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    【失敗を防ぐ】不動産投資の失敗パターン5つを詳細に解説

    チェスの駒

    不動産投資をこれから進めていこうと考えているが、失敗はしたくない。

    できるだけ安全に不動産投資を進めていきたい。こういった考えを持つ方も多いのではないでしょうか?

    不動産投資は実際にやってみなければ分からないことも多いですが、実際に不動産投資を行って失敗してしまった実例を学ぶことによって、未然に失敗を防ぐことは可能です。

    そこで今回は、不動産投資における失敗例をご紹介させていただきます。

    1. 不動産投資における失敗とは?

    まずはじめに、不動産投資における失敗がどういったことなのかということについて簡単に整理していきましょう。

    結論からお伝えさせていただくと、不動産投資における失敗とは、「物件売却時に投下した資本額以上のキャッシュが手元に残っていないこと」です。以下に簡単に図を載せましたので参考にしていただければと思います。

    投資事業失敗のイメージ

    ここから、上記の背景について簡単に説明させていただきます。

    不動産投資というのは、投資を事業として行うものです。つまり、投資活動にほかならないわけです。

    そして、投資活動において失敗したかどうかというのは、一般的には投下した資本額以上のキャッシュを回収できたかどうか、という点がポイントになってきます。

    不動産において資本を回収する瞬間というのは、物件を売却したタイミングに他ならないわけですから、不動産投資に失敗かどうかの判断は、物件を売却した際、手元に元々の資本以上の金額が残っていたかどうか、によって判断を行うものとなるのです。

    2. 失敗してしまうパターンを紹介

    ここから、実際に不動産投資を行って失敗してしまうパターンについてご紹介をさせていただきます。

    ここで紹介させていただく内容を把握していただければ、あなたが物件を購入する際の失敗確率を大きく下げることができるでしょう。

    すべての失敗パターンについてしっかりと学んでいただければと思います。

    3. 家賃保証付き物件を購入した場合

    まずは、家賃保証付き物件を購入した場合が考えられます。ここで、家賃保証が付いている物件すべてが失敗につながるという訳ではありませんので、その点は意識していただければと思います。

    家賃保証付き物件を購入する場合には必ず確認しなければいけないことがあり、この確認を怠ると失敗する確率がとても高まるのです。

    ここから、家賃保証が具体的にどういったものなのかという点について説明の上、家賃保証付き物件を購入する際に気を付けなければいけない点についてお話をさせていただきます。

    3-1. 家賃保証とは?

    まずは、家賃保証が何なのかという点について簡単に説明をさせていただきます。家賃保証とは、入居者がいてもいなくても、家賃保証会社が一定額の賃料をオーナーに払ってくれることを言います。一定額で支払うことを「保証」するので、家賃保証と言われています。以下に簡単に図にまとめさせていただきましたので、参考にしていただければと思います。

    家賃保証のイメージ

    3-2. 家賃保証で確認しておくべき点

    ここから、家賃保証契約を結ぶ上で必ず確認しておかなければいけない点についてお伝えさせていただきます。

    家賃保証契約で確認しておくべき点、それは「家賃保証の見直し条項」をしっかりと確認することです。

    家賃保証というのが具体的に何を保証するのかというと、「金額」と「期間」の2つです。

    家賃保証契約で気を付けるべきポイント

    例えば、「今回の契約では毎月50万円を10年間保証します。」というようなイメージです。

    3-3. 具体的な文言を紹介

    ここで、実際に契約書にどういった記載がされるのかという点についてご紹介させていただこうと思います。

    「本契約の保障賃料に関しては、2年毎に見直しを行うものとする。そして、見直しの結果合意できない場合、本契約は解除できるものとする。」

    上記のような文言が入っている場合、例え契約期間が10年間だったとしても、実質的には2年契約となりますので注意しなければいけません。

    3-4. 特に気を付けるべき物件

    家賃保証に関し、最後に気を付けるべき物件の種類についてお伝えさせていただきます。

    家賃保証で特に注意するべきなのは、新築物件を購入する場合です。

    日本では 新築物件の場合、賃料にプレミアムが付くことが一般的です。

    新築物件の場合と築年数がたっている物件の賃料下落のイメージを作りましたので以下参考にしていただければと思います(数字はあくまでも例です。)

    賃料下落のイメージ

    つまり、新築時に設定されている賃料はプレミアムが乗った賃料であり、一回退去が出たタイミングで賃料を下げざるを得なくなってしまうことが多いのです。

    そうなると、保証会社から保証額の変更の交渉が入る可能性が非常に高くなってしまい、結果として賃料を下げざるをえなくなってしまいますので注意するようにしましょう。

    4. 減価償却のメリットを生かすために購入した場合

    次に減価償却のメリットを生かすために物件を購入する場合ということが考えられます。

    不動産投資節税対策のメリットの一つとして減価償却の制度を活用することができるということが挙げられます。

    この内容については別途【徹底検証】サラリーマンの節税対策、マンション投資のリスクと節税対策の本質というコラムで説明させていただいておりますので、細かい解説については上記のコラムを参考にしていただければと思いますが、簡単に内容について説明をさせていただきます。

    4-1. 減価償却の本質

    減価償却費は、費用として収入からその額を引くことができますが、不動産単体の収支で考えるのであれば最終的なキャッシュの手残り額は、「いつ」「どうやって」減価償却を行っても同じになります。

    一般的に言われる節税対策とは、不動産収入以外に収入があり、その収入を減価償却費で削ることができるという部分に意味があるのです。

    つまり、本業の収入がない前提においては、減価償却費は実質的な利益には貢献してくれないのです。

    利益に貢献しないにもかかわらず、減価償却のメリットだけを考えて購入するというのは、本来の投資事業の本質からずれてしまっている判断ということができるでしょう。

    すなわち、減価償却を目的として不動産を購入するということは本質からずれた判断であり、失敗する可能性が高い行動と言えるでしょう。

    減価償却の本質

    納める税金の金額を減らすことは重要ですが、そのために儲からない不動産を購入したのでは意味がありません。あくまでも収益性が重要であることをしっかりと認識しましょう。

    5. 入居がつかない物件を購入した場合

    次に、入居がつかない物件を購入する場合ということが考えられます。入居が付かない物件といっても具体的な例がないとイメージが湧かないと思いますので、入居がつかない物件はどういった物件なのかという事に関して簡単に説明をさせていただきます。

    5-1. 人が住まない地域の物件

    まず人が住まない地域の物件ということが考えられます。

    人が住まない地域とは、最低限の生活インフラが整っていない地域のことを言います。

    一部の地域ではすでに過疎化が進んでおり、自治体として最低限必要なサービスを提供することが困難になっている地域も見受けられますが、今後人口の減少に伴って、更にこういった地域が増えていくでしょう。

    インフラが整っている地域の重要性

    また、安倍政権が掲げている政策でもコンパクトシティ化があげられており、人口が多い地域に人が集まるという流れはこれからも続いていくでしょう。

    個人的には、最低限の生活インフラを今後長期にわたって維持できる最低限の人口規模として、10万人は必要だと考えています。つまり、人口が極端に少ない地域の物件の購入はきわめて慎重になった方が良いでしょう。

    5-2. 地域の需給に合わない間取りの物件

    次に、地域の需給に合わない物件の間取りが考えられます。これは基本的にはワンルーム物件を購入する場合に注意しなければいけないポイントです。

    バブルの時代には人口がどんどん増えていったという背景もあり、同じようなワンルームの物件が数多く建築されました。

    数が多いということは、単純に需要が多いということです。需要が多い分、それに対応することができる供給がない場合はおのずと入居が決まりません。

    需給が一致しない地域のイメージ

    また、地方物件の場合は基本的には自動車社会ですので、駐車場がないような物件の場合は入居がかなり難しくなるということも考えられます。

    6. 超長期融資で物件を購入した場合

    次に、長期融資で物件を購入した場合があげられます。

    長期融資といっても、どれぐらいの期間になってくると超長期と呼ぶのか。背景を含めて今回は説明をさせていただきます。

    融資期間が適正化どうかを判断する分かりやすい指標としては、物件価格の下落ペースが挙げられます。つまり、借金の返済のペースが物件価格の下落ペースよりも早ければ安全、遅ければ危険とする考え方です。

    6-1. 物件価格の下落ペースを紹介

    そこで、物件の価格が下がっていくペースについて見ていきましょう。

    物件価格の推移について調べられた以下のグラフをご覧ください。

    物件価格の推移

    出典:三井住友トラスト不動産

    このグラフにおける毎年の物件価格の下落率を簡単に整理しました。

    期間 下落率
    築1年~築20年 2.13%/年
    築1年~築39年 1.32%/年

    築浅の段階では下落率が一年あたり2%ですので、50年の融資を組むことができれば問題ないと考える方もいるかもしれませんが、実際にローンを組む場合は元利均等でローンを組成する場合が多く、元利均等の場合、はじめのうちは残債があまり減っていかないので注意する必要があります。

    例えば、40年ローン、金利1%の場合、1年目で減る借金の金額は、元本の2.05%です。

    金利を0.5%上げ、1.5%とした場合、1年目で減る借金の額は元本の1.84%です。

    これから不動産への融資がさらに緩くなり、40年という期間で融資を組むことができたとしても、逆ざや(借金よりも物件価格の下落ペースの方が激しい)になってしまう可能性が高いですので、注意するようにしましょう。

    7. 融資の組成が難しい物件を購入した場合

    次に、融資の組成が難しい物件を購入した場合というのが挙げられます。

    契約上売り抜くのが難しい物件とは、具体的にどういった物件なのでしょうか?その特徴について順番にお伝えさせていただこうと思います。

    7-1. 築古の物件

    日本では物件ごとに税法上の耐用年数が決まっており、基本的に銀行はこの耐用年数以上の期間の融資をしてくれません。

    ここで、構造別の耐用年数を紹介させていただきますので、参考にしていただければと思います。

    構造 耐用年数
    木造 22年
    軽量鉄骨 27年
    重量鉄骨 34年
    RC 47年

    マーケットが良いタイミングでは、銀行は法定耐用年数を超えて融資をする場合があります。この場合、同じマーケットが続いて融資をする銀行があれば良いのですが、一度銀行が融資姿勢を変えるとたちまち物件に融資がつかなくなってしまい、物件価格が下がっていってしまうということが挙げられます。

    7-2. 再建築不可の物件

    次に、再建築不可物件の場合について説明します。再建築不可物件というのは、その名の通り建物を建てることができない土地を意味します。

    建物を建てることができない土地は用途が非常に限られてしまいますので、銀行は基本的に再建築不可物件は担保価値があるとみなしません。

    再建築不可

    担保価値がないということは、融資を組成することが難しいと言えますので、結果として物件を売却することが困難になってしまうのです。

    他方、再建築不可物件でも建築が可能になる場合があります。その詳細については別途コラムで紹介させていただきます。

    7-3. 借地権の物件

    対象とする不動産の土地が借地権である場合も売り抜くことが難しいといえるでしょう。

    借地権とは何なのかということについて詳しく知りたい方は、わかりづらい借地権の種類・特徴をスッキリと解説というコラムを参考にしていただければと思います。

    また、借地権物件の融資について詳しく知りたい方は、次の物件の融資は大丈夫?借地権物件購入前に知っておくべきこと、というコラムを参考にしていただければと思います。

    借地権物件

    借地権の評価については上記のコラムに書かせていただいておりますが、簡単に説明させていただくと、借地権の場合は再建築不可物件と同様、銀行がその価値を評価してくれない場合がほとんどですので、結果として融資を組むことができず、売りぬ抜くことが難しい物件になってしまうのです。

    7-4. 持分が複雑な物件

    持分関係が複雑な物件も融資が付きづらいですので、売りぬくことが難しいということができるでしょう。

    共有持分の物件

    持ち分関係が複雑な場合の具体例としては、土地の持ち主が夫婦で1:1の割合で保有している場合などです。物件を購入する際に双方の持ち分を買い取ることができれば普通の土地として扱うことが可能なのですが、どちらかが売却に反対した場合、反対した人の土地を買うことができなくなってしまいます。

    そして、買い取ることができない土地は「借地」という形で持ち主から土地を使う権利を借りなければいけませんので、結果として銀行の評価を得ることが難しく、売りぬくことが難しい物件になってしまうのです。

    7-5. 建ぺい率、容積率をオーバーしている物件

    建ぺい率、容積率をオーバーしている物件の場合も、基本的に銀行は融資を行うことが難しいですので、売却することが難しい物件と言えます。

    8. 最後に

    不動産投資における失敗のパターンについてお伝えさせていただきました。今回ご紹介させていただいた内容を踏まえて物件を探していけば、失敗の確率を大きく下げることができるでしょう。

    最終的には物件を個別に検討することが重要になってきますが、まずは大きなイメージで危険な物件の選別を行うようにしましょう。

    この記事を書いた人:大橋亮太

    三井物産株式会社で約7年働いた後、2015年に株式会社ムーブウィルを設立。両手仲介への違和感から買側の仲介に入ることを止め、売主側の味方だけをするサイト「売主の味方」を立ち上げる。

    ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士

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