• 【不動産投資で保有中の収益物件を公開】概要と購入を決めたポイント5つ – 売主のミカタ

    【不動産投資で保有中の収益物件を公開】概要と購入を決めたポイント5つ

    ポイント

    これから投資用の不動産を購入しようと考えている方は、どういった基準で物件の購入を決めたのか、他の人の例を知りたいという方も多いのではないかと思います。

    不動産を購入する際に検討する項目は構造や立地によって異なりますが、大きな軸として検討するべき項目は同じです。

    そこで今回は、投資用不動産の購入を検討されている方向けに、私が実際に購入した物件の概要と、なぜこの物件を購入したのか、そのポイントについてお伝えさせていただきます。

    1. 購入した物件を紹介

    まずは私が現在保有している物件の情報についてお伝えさせて頂きます。

    項目 概要
    住所 群馬県前橋市
    価格 2,200万円
    融資額 1,950万円
    満室賃料収入 372万円/年
    利回り 16.9%
    購入時入居率 7/9
    構造 重量鉄骨造
    間取り 2DK x 9部屋
    築年数 25年
    融資期間 15年
    月々返済額 14.7万円
    土地面積 543m2
    建物面積 379m2

    購入した物件の間取りは以下の通りです。

    対象物件の間取

    2DKの間取りですが、脱衣所がしっかりと設置されており、将来的には台所と和室をぶちぬいたリフォームもできますので、入居者から敬遠されづらい間取りです。

    なお、入居者に敬遠されがちな間取りについて理解したい方は、入居希望者に敬遠される間取10個を紹介というコラムをご参照いただければと思います。

    物件の外観は以下の通りです。

    物件外観

    築25年ということもあり、やはり古い印象は否めません。

    2. 購入を決めたポイント

    ここから、なぜ私がこの物件を購入するという決断をしたのか。そのポイントについてまとめまさせていただきましたので、順番にご紹介させていただきます。

    2-1. 利回りが高いこと

    収益性のイメージ

    まずは何といっても利回りの高さです。満室時の利回りは約15%と非常に高い利回りでした。当時私は利回り13%以上の物件を探していましたので、見つけた瞬間、非常に収益性が高い物件だと感じました。

    この物件は投資At homeに掲載されていたのですが、掲載している仲介会社とは面識がありましたので、即日担当者と話を行い、その週末に内見に行きました。

    そして、この物件は当初2,500万円で売りに出されていたのですが、指値を行い、結果としては2,200万円で物件を購入することができました。指値によって、利回りも15%から約17%と約2%上がったのです。

    物件の購入を検討する際、第一段階として利回りで物件を絞り込むことは非常に大切です。なぜなら、投資事業の本質は収益性であり、いくら都心の物件であっても、利回りが低ければ投資事業としての意味が薄れてしまうからです。

    特に不動産の場合は物件への愛着が湧きやすく、自分の判断軸もぶれてしまいがちですので、基準がぶれないように注意する必要があります。不動産投資を進めるにあたって具体的にどういった点を気を付ける必要があるのかという点に関しては、1棟目の収益物件購入前に陥りがちな罠とは?というコラムをご参照いただければと思います。

    2-2. 返済額とのバランスが良いこと

    返済額のバランスのイメージ

    利回りが高い不動産は築年数が古い場合が多く、築年数が古い不動産は融資を付けることが難しいですので、利回りを見たあとはどういった条件でローンを組めるのかと検討を行う必要があります。

    なお、不動産の構造と融資期間の関係について詳しく知りたい方は、融資条件を反映させつつ、物件を具体的に絞り込む3つの方法というコラムをご参照下さい。

    今回購入した物件の構造は重量鉄骨造であり、築年数は25年でした。重量鉄骨の法定耐用年数34年から逆算すると、9年しか融資を組むことができません。

    9年融資ではさすがに毎月の収支が厳しくなると思い、複数の金融機関に当たっていたのですが、結果としては15年の融資を組んでくれる金融機関が見つかりました。

    結果として、最終的な融資額は1,950万円、金利は4.5%となり、月々の返済額は15万円弱にまで抑えることができました。

    この物件の満室の場合の家賃収入は約31万円ですから、返済額に対して十分に競争力があると判断しました。

    また、融資条件の確認を行うと同時に、仲介会社が想定している家賃が適正な家賃かどうかという点も合わせて確認を行いました。家賃が適正かどうか確認する方法に関しては、収益物件の現地確認前にチェックしておきたい9のポイントというコラムをご参照いただければと思います。

    2-3. 立地が良いこと(客付けが容易なこと)

    立地のイメージ

    収入と支出のバランスを確認したら、次に対象物件周辺の地域の確認を行います。不動産はその名の通り、動かない資産ですので、立地は極めて重要です。

    まずは対象物件がある「前橋市昭和町」と前橋駅の位置関係について示した以下の地図をご参照下さい。

    前橋市昭和町の地図

    前橋駅から昭和町からは徒歩で30分ほどかかる場所にあり、駅から徒歩圏ではありません。

    この点についてはデメリットのようにも見えるのですが、駅前が重要かどうか判断するため、前橋市についてWikipediaで調べてみました。

    すると、県庁所在地の中で1日あたりの乗降人数が最も少なく、中心市街地は駅から離れていることが分かりました。

    すなわち、この情報から前橋駅は駅前の環境があまり重視されてないことが予想できます。

    駅前という立地があまり重要ではないという点を確認した上で、物件周辺にどういった施設があるのかという点について確認していきました。

    上記の地図を更に拡大した昭和町周辺の地図をご覧ください。

    昭和町の地図

    上記の地図を見ていただくと、小学校病院といった施設に加え、ショッピングセンターレストランがあることが分かります。

    生活する上で必要な施設が集まっているということは、人が住みやすい地域と言うことができますので、昭和町周辺は生活環境が良い地域と考えることができます。

    ここまでの検討で、返済条件に加えて立地も良いことが分かりました。利回り・返済条件・立地の3点が良い場合、ほぼ購入しても問題ない物件と判断することができますが、失敗の可能性を下げるため、もう少し検討を進めていくことにしましょう。

    2-4. 出口戦略の優位性

    出口戦略のイメージ

    上記2-2において、この物件は本来の法廷耐用年数34年を前提とした融資ではなく、それよりも緩い条件で融資を組成することができたということをお伝えさせていただきました。

    これは、保有中は良いのですが、逆の見方をすると、売却する際には買手が長期間の融資を組成することが難しいことを意味します。

    つまり、物件を購入した後、最終的に投資家の方に売却することができないことも覚悟しなければいけないのです。

    投資家に売却することができない場合、基本的には更地にしてディベロッパーに売却するか、戸建用地としてマイホームを建てようとする方に売却するという選択肢が考えられます。

    この場合に注意するべき点は、購入を検討している土地が、戸建用地として売却する際、きれいに土地を分けることができるかという点です。

    一棟のマンション用地はマイホームを建てるには大きすぎますので、どうしても土地を分ける(分筆)する必要が出てきます。

    その際、きれいに分筆できないと売却価格が下がってしまうということにもなりかねないのです。

    ではどういった土地が良いのでしょうか。ここから具体的に3つのパターンを紹介させていただきます。

    ①道路に対し、長い辺が接している長方形の土地

    道路に対し、長い辺が接している長方形の土地の場合、きれいに分けることができますので、土地の価値は下がりません。

    長辺が道路に面している土地

    ②道路に対し、短い面が接している長方形の土地

    道路に対し、短い辺が接している長方形の土地の場合、一つの土地が旗のような形(旗竿地と言います)になってしまいますので、土地の価値が下がってしまいます。

    旗竿地は、きれいな長方形の土地と比べてその価値がおおむね7割になると言われています。

    短い辺が道路に接している土地

    ③旗の形をしている土地(旗竿地)

    最後は分筆前の土地が旗の形をしている土地(旗竿地)です。建築基準法上、土地は道路に2m以上接している必要がありますので、旗竿地を道路にそれぞれが接する形で2つに区切ることは物理的に難しく、土地を有効に活用することができません。

    マイホームを購入しようとする方はマンション用の土地では広すぎますので、こういった場合は土地の買手が少なくなり、価格が下がってしまいます。

    旗竿地

    実は私が購入した土地は、実際にこの旗竿地であり、土地として売却する際には分筆することが非常に困難です。

    ただし、下記2-5.で紹介させていただく「土地の価値」がある程度高かったことから、購入を決めました。

    2-5. 固定資産税評価額との関係

    土地評価のイメージ

    最後は固定資産税評価額と物件価格の関係を確認します。

    厳密には、固定資産税評価額の中でも土地の評価額に着目します。なぜなら、固定資産税評価額における土地の値段はおおむね時価の7割と言われており、土地の評価額を見ることによって、その土地がいくらで売れるのかということを概算で計算することができるからです。

    時価と固定資産税評価額

    つまり、固定資産税評価額が分かれば土地の時価を計算することができるのです。

    本物件の固定資産税評価額の詳細につきましては、以下の図をご参照下さい。

    固定資産税評価額明細

    この図から、土地の固定資産税評価額が約1,800万円ということが分かります。つまり、対象となる不動産の土地の時価は約2,600万円となるのです。

    建物の解体費を含めても収支が合うと考え、購入することを決定しました。

    固定資産税評価額の計算方法について詳しく知りたい方は、固定資産税評価額の計算方法をわかりやすく解説というコラムをご参照いただければと思います。

    3. 最後に

    私が購入した物件と購入を決めたポイントについてお伝えさせていただきました。私が物件の購入を検討する際には、基本的にはこの手順に沿って物件購入の判断を行っています。

    全ての物件において上記の手が当てはまるか分かりませんが、大きなポイントは変わりませんので、このコラムを参照にしていただきつつ、物件を探していただければ幸いです。

    この記事を書いた人:大橋亮太

    三井物産株式会社で約7年働いた後、2015年に株式会社ムーブウィルを設立。両手仲介への違和感から買側の仲介に入ることを止め、売主側の味方だけをするサイト「売主の味方」を立ち上げる。

    ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士

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