• 【仲介手数料は簿価に含める?】収益物件購入時の経費・資本計上の区分を詳細に解説 – 売主のミカタ

    【仲介手数料は簿価に含める?】収益物件購入時の経費・資本計上の区分を詳細に解説

    積み上げられた石(資本計上のイメージ)

    収益物件(事業用不動産)を購入した場合、所得が20万円を超えた場合は確定申告をする必要がありますが、そのためには収益物件の簿価を計算しなければいけません。

    その際に必要になるのが、取得に伴って発生した費用を簿価に含めるのかどうか(資本計上するのか)という点です。

    ただ、確定申告をしたいことがない方は、どこまでの費用を簿価に含めるべきか悩んでしまいますよね。

    そこで今回は、収益物件購入時に費用計上するか資本計上するかという点について分かりやすく解説します。

    [aside type=”warning”]この記事は国税庁のホームページに記載されている情報をもとに作成していますが、最終的な判断は税務署もしくは顧問税理士の方と相談の上決定するようにしてください。[/aside]

    0. はじめに

    そもそも、なぜ簿価を計算しなければいけないのかという点について理解したい方は、減価償却ってそもそも何なのか?減価償却の考え方を詳細に解説という記事を参考にして下さい。

    ここで、具体的な会計処理方法について説明する前に、なぜ資本計上する場合と経費にする場合があるのかという点について簡単に考えていきましょう。

    コンビニで100円のガムを買いました。仮に消費税が20%だった場合、レジで払う金額は120円になりますよね。

    この場合において、ガム自体は100円であっても、それを実際に手に入れるためには120円が必要です。

    そして、このガムが実質いくらかということを考えた場合、100円ではなく120円としよう。というのが国税庁の考え方です。

    この背景は、国税庁の減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用という記事にも書かれています。

    まずはこの考え方を頭に入れておきましょう。

    1. 押さえておくべき費用

    ここから具体的な会計処理方法について説明していきますが、日本の税制上では個人で購入する場合と法人で購入する場合でルールが異なりますので、それぞれの場合について順番に説明します。

    (個人の場合は所得税法が、法人の場合は法人税法が適用されます。)

    また、不動産の購入時に発生する費用の詳細については、不動産の購入時に発生する税金・費用と、軽減措置を分かりやすく解説という記事を参考にして下さい。

    今回おさえておくべき項目は以下の通りです。

    • 不動産取得税
    • 仲介手数料
    • 登録免許税
    • 火災保険料
    • 固定資産税

    厳密にはもう少し項目があるのですが、普通に収益物件を購入する上で上記以外の費用はほとんど出てきませんので、まずは上記の5項目を押さえておけば十分です。

    2. 法人で購入する場合

    まず、法人として購入する場合について説明します。

    細かい内容については、国税庁の減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用というページを参考にして下さい。

    また、区分について以下の表にまとめましたので、参考にしてください。

    項目 資本 経費
    不動産取得税
    仲介手数料
    登録免許税
    火災保険料 ×
    固定資産税

    2-1. 不動産取得税

    不動産取得税は資本費にすることも、経費計上することもできます。

    2-2. 仲介手数料

    仲介手数料は資本費にすることも、経費計上することもできます。

    2-3. 登録免許税

    登録免許税は資本費にすることも、経費計上することもできます。

    2-4. 火災保険料

    火災保険料は、一括して経費計上することはできません。

    まずは資本費として計上し、毎年償却費として計上していくことになります。

    2-5. 固定資産税

    固定資産税経費として認識します。なぜなら、固定資産税の負担は購入に発生するからです。

    例えば、4月1日に不動産を購入した場合、あなたの固定資産税の負担は4月1日から12月31日までの分であり、これは取得に関連する費用とはみなされません。

    3. 個人で購入する場合

    つぎに、個人で購入する場合について見ていきましょう。ちょっと不思議なのですが、個人で収益物件を購入した場合、租税関係費用は経費として計上することが一般的です。

    すなわち、法人の場合とは会計処理方法が異なるという点に注意しましょう。

    個人で購入する場合の詳細は、国税庁の固定資産税、登録免許税又は不動産取得税を支払った場合というページを参考にしてください。

    また、区分について以下の表にまとめましたので、参考にしてください。

    項目 資本 経費
    不動産取得税 ×
    仲介手数料
    登録免許税 ×
    火災保険料 ×
    固定資産税 ×

    3-1. 不動産取得税

    不動産取得税は経費として計上しなければいけません。

    3-2. 仲介手数料

    仲介手数料は資本費として計上することも、経費として計上することもできます。

    3-3. 登録免許税

    登録免許税は経費として計上しなければいけません。

    3-4. 火災保険料

    火災保険料は一括して計上することはできません。

    保険の期間に応じて、毎年少しずつ経費として計上していくことになります。

    3-5. 固定資産税

    固定資産税は経費として計上しなければいけません。

    4. 最後に

    収益物件購入時の経費を資本計上するのか経費計上するのかという点についてお伝えしました。

    なお、簿価の計上をした後に必要な確定申告の進め方について理解しておきたい方は、サラリーマンで不動産収入がある場合の確定申告の手続き全てという記事を参考にして下さい。

    また、収益物件を保有中に経費にできる項目について整理したい方は、不動産投資で経費にできる項目23個を紹介という記事を参考にして下さい。

    この記事を書いた人:大橋亮太

    三井物産株式会社で約7年働いた後、2015年に株式会社ムーブウィルを設立。両手仲介への違和感から買側の仲介に入ることを止め、売主側の味方だけをするサイト「売主の味方」を立ち上げる。

    ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士

    メールマガジンを購読する

    サラリーマン→起業の経験を活かし、個人で行きていくために必要な考え方を毎日メールで配信しています。ペースメーカーとして是非ご活用下さい。

    メールアドレスを入力購読解除はいつでも可能です

    [contact-form-7 404 "Not Found"]

    メールマガジンのバックナンバーはこちら

    無料プレゼントのご案内

    • 【所有者しか見れない】固定資産税評価シート
    • 【600本以上売れた】不動産収支計算ソフト
    • 【プロが監修】不動産を高く売る方法(90分動画)
    • 【税理士が絶賛】相続対策シート など
    • ぜひ、この機会にお気軽にお受け取りください。

    関連記事