対象物件の間取を確認することができたら、次に周辺物件の賃料を確認していきましょう。周辺物件の賃料の確認は大手賃貸ポータルサイトであればどのサイトを使っても良いのですが、今回は最大手であるSuumoを使って相場賃料を調べてみようと思います。
まず、インターネットで「秋葉区 賃貸 suumo」と検索してみましょう。荻島まで書くかどうかはその地域の広さにもよりますが、まずは対象不動産が存する市町村という広い範囲での相場を調べるという意味で、荻島までの特定は行わないことにします。
以下が検索結果です。【suumo】新潟市秋葉区の賃貸という欄をクリックしましょう。
すると、秋葉区の賃貸物件の情報が出てきます。秋葉区の賃貸物件は819件あることが分かりました。
次に間取りなどに応じた絞り込みを行います。絞り込みにおいては以下の3点を中心に部屋数をしぼっていきます。
- 部屋の面積
- 築年数
- 駅からの距離
ただし、駅からの距離が重要になるのは駅前が発展している都心部や地方都市が中心となりますので最寄り駅が閑散としている地域の場合は駅からの距離を気にする必要はありません。
地方の場合は新幹線が止まるような主要駅以外では駅からの距離が重要ではない可能性が高いため、今回は駅からの徒歩による絞り込みは行わないことにします。
上記にて、部屋の面積と築年数で絞り込みをかけていきましょう。suumoは検索結果の右の欄に検索条件を入力する欄がありますので、そこに条件を入力していきます。
今回は、占有面積を50m2~60m2、築年数を10年以内という形でしぼりこみを行いました。
上記でしぼり込みを行った検索結果がこちらです。819件から79件まで絞り込むことができました。
また、suumoでは基本的に建物ごとに検索結果が表示されますが、この場合家賃を比較しづらいですので、「部屋ごとに表示」に変更しましょう。
検索結果の中で、1ページ目(30物件)に表示される物件から最も安い賃料と最も高い賃料を抽出しました。
以下に結果を掲載させて頂きます。
上記において1番安い賃料の物件は2番目に安い物件の賃料と大きなかい離があるので、今回の検討において1番安い物件は除外します。
そして、2番目に安い物件の賃料は5.52万円(管理費込み)ですので、この賃料を下限としてイメージしましょう。
次に1ページ目に掲載された物件の中で一番高い賃料の物件2つを紹介させていただきます。
今回は2物件とも賃料は同額で、その額は5.85万円でした。一番安い賃料の5.52万円とも大きな差異はありませんでした。
ここから想定賃料を設定しましょう。ちなみに、1ページ目に記載されている物件から賃料を探した理由は、1ページ目に掲載されている物件は利用者の目につきやすく、入居を決めやすい賃料と考えることができるからです。
また、suumoで1番目のページに掲載できるほどの安い賃料でも経営できるのであれば、ゆとりをもって経営を行うことができることが想定できるからです。
今回は。1ページ目で一番高い賃料の物件が50m2であること、そしてその構造がアパートであることをふまえ、対象物件が55m2のRCというメリットを反映させて6.0万円であれば十分競争力がある物件と判断しました。
1ページ目に掲載されている物件の前後5%ほどの賃料であれば競争力はあると考えることができると思います。このあたりの賃料設定はあくまでも想定であり、実際には現地の管理会社と面談の上、イメージを更に固めていくことが必要です。
4-3. 補正した賃料に基づいて利回りの補正を行う
次に、補正した賃料に基づいて利回りの補正を行っていきましょう。
上記の検討にもとづき、1部屋あたり6万円として利回りを計算し直しましょう。
今回対象の物件は全部で6部屋ありますので、1か月あたりの家賃収入は6万円 x 6部屋 = 36万円。
1年間では36万円 x 12か月 = 432万円という数字が年間家賃収入になります。
ここから、修正後の利回りは432万円 / 6,200万円 = 6.75%となります。
5. ざっくりした収支計算を行う
融資額と適正利回りを計算することができたら、つぎに検討対象物件が本当に収支が回る物件かどうか確認していきましょう。
5-1. ローン返済額の計算
まずはローン返済額を計算していきましょう。融資期間は基本的に法定耐用年数から築年数を引いた期間となりますので、今回の検討対象の物件の融資期間は、47 – 9 = 38年となります。
現時点での住宅用の融資期間の最長はフラット35にもとづく35年ローンですので、今回も35年ローンを組成する場合を想定しましょう。
融資期間、融資金額、金利の3つの情報があれば月々の返済額を計算することができます。投資用不動産に対する金利は金融機関によって異なるのですが、今回は厳しめの数字である5%で計算をしてみようと思います。
計算はエクセルのPMTという関数を使うと簡単です。
エクセルのセルに以下の式を入力しましょう。
=pmt(金利,借入期間,借入額)/12
上記の数式をあてはめることによって月々の返済額を簡単に計算することができます。以下に画像をのせさせて頂きますので、参考にしていただければと思います。
上記の計算結果、月々の返済額は約29万円という結果を導きだすことができました。
以下リンク先にエクセルファイルを作成しましたので、違う条件でシミュレーションしてみたい方は活用いただければと思います。
5-2. 想定家賃収入計算
次に、想定される家賃収入額を計算していきましょう。具合的には、上記において計算した家賃に負荷をかけ、想定賃料収入を計算します。
毎月の家賃収入の金額は物件価格、利回りの2つの情報があれば計算が可能です。
今回の物件の場合、以下が月々の家賃収入額(満室想定)となります。
6,400万円 x 6.75% / 12か月 = 360,000円
上記の家賃に、空室率や諸経費を踏まえて負荷をかける必要があります。
負荷のかけ方は様々な方法があるのですが、今回は想定であり、詳細な検討は内見後に行えば良いので、概ね30%分ほどを経費として計上しましょう。
つまり、今回検討する物件の場合、想定賃料収入は以下の通り
360,000円 * 0.7 = 25.2万円となります。
5-3. 収支を見極める
上記から、この物件は収入25.2万円に対してローンの返済が29万円と、若干の持ち出しが生じてしまう物件であることが分かりました。
基本的には購入を検討することが難しそうな物件ですが、他の物件を比べた強みが多数見つかれば購入しても良い物件かもしれません。
そこで、更に検討を進めたいがその場合にどうやって進めていけば良いのかという点についてここから説明させていただきます。
6. 場所を見極める
ここから更に突っ込んだ検討を行っていきます。まずは対象物件の場所の見極めを行っていきましょう。不動産はその名の通り、「動かない資産」ですから、立地は極めて重要です。
そして、立地の見極めてにおいて重要なことは、その地域に住もうと考えている方の立場に立って考えていくということです。具体的な検討手順を順番に見ていきましょう。
6-1. 駅からの距離
まずは駅からの距離を確認していきましょう。
基本的には駅から近い物件の方が融資を組みやすい傾向がありますが、駅から近いと道路が狭くて利便性が引く場所もあり、一概には決めることができません。
駅から近い物件か遠い物件かを決める一つの指標になるのが駅前の発展状況です。
駅前に店が集積している場所であれば、駅から近い物件を選んだ方が良く、駅前が閑散としている場合は駅から遠い方が利回りを取ることが出来る物件を見つけやすいかもしれません。
今回の対象物件の最寄り駅(荻川駅)周辺の図を以下に記載させて頂きます。
飲食店などはほとんど見受けられませんので、駅前物件でなければいけないというわけではなさそうです。
6-2. 今後の発展性や、施設の充実度
次に町の発展性について検討していきましょう。具体的には、物件周辺の道路の交通量が多く、且つ大型ショッピングセンターがある場所かどうかを確認していきましょう。
まず道路の交通量が多いかを確認する理由なのですが、地方は移動の基本が車であることから、人の数=車の数と考えることができ、車が集まる場所=人気がある場所とみなすことができるという点が理由です。
車が集まる道路=生活の需要がある場所=今後店舗が建築されていく可能性が高い場所と考えることができますので、車通りを確認するようにしましょう。
この確認方法は実際に現地に訪問することが最も確実な方法ですが、検討する物件が遠方にある場合などは難しいと思いますので、google mapで対象不動産近くの幹線道路の密集具合を確認するようにしましょう。
以下は物件近くの幹線道路の写真です。あまり活気がない印象はいなめないですね。この点はマイナス評価となります。
また、大型ショッピングセンターが建設される場所は、その企業が今後の需要を見越して建設した場所ですので、ある程度将来性がある場所と判断することができます。
大型ショッピングセンターの有無もgoogle mapを活用すれば簡単に調べることが可能ですので、しっかりと調べてみるようにしましょう。
また、ショッピングセンターに加え、家から徒歩圏にコンビニがあること(シングル向け物件の場合)や、小学校・中学校があることも重要です(ファミリー向け物件の場合)。今回の物件周辺は以下の図の通り、スーパーとコンビニが近くにあることが分かりました。この点はプラス評価です。
その他、物件周辺の施設としてあると評価が上がる項目を記載させて頂きますので、ご参照いただければと思います。
- 高速道路の入り口
- 幹線道路
- 病院
- 図書館
- 市役所
7. 付帯条件を見極める
次に、付帯条件の見極めを進めていきましょう。ここでは賃貸経営に大きなインパクトがある項目を列挙させて頂きます。
7-1. 駐車場の有無
付帯設備で最も重要なのは駐車場の有無です。都心部であれば駐車場の需要がない地域もありますが、都心でも駐車場があれば誰かに貸すことはできますので、駐車場の有無はしっかりと確認するようにしましょう。
地方物件の場合、駐車場は必須です。地域によっては1世帯あたり駐車場を2台確保することによって物件の競争力を高めることができる場所もあります。
また、敷地内に駐車場がない場合でも近隣で駐車場を借りることができる場合もありますので、敷地内に駐車場がないからといって検討を終えてしまわないようにしましょう。
今回の物件の場合、google mapの地図から1世帯あたり2台の駐車場を確保することができそうですので、競争力がある物件といえそうです。
7-2. 浄化槽の有無
浄化槽があるかどうかという点も賃貸経営においては大きなインパクトがあります。浄化槽の詳細については別途コラムで紹介させていただければと思いますが、浄化槽は浄化槽法という法律により、年間1回の清掃が義務付けられており、その費用を確認する必要があります。
なお、浄化槽の清掃費用は10世帯ファミリー向けマンションの場合で約15万円です。保守的に考えると、年間20万円ほどの支出があると考えておくと良いでしょう。
浄化槽の有無はgoogle mapからは基本的に確認することができませんで、検討を進める中で仲介会社に確認するようにしましょう。
8. 想定外の負担の有無を見極める
不動産経営において想定外の支出はできるだけ避けたいですが、利回りが高い物件を求めると、購入後に想定していない費用が発生してしまうこともありますので注意が必要です。
ここからは具体的にどういった費用が発生する可能性があるのか、そしてその費用はいくらぐらいかかるのかという点についてお伝えさせて頂きます。
8-1. 和室から洋室への変更
今検討している物件が満室であり、空いている部屋がない場合、物件の間取や内装がどうなっているかわからないことがあります。
その中でも、大きな出費が発生してしまう可能性があるのが和室から洋室への変更です。
今の賃貸状況においては、和室は全くと言って良いほど需要がありませんので、今入居されている方の退去のタイミングで洋室への変更について検討しなければいけません。
6帖の和室の場合、洋室への変更は概ね10万円の費用が発生します。和室が2つある部屋の場合、20万円の出費が発生しますので、仲介会社経由で可能な限り間取りの情報を集めるようにしましょう。
8-2. 雨漏り
雨漏りは外見からだけでは判断がつかないことが多く、更に仲介会社でも外壁塗装の履歴や屋上防水工事の履歴に関する情報を持っていないことがあるため、万が一雨漏りが発生すると多額の費用が発生する可能性があります。
屋上防水工事の場合、シートを張り替えずに切れ目だけを補修するという応急処置を行えば費用は20~30万円で済みます。
また、外壁の塗装に関しては全体を塗りかえずとも、雨漏りの原因となる面だけを塗ることで対応することの可能ですが、その場合でもおおむね40~60万円の費用が発生してしまいます。
これらの費用を絞りだすことができないと雨漏りを防ぐことができず、建物が急速に劣化してしまうことも考えられますので、最低でも100万円は常に現金を持っておく、または銀行からのローン枠を確保しておくようにしましょう。
9. その他知っておくと良い項目
ここで紹介させて頂く項目は知らなくても不動産の購入に影響を及ぼすものではありませんが、売却のタイミングで影響を与えるものがありますので、出口戦略も踏まえた上で物件の購入を考えている方は確認されると良いと思います。
9-1. 建ぺい率、容積率
建ぺい率、容積率は敷地面積に対してどれほどの大きさの家を建てることができるかとう指標として活用されます。
具体的には、敷地面積に対して建物を広げてよい広さを示したのが建ぺい率、敷地面積に対してどれだけの総延べ床面積の建築物を作って良いのかを示したのが容積率です。
建ぺい率、容積率が低い物件である場合、土地の上に建築する建物の用途が限られてしまうことから、土地の売値が下がってしまう傾向があります。
基本的に敷地の上に建っている建物と同じ規模の建物であれば建築することが可能ですので、特段気にする必要はありませんが、今の建物が建ぺい率・容積率を有効に使っていないため、売却時に思ったよりも安く売らざるをえない場合も考えられますので、頭の片隅に置いておくようにしましょう。
9-2. 防火地域
一般的に不動産を購入する場合、防火地域かどうかはあまり気にしないと思いますが、出口戦略として更地にして売買することを想定する場合、防火地域かどうかは売値に大きな影響を及ぼします。
なぜなら、防火地域で建物を建築する場合、建物に追加費用が発生するからです。
特に木造物件の場合、耐火建築物にすることによって軽量鉄骨造にする場合と同じほどのコストアップ(1m2あたり2万円)が発生する場合もありますので、防火地域かどうかも確認しておくと良いでしょう。
他方、建て替え前提ではなく、オーナーチェンジ物件の場合、買手は防火地域かどうかあまり気にしませんので、特に気にする必要はないでしょう。
10. 最後に
今回ご紹介させて頂いた方法を実践いただければ、購入可能な物件を具体的に絞り込んでいくことができるようになります。本当に内見に価するような物件に巡りあえたら、仲介会社に連絡の上、実際に現地を見てみるとよいでしょう。
他方、今回ご紹介させていただいた方法はあくまでも一般的な情報ですので、更に突っ込んだ検討を進めたいと考えている方は、不動産業者経由で情報を集めていくと良いでしょう。
情報を集めていくと、不動産投資に強い金融機関、地方に強い金融機関、意外とねらい目な場所など、優良物件獲得のために必要な情報が集まっていきます。
対象となる物件の選定と情報集めを同時に進め、優良な物件を手に入れることができるようにしましょう。