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    健美家に掲載されている収益物件の詳細情報19個の見方を解説

    家を俯瞰

    不動産ポータルサイトから収益物件の情報を見る際、価格と利回りは必ず確認すると思いますが、それ以外の項目は先送りにしてしまいがちです。

    一方、いざ収益物件を購入する段階になると、細かいところにも目が行きがちになり、「この物件を本当に買っても良いのか?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか?

    そこで今回は、健美家を例に、収益物件の情報の見方を詳しく解説させていただきます。

    1. 対象となる収益物件の情報を紹介

    まず、今回対象とする収益物件の情報を紹介します。

    健美家、物件詳細情報

    早速、各項目の詳細について見ていきましょう。

    2. 価格

    まずは価格です。ここには消費税込みの不動産価格が記載されます。

    この数字を恣意的に変えることはできませんので、特に注意するべきポイントはありません。

    3. 満室時利回り

    満室時利回りには1年間の家賃収入額を物件価格で割った数字が記載されています。

    満室時利回りの計算方法

    満室時利回りを確認する際に注意するべきポイントは以下の1点です。

    3-1. 家賃収入以外の収入が入っていないか

    仲介会社としては、物件の利回りを少しでも上げたいため、対象となる不動産に家賃以外の収入がある場合はその収入も入れて利回りを計算する傾向があります。だからこそ、満室時利回りの前提となる収入が何に基づいているのという点についてしっかりと確認する必要があります。

    なお、家賃収入以外にどういった収入があるのかという点については、以下4.の満室時年収/月収をご参照いただければと思います。

    また、利回りについて詳しく知りたい方は、不動産投資の「利回り」の見方を投資のプロが解説という記事を参考にして下さい。

    4. 築年月

    築年月はその名の通り、建物が作られた(完成した)年月のことです。

    築年数を確認する際に注意するべきポイントは以下の1点です。

    4-1. 旧耐震構造ではないか

    昭和56年の建築基準法が改正された時期以降に建築確認が行われた建物は新耐震基準に基づいて建築されていますが、それ以前に建築確認を受けた建物の場合は旧耐震構造に基づいて建物が建築されています。

    旧耐震の場合であっても、大地震でたちまち倒壊するような構造であることはまれですが、旧耐震構造の場合は①買手が検討を見送る可能性があること、そして②金融機関からの融資が受けづらい可能性がありますので、少し意識しておくと良いでしょう。

    5. 満室時年収/月収

    満室時年収/月収は物件を購入することによって得られる収入額を示しています。

    この満室時年収/月収に関して注意するべき点は以下の通りです。

    5-1. 家賃以外の収入が含まれているかどうか

    不動産を購入することによって、家賃以外の収入を得ることができる場合があり、記載されている収入に家賃以外の要素が入っているかを確認することが必要です。具体的な収入は以下のようなものが挙げられます。

    • 自動販売機収入
    • アンテナ収入
    • 看板収入

    基本的には、これから購入しようとする土地・建物に第三者の物が置かれている場合は、そこから収入を得ることができると認識いただければ良いです。

    5-2. 想定外の支出がないか

    また、家賃以外の収入の確認と同時に、対象となる不動産を購入することによって想定外の支出が発生しないかという点も確認することが必要です。

    想定外の支出の詳細の具体例は以下の通りです。

    • 借上駐車場への支出
    • *ゴミの回収費用
    • 浄化槽の清掃費

    (*補足 / ゴミの回収費用)

    町内会費を払っている限り、ごみは無料で回収して貰えますが、ごみの回収場所が対象不動産から遠い場合、住民の方の利便性を高めるためにゴミ置き場を敷地内に設置することがあります。この場合、ゴミは業者に回収してもらう必要があるので、ゴミの回収費用が発生します。

    浄化槽について詳しく知りたい方は、浄化槽とは?その概要と運用コストをわかりやすく解説という記事を参考にして下さい。

    6. 物件名

    収益物件の物件名は対象となる不動産の名前です。

    購入した収益物件の名前を決めるのはオーナーですから、収益物件を実際に購入すれば名前を変えることも可能です。

    他方、物件名の変更は入居者にとっては手間の増加に繋がりますので、注意するようにしましょう。

    物件の名前を変更したい方は、マンション・アパート名変更の手続きを詳細に解説という記事を参考にして下さい。

    7. 建物構造

    次は建物の構造です。建物の構造は以下の4種類に分けられます。

    • 木造
    • 軽量鉄骨
    • 重量鉄骨
    • RC

    建物の構造は変えようがありませんが、仲介業者によっては誤った建物構造で物件を掲載していることがありますので、不安な方は登記簿謄本で対象となる建物の構造を確認するようにしましょう。特に木造と軽量鉄骨は見た目では違いが分からない場合がありますので注意が必要です。

    以下登記簿謄本のイメージと構造が記載している部分を図にさせていただきましたのでご参照いただければと思います。以下の赤で囲まれた部分が建物の構造です。

    登記簿謄本、建物概要

    8. 交通

    最寄りの交通機関とそこから対象物件までの距離が示されています。ここで確認するべきポイントは以下の1点です。

    8-1. 電車よりもバスの方が便利な場合がないか

    物件情報を掲載する仲介会社によっては、対象不動産の近くのバス停の情報を調べることなく、Google map等を活用して最寄り駅の情報だけを調べる場合があります。

    しかし、実際に調べてみると電車ではなくバスを使った方が便利な場合も見受けられます。

    例えば、首都圏へのベッドタウンとして知られる藤沢・茅ヶ崎などは家が駅から遠くにある一方で電車通勤する方多いため、バスが重要な交通手段になっています。購入の検討に際しては物件近くにバス停がないかという点についても意識するようにしましょう。

    9. 住所

    物件の住所が記載されています。住所は公図に基づく表示と一般的な地図にもとづく表示(住居表示)があります。

    健美家に掲載されている住所は一般的な住居表示に基づく場合がほとんどですが、契約のタイミングまでにはどの地図に基づいた住所なのかを確認するようにしましょう。

    10. 土地面積

    土地面積には対象となる不動産の土地面積が示されています。この際に注意するべき点は以下の1点です。

    10-1. 公図上の面積か、それとも実測面積か

    簡単に公図上の面積と実測面積の違いを説明させていただきます。

    公図上の面積は、昔に測量された面積であるため、実際の面積とは異なる場合があります。他方、実測面積は測量士によって測量された面積であるため、正確な面積を知ることができます。

    そして、今はまだ全ての土地の実測が完了していないことから、暫定的に公図上の面積が使われることがあるのです。この場合、選択肢としては、①公図の面積に基づいて売買を行うか、②契約までに測量を行い、正確な面積に基づいて売買を行う、という2つの選択肢があります。

    いずれにせよ、健美家に記載されている土地の面積が公図に基づいたものか実測なのかは確認しておいた方が良いでしょう。

    以下、公図と測量図のサンプルを載せさせていただきますので、参考にしていただければと思います。

    公図と地積測量図のサンプル

    出典:公図/山野不動産、地積測量図/武田土地家屋調査士事務所      

    11. 土地権利

    次は土地の権利に関してです。

    健美家の場合、土地の権利に関する表示は所有権と借地権の2種類です。ここでのポイントは1つです。

    11-1. 借地権の場合、その権利は地上権か賃借権か

    借地権といっても、実は大きく二つに分類することができます。その二つが地上権と賃借権です。

    この二つは全く違う権利といっても過言ではありませんので、土地の権利が借地権の場合、仲介会社に借地権の権利が「地上権」か「賃借権」か確認するようにしましょう。

    なお、現存する借地権はほとんどが賃借権であるということは頭の片隅に置いていただければと思います。

    また、地上権と賃借権の違いについて理解したい方は、物権と債権の違いを具体例と共に2分で理解し、地上権を学ぶというコラムをご参照いただければと思います。

    12. 間取り

    間取りはその名の通り、対象となる不動産の間取りが記載されています。間取りの確認にあたって注意するべきポイントは以下の通りです。

    12-1. オーナーズルームがある場合

    オーナーズルームとは、建物を建築した際、自分が住むことを想定して設計された部屋のことを言います。

    オーナーズルームは一般的に広い間取りであることが多く、さらにオーナーの趣味などが反映された部屋となっている場合もあるため、空室が出た際に入居者を決めることが難しくなる場合が多いです。

    以下オーナーズルームが付いている部屋のイメージを添付させていただきますので、ご参照いただければと思います。

    オーナーズルームの具体例

    出典:株式会社ガイアフィールド

    12-2. テナントがある場合

    また、テナントが入っているかどうかも確認する必要があります。なぜなら、テナントは居住用物件と比べて高い家賃が設定されている一方、入居付けに時間がかかる場合があるからです。

    テナントが入っている物件を購入する場合、空室率を長めに設定するなどの対策を取った方が良いでしょう。

    13. 建物面積

    建物面積は対象となる不動産の延べ床面積を示しています。これは登記簿に記載されている面積が書かれることが多いです。

    また、建物面積は積算価格とも関連していることから、銀行の融資とも関係してきますが、物件の外観からおおよその面積は把握できますのであまり気にする必要はありません。

    14. 建ぺい率/容積率

    健ぺい率と容積率はどれぐらいの建物を建てることができるかを示している指標です。ポイントの前に、建ぺい率と容積率がどういったものか、そのイメージを理解いただくため、以下の図を参照いただければと思います。

    建ぺい率と容積率のイメージ

    上記の図は、建ぺい率40%、容積率120%の場合に建てられる最大の建物を示しています。この場合の土地の面積は100m2ですから、床面積100 * 40% = 40m2まで、延床面積100 * 120% = 120m2までの建物を建てることができます。 

    この建ぺい率/容積率の確認において注意するべきポイントは以下点です。

    14-1. 低い建ぺい率/容積率ではないか

    例えば、田園調布などの高級住宅地の場合、建ぺい率/容積率共に非常に低い数字を設定し、閑静な街並みを保つような仕組みが作られています。

    こういった場所では高層マンションなどを建築することはできませんので、売る際に買手が見つかりにくい傾向があります。

    特に、建ぺい率が100%を切っている場合は基本的に2階建てのマンションやアパートを建てることができませんので注意するようにしましょう。

    15. 接道状況

    建物を建てる場合には、建築基準法に定められた道路に対象となる不動産の土地が接している必要があります。

    そして、健美家におけるこの欄には①どういった方位(東西南北)の道路に②何m接しているかということが記載されています。接道さえしていれば問題ありませんのが、ここに何も記載されていない場合は注意するようにしましょう。

    接道の種類についてしっかりと理解したい方は、建築基準法上の接面道路の種類を分かりやすく解説という記事を参考にして下さい。

    16. 用途地域

    用途地域は、計画的な街作りのため、地方公共団体が建築することができる建物の種類を地域毎に決めているものです。

    例えば、小学校の周辺に工場があると教育環境上好ましくありませんので、工場を建てることができる場所に小学校を建てることはできません。

    この用途地域は、以下の12種類があります。それぞれの地域で建てられる建物の分類は非常に細かいですので、イメージとして真ん中に近づくほど建てられる建物の種類が増えると認識していただければと思います。

    用途地域の種類 建てられる建物の種類
    第一種低層住居専用地域 少ない
    第二種低層住居専用地域
    第一種中高層住居専用地域
    第二種中高層住居専用地域 まあまあ
    第一種住居地域
    第二種住居地域 多い
    準住居地域
    近隣商業地域 まあまあ
    商業地域
    準工業地域 少ない
    工業地域
    工業専用地域

    17. 防火/国土法

    防火とは防火地域かどうかを、国土法とは国土利用計画法に基づく報告が必要かどうかを示しています。それぞれの概要と注意するべきポイントについて簡単に説明させていただきます。

    17-1. 防火地域かどうか

    防火地域とは、その名の通り火災の延焼を防ぐために力を入れなければいけない地域のことです。

    これは建築基準法に基づいた決まりであり、①防火地域、②準防火地域、③その他地域という3つの分類に基づき、建物に使う材料などに一定のルールが設けられます。

    とりわけ防火地域で木造建築物を建てる場合、その他地域と比べて建築コストが20~30%上がってしまうと一般的に言われていますので、防火地域の不動産を購入した場合、高い建築コストを懸念して買手が見つかりにくいこともありますので、この点は意識しておくようにしましょう。

    17-2. 国土利用計画法に基づく報告義務が必要な地域かどうか

    国土利用計画法とは、土地を有効に活用するため、一定以上の面積の土地の取引を行う場合、国に対して報告(もしくは許可)をとらなければいけないことを義務付けている法律です。

    届け出が必要となる面積は細かく分類されていますが、ざっくりとしたイメージでは、都内23区500m2以上、それ以外は2,000m2以上の土地の売買を行う場合に届け出て必要と認識して頂ければ良いです。

    すなわち、ほとんどの場合において届け出は必要ありません。取引する不動産の価値に影響を及ぼすものではありませんので、この法律は気にせずに売買していただいて構いません。

    18. 取引態様

    取引態様は仲介会社がどういった形で取引にかかわっているかを示しています。

    具体的には仲介(または媒介)、代理、売主の3種類があります。

    ここで押さえておくべきポイントは以下の通りです。

    18-1. 売主の場合

    売主の場合、仲介手数料が発生しませんので、手数料分の支出を抑えることができると認識しておきましょう。

    また、売主が宅建業者の場合は瑕疵担保責任を最低2年付けなければいけませんので、この点は買手にとってメリットがあるということができるでしょう。

    19. 現況

    現況は対象となる収益物件に人が住んでいるかどうかを示しています。

    健美家の場合は、賃貸中か空室の2種類があり、ここで注意するべき点は以下の通りです。

    19-1. 賃貸中の場合の空室率

    健美家の場合、入居率が90%でも10%でも「賃貸中」として表示されます。つまり、賃貸中といってもどれほど入居者がいるのかが分からないのです。

    どの部屋にどういった方がどれぐらいの期間住んでいるのかという点は、仲介会社から「レントロール」を貰うことによって把握することが可能です。

    以下にレントロールのサンプルを付けさせていただきますので、参考にしていただければと思います。

    レントロールサンプル

    レントロールの詳しい見方について知りたい方は、レントロールとは?レントロールを見る上でチェックするべき7つのポイントというコラムを参考にして下さい。

    20. 引渡

    引渡とは、対象となる不動産の引渡し時期が示されています。投資用物件の場合、購入した物件に実際に住むわけではありませんので、ここはあまり気にする必要はありませんが、以下の場合は注意が必要です。

    20-1. オーナー自身が物件に住んでいる場合

    オーナー自身が対象となる物件に住んでおり、物件の売却に伴って退去する場合、退去後のリフォーム費用などを考える必要がありますので注意が必要です。

    なぜなら、オーナーは長期間住んでいる可能性が高く、原状回復においてはかなり大がかりな工事が必要になる可能性があるからです。

    21. 最後に

    一般的にあまり知られていないポイントを中心に、健美家に掲載されている収益物件の見方についてお伝えさせていただきました。

    購入直前になって確認不足が明らかになる前に、同時並行で細かい部分の確認も進めていくようにしましょう。

    また、ポータルサイトでの検討が終わり、実際に現地現地確認に行こうと考えている方は、不動産投資で収益物件の現地確認を行う前にチェックするべき9つのポイントという記事を参考にして下さい。

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