収益を最大化するには築何年の物件を購入するべきなのか?

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築古の家

収益物件を探していると、新築物件が良い、築古物件が良い、都心物件が良い、地方物件が良い。と、本当に様々な見解が述べられています。

それぞれの投資においてメリットもあればデメリットもあるのですが、築古か築浅かはほとんど全ての物件にあてはまる投資判断上の重要指標です。

そこで今回は、築年数の観点から築何年のマンションを購入すると収益を最大化できるのかという点を統計上のデータと共にお伝えさせてただければと思います。

目次

1. 物件価格の推移を知る

検討の前提として、まずは不動産の価格の推移を見ていきましょう。

中古マンションの築年数別の平均価格をまとめた以下のグラフをご覧ください。
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出典:三井住友トラストHP

上記を見ると、不動産の価格は築20年ぐらいまでは規則的に下がっていますが、築20年あたりからそのカーブが緩やかになっているのがわかると思います。

そして、この傾向は東京都のみならず、大阪府、愛知県でも見受けられます。 つまり、このグラフを見る限り、築20年あたりの物件を購入することが最も効率が良いような感じがします

では、なぜこのようなカーブを描くのでしょうか? 本当に築20年のマンションが良いのかという点について検証するため、このカーブ意味しているものについて考えてみましょう。

2. グラフが何を意味するか検証

客観的な検証を行うべく、原理原則に立ち返って考えてみます。不動産の評価における原理原則である不動産鑑定評価基準を参考にしながら、築20年後の動きがなぜその前と異なるのかかという点について考えてみましょう。

不動産鑑定評価基準の第3章には、以下のような記載があります。 (分かりやすくするために若干文言を変えています。)

不動産の価格は、市場参加者の観点から明確に把握することが重要。

不動産の価格は市場参加者が決めているので、市場参加者が重視している点を反映させた上で物件の価格を決めるべきということです。

具体例で考えてみましょう。 田園調布にある一戸建ての住宅は、会社の経営者や高額の所得を得ているサラリーマンが主な市場参加者になるでしょう。そして、その価格は、購入者(市場参加者)が重視する田園調布というブランド価値が上乗せされた上で決定されます。

一方で、都心の高層ビルを考えてみましょう。高層ビルの購入を検討するのは、ファンドや土地開発を行うディベロッパーが想定されます。そして、その価格はファンドやディベロッパーが採算を確保できる金額(収益性が十分に加味された金額)がベースとなるはずです。

さて、今回のケースで検討するのは、築年数の異なる物件においてどのタイミングの物件を購入するかという点ですが、築20年より若い場合と築20年以降において価格の動きが2極化されていた状況を踏まえ、「新築」と「築古」という2つのカテゴリーに分け、それぞれの市場参加者が誰になるのか考えてみようと思います。

今回のグラフはマンションの価格の推移を示したものですので、それを前提として話をさせていただきます。

2-1. 新築物件における需要者を考える

まずは「新築」です。新築マンションの典型的な需要者は恐らく実需を前提としたサラリーマンが考えられます。

ディベロッパーはマンションの需要者ではなく、マンションの販売者側ですからマンションの需要者にはなり得ません。

2-2. 中古物件における需要者を考える

次に、中古の物件について考えてみましょう。築20年を超えた物件の購入者は、実需を前提とした方よりも、投資家の方が多いということは何となく想像できるのではないかと思います。

なぜ実需を前提とした需要者が新築好きなのかという点は日本人は本当に新築好きなのか?今後の市場動向と共に検証というコラムでご紹介させて頂いておりますので、宜しければご参照下さい。

2-3. 検討から考えられる結論

さて、ここで一つの結論が導き出されました。

その結論とは、新築と築古では対象となる市場参加者が違うということです。

では、市場参加者が異なった場合に不動産の価格はどうなるのでしょうか

不動産の価格は市場参加者が重視する点を踏まえて決定されるべきですので、それぞれの需要者がどういった点に着目するかを考えていきましょう。

3. 需要者の嗜好を考える

早速市場の需要者がどういった点を重視しているか考えていきましょう。

3-1. 新築物件購入者が重視すること

まずは、新築物件の購入者です。新築物件の購入者は、積算価格を重視する傾向があります。いわゆる資産性というものですね。

土地の価格と建物の価格を足して物件価格を算出するというものです。 サラリーマンの方でこれから不動産を買おうとする方は、収益性(購入した物件を賃貸に出したらいくら儲かるのか)は重要視しませんね。

最新のオール電化がついてる!とか、駅から徒歩10分とか、近くにスーパーがある!といった点が重視されます。収益性よりも居住の快適性・利便性が重視されるわけです。

3-2. 中古物件購入者が重視すること

次に、中古物件購入者が重視することです。中古物件の主たる需要者は前述の通り投資家ですが、冷淡な言い方をしてしまえば、中古物件を購入する投資家は、家の利便性・快適性などはどうでも良いと考えます。彼らにとって重要なのは収益性です。そして、収益性に基づいて計算された不動産価格のことを収益価格と言います。

すなわち、物件価格に対してどれだけの家賃収入を得られるかということです。

収益価格について理解を深めたい方は、収益価格とは何なのか?そのポイントを分かりやすく解説というコラムをご参照いただければと思います。

3-3. 考えられる結論

このように、新築と築古では市場参加者が全く違い、重要視する点も全くと言って良いほど異なるということが分かりました。 ここから、この市場参加者の違いが初めに掲載したグラフにおける築20年前と築20年後の違うを生み出していると考えられるのではないでしょうか?

すなわち、築浅では実需を前提とする方が重視する積算価格が、築古では投資家が重視する収益価格が重視される。そして、概ね築20年あたりから投資家の投資対象の範囲内に入るぐらいの収益性を確保することができるため、築20年を超えると物件価格の下落が緩やかになっていく。と考えることができるのではないかと思っています。

ちなみに、資産性に基づいて不動産を購入した場合、その価値の落ち方は簡単に計算できます。建物は基本的に法定耐用年数に基づいて償却させていくからです。 木造であれば22年にわたって、鉄骨鉄筋コンクリートであれば47年にわたって償却させていくことになります。

一方で、築古の物件の場合、築20年でも25年でも、投資家は利回りが合えばその物件を購入します。そして、物件に対する融資の期間も築20年だと限られてくるので、築年数が違うことによる資金調達の障壁はあまり大きくなく、かつ築20年を超える物件の場合はそれまでのメンテナンスによっても物件の価値が大きくことなることから、数多くの不動産から統計を取った場合、おのずとあまり振れ幅がない数値におちいっていくのではないかと思います。

そして、築5年といった物件であれば、まだ投資家目線では高い物件がほとんどであり、かつサラリーマン世帯でもまだ購入の視野に入る物件であることから、減価償却に基づいて物件の価格が毎年規則的に減っていくのだと思います。

そうすると、築10年や築15年の物件はどうなのかということになりますが、これは投資家が買える価格と資産として保有している持ち主のバランスによってきまってくるのだろうと考えています。

結果、20年ぐらいたつと投資家目線にあう値段になってくることから、そこからは値下がりしない。という結論が導かれるのではないかと思うのです。

4. 投資の観点から狙うべき物件

上記より、収益性を担保するという観点から考えると、築古の物件を購入した方が良いという結論が導かれました。

一方で、新築物件には新築物件なりの良さがあることも事実です。(最新の設備を最大限活用できるのは新築の良さですよね)、また、長期にわたって居住することが明らかな場合は、 新築を購入されても良いのではないかと思います。

賃貸か持家か、どちらが得かという点を深く理解したい方は賃貸か持家か、どちらが得かを徹底的に検証というコラムをご参照ください。

5. 最後に

グラフの通り、築20年前後の物件を購入することが投資の観点では良いということが分かりました。

今後不動産投資を行う際の一助となれば幸いです。

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